じゃがいもの栄養成分を調べてみた

じゃがいもの栄養成分の特徴は、水分を抜くとほぼ糖質(でんぷん)であること。しかし、腹持ちがよい割にカロリーは低めです。ビタミンCやカリウムが取り立てて多いわけではないですが、葉物野菜なみにあります。皮はむいて捨てないで、そのまま使うのがよいと思います。

芽や緑色になった皮には毒になるソラニンが含まれているので注意して下さい。

じゃがいも

じゃがいもは地下茎

じゃがいもはナス科の植物です。土から掘り出すので根かと思いますが、地下茎です。茎の部分にでんぷんを蓄えています。ジャガイモの原産は南米アンデス山脈の高地といわれています。日本には江戸時代に入ってきたようです。(出典

根ではなく茎だから、芽が出たり皮が緑色になったりするのかもしれません。後述しますが、芽や緑色になった皮には毒となるソラニンが含まれています。意外と少ない量で中毒を起こすので、必ず取り除いてください。

じゃがいもの栄養成分

じゃがいもの栄養成分を調べてみました。成分表は下に載せてあります。

ほぼ炭水化物

水分を抜くと、残りのほとんどが炭水化物です。食物繊維総量が1.3gしかありませんので、ほとんどがエネルギーに変わる糖質(でんぷん)です。

カロリーはご飯の半分以下

しかし、カロリーは76kcalと大したことがありません。炊いたご飯は100gあたり160kcalあります。ご飯の半分以下のカロリーです。

食べた時に満足感があるので、ごはんを食べるかわりにじゃがいもを食べると多少カロリーオフにはなるかもしれません。

ビタミンCは野菜並み

ビタミンCは35mg含まれています。特別多いわけではありませんが、キャベツ(41mg)や小松菜(39mg)と比較しても同等にあり、野菜並みにあるといってよいと思います。

しかし、じゃがいもは一度に100g以上食べることが多く、じゃがいものビタミンCはデンプンに包まれていて加熱によって壊れにくいことが特徴です。

ミネラルはカリウムが多い

ミネラルはカリウムが多いです。バジル(430mg)やケール(430mg)とほぼ同等にあります。

その他の成分については特徴がありません。

全体的に、糖質(でんぷん)であり、エネルギー源となる食べ物です。

100gあたりの栄養成分
じゃがいも/塊茎生
カロリー76kcal
水分79.8g
たんぱく質1.6g
脂質0.1g
炭水化物17.6g
カリウム410mg
カルシウム3mg
マグネシウム20mg
リン40mg
0.4mg
亜鉛0.2mg
レチノール活性当量0
ビタミンD0
α-トコフェロールTr
ビタミンB10.09mg
ビタミンB20.03mg
ビタミンC35mg
食物繊維総量1.3g
※日本食品標準成分表2015年版(七訂)から引用

クロロゲン酸

じゃがいもの皮にはクロロゲン酸が含まれています。クロロゲン酸はコーヒーに含まれていることがよく知られています。

新・野菜の便利帖健康編には、このように書かれていました。

新・野菜の便利帳 健康編
新・野菜の便利帳 健康編は、野菜や果物などの栄養成分を手っ取り早く知るにはよい本です。 野菜の栄養について知るにはとてもよい本です。 本のタイトルに「健康編」と入っているのはダテではありません。 出版社の高橋書店は、手帳で有名な出版...

じゃがいもに含まれるクロロゲン酸はすぐれた抗酸化物質で、活性酸素の害から体を守るのに役立ちます。

このほか、食後の血糖値の上昇を穏やかにしたり、脂肪の蓄積を抑えたりする働きもあると考えられています。

じゃがいもの場合、クロロゲン酸はおもに皮に含まれるので、調理法を工夫して皮ごと食べるようにしましょう。

じゃがいもの有毒成分ソラニンに注意

芽と緑色の皮は取り除く

じゃがいもはしばらく置いておくと発芽してきますが、この芽は必ずきちんと取り除いてください。また、皮が緑色になったら皮を厚めにむいてください。有毒物質のソラニンができています。

ソラニンは、主にナス科の植物に含まれるステロイドアルカロイドという物質の一種です。

神経に作用する毒性を持ち、中毒すると溶血作用を示し、頻脈、頭痛、嘔吐、胃炎、下痢、食欲減退などを起こす。(中略)

成人の中毒量はおよそ 200–400 mg、小児の場合はその約10分の1程度と推定されている。(出典

私の周りで中毒を起こした話は聞いたことはありません。子供の頃からじゃがいもの芽は取ると聞かされてきたからかもしれません。しかし、私は皮が少し緑になってきていてもあまり気にしていませんでした。

じゃがいもを放っておくと、間違いなく芽が生えてきて皮が緑色になってきます。くれぐれも気をつけてください。

中毒防止のための方法がウイキペディアに書かれていましたが、大人はともかく、子供には注意してあげないといけないようです。

小さいいもは子供に食べさせない

特に、小さいじゃがいもは子供には食べさせない方がよいと思います。100g食べると簡単に中毒の危険がある量のソラニンを取り込んでしまいそうです。

じゃがいものできがよくない年には、小さいじゃがいもが売られている時があります。

市販ジャガイモの含有量は皮部約 50 ミリグラム、可食部 100 グラムあたり平均約 1.5 ミリグラムであるが、自家栽培では含有量の多い小型のものが多いため、皮部約 70 ミリグラム、可食部 100 グラムあたり平均約 45 ミリグラム(30 から 90 ミリグラム)である。

100グラム中の含有量が20 ミリグラムを超えるものは、食用に用いないのが望ましいとされている。特にジャガイモにおいて、必要な対策(含有量の多い小いもを避ける・皮部の非食用、日陰の保存)を取らずに調理し、中毒する例が多く、小児の場合はより注意を要する。(出典

エドガー・ケイシーとじゃがいも

エドガー・ケイシーについてご存知ない方は、ウイキペディアに記事があります。まずは読んでみてください。

日本では福田高規治療院の福田高規先生が、昔からエドガー・ケイシーの本を書かれています。私は仕事の関係で何度かお伺いしたことがありますが、とてもよい先生です。

新版 エドガー・ケイシーの人生を変える健康法に書かれていました。

じゃがいもの皮がよい

エドガー・ケイシーのこの話は、結構知られているように思います。こちらも皮をたべるようにすすめています。

「じゃがいもの皮は人体の各種の腺に影響を与えて、いろいろな作用を営み、体質を丈夫にする」(八二〇-二)

多くのリーディングが、じゃが芋の皮は健康に良いからといってすすめている。特に頭髪のうすくなるのを防ぐし、また白髪を予防するのにそれに勝るものはない、といっている。

やり方は週に二、三回、皮を生でおろしてその汁を飲むというのであるが、これはいかにもむつかしい。

うまくないし、新じゃがなどはエグいので飲めない。そこで私は、おろしたものを煮物に入れていただいている。そういうリーディングもあるからである。

これに生野菜とゼラチンをそえて食べるとよいという。(中略)

じゃが芋の栄養のあるところは皮の裏側であり、食べてよいのは皮のついたところから七ミリぐらいで、あとのほとんどはパルプ(果肉)だから捨ててしまうか鶏にやるか、湿布に使うとよいとリーディングはいっているので、私は捨ててしまっている。(中略)

果肉の方のじゃが芋はリーディングによれば、甘いもの、白米、白パン、スパゲッティ、うどん、餅、他の芋類、肉類と食べ合わせが悪いことになっている。

じゃがいもの芽と緑色になった皮はソラニンという毒素があるから、絶対食べてはいけない。

私がこれを読んだのは20年くらい前ですが、いまだに、皮だけを食べることにできず、皮はもちろん食べていますが、中身も食べています。おいしくて・・・。

目の湿布に使う

もう一つ目の湿布にも使えるそうです。

リーディングによると、じゃが芋は眼によく効くそうだ。先に白髪の予防薬として紹介したが、ここでは別にまつ毛が白髪になるのを防ぐためではなく、眼の湿布として覚えておくとよい。

食物のところで、皮は食べて中身は鶏のエサか眼の湿布に使うとよいというリーディングがあった。もし、農薬を使ってなくて消毒や発芽防止の処理もしていない自然のままのじゃが芋ならば、皮ごと用いてもよい。(中略)

用意したじゃが芋をおろし金でおろして、それをどさっと目の上にのせる。それが落ちないようにガーゼをのせておき、一、二時間じっとしている。

麦粒腫(ものもらい)、目の疲れ、砂が入ったのをのぞいたあとの目の痛み、充血などに卓効があるから、サイクリング、ドライブ、山歩き、海水浴のお供にどうであろうか。

胃腸を丈夫にして、エネルギーを補給

世界一やさしい! 野菜薬膳食材事典には、このように書かれていました。

世界一やさしい! 野菜薬膳食材事典
世界一やさしい! 野菜薬膳食材事典は、漢方の理論に基づいて、120種類の食材の効能が解説された本です。みんな普通の食べものばかりです。

胃腸を丈夫にして吐き気を緩和し、エネルギーを補給する野菜です。家庭料理によく用いられる野菜の中でも、体力、気力を充実させる代表的な食材といえます。

胃腸にやさしく、消化もよいだけでなく、便通も改善します。また、疲労回復にも役立ちます。

軽いやけどや打ち身ねんざなどに

また、自分で採れる薬になる植物図鑑にはこんなことが書かれていました。

自分で採れる薬になる植物図鑑
野菜の民間療法的な効果を調べるために自分で採れる薬になる植物図鑑を読みました。調べることはできましたが、野草が好きな人のための本だと思います。 この本には薬になる植物243種、薬になる野菜・ハーブ34種、毒草22種が収められています。...

軽いやけどにはイモの皮をむいてすり下ろし、水気を軽くしぼって患部に貼る。

打ち身、ねんざには、イモのすりおろしにイモの半量の小麦粉と酢少々を加え、練ったものをガーゼにのばして患部に貼る。いずれも乾いたら取り替える。

食用としては、体内の塩分のバランスを保つカリウムが多く含まれ、高血圧予防効果が期待できるほか、アルカリ性で尿酸を抑制するので痛風予防にもよいとされる。

保存方法

温度を0~8℃にして、乾燥させないように貯蔵します。光があたっていると皮が緑色になってくるので、光を当てないように(空気が多少通る)紙の袋に入れておくとよいです。

まとめ

じゃがいものソラニンが意外と無視できない含有量だったので、少しびっくりしました。小さいお子さんには十分配慮してあげないといけません。

じゃがいもは、糖質(でんぷん)であり、エネルギー源になるものと考えてよいと思います。お腹にたまる割に、炊いたご飯に比べてカロリーが半分以下ですからダイエットに役立ちそうです。

じゃがいもの皮はソラニンに気をつけなければいけませんが、たわしでよくこすって土を落とし、皮をつけたまま料理するのが体によさそうです。

私はポテトサラダが好きなので、エドガー・ケイシーのリーディングのように中身を食べずに捨てることはできそうにありません。

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