小松菜はしばらくジュースにして飲んでいたことがあります。ホウレン草のようなアクがなく飲みやすいです。カルシウム、鉄、β-カロテン、ビタミンE、葉酸、ビタミンCが入っていてなかなか性能がよい野菜です。
小松菜は東京の野菜
小松菜は中国が原産。江戸時代に、東京の(江戸川区)小松川付近で栽培されていたことからこの名前がつけられました。詳しい歴史が分かったので、後ろに書き加えました。
厳冬期以外、1年中種まきができるのが特徴です。私が小松菜が好きで、八百屋さんでよく買います。ただ、ここ数年大雨の影響で値段が高い時が多いです。
プランターでも育てやすい野菜らしいので、自分でつくってもよいかもしれません。春と秋に種をまくと、90日前後で収穫でき、夏なら30日前後、冬なら110日前後で収穫できるそうです。
小松菜の栄養成分
なかなか性能がよい野菜です。カリウム、カルシウムが多く、鉄分も2.8mgあります。カルシウムは野菜の中でトップクラスです。ほうれん草の49mgよりも3倍以上あり、牛乳の110mgよりも多いです。
骨粗しょう症が問題になっていますから、鉄分補給とあわせて特に女性が食べているとよい野菜ですね。
β-カロテンもニンジンの8600μgほどではありませんが、多いです。α-トコフェロール(ビタミンE)はビタミンCと一緒に抗酸化のために働いてくれます。
葉酸はほうれん草ほどではありませんが、おひたしにすれば、1日の推奨量250μgに手が届きそうです。
こまつな葉生 | |
カロリー | 14kcal |
水分 | 94.1g |
たんぱく質 | 1.5g |
脂質 | 0.2g |
炭水化物 | 2.4g |
カリウム | 500mg |
カルシウム | 170mg |
マグネシウム | 12mg |
リン | 45mg |
鉄 | 2.8mg |
亜鉛 | 0.2mg |
β-カロテン | 3100μg |
レチノール活性当量 | 260μg |
ビタミンD | 0 |
α-トコフェロール | 0.9mg |
ビタミンB1 | 0.09mg |
ビタミンB2 | 0.13mg |
葉酸 | 110μg |
ビタミンC | 39mg |
食物繊維総量 | 1.9g |
※日本食品標準成分表2015年版(七訂)から引用 |
効果・効能について
世界一やさしい! 野菜薬膳食材事典にはこんな効果が書かれていました。
体の熱をとり、のぼせやイライラ、気持ちの高ぶりを鎮める働きがあります。
更年期のほてりや、血圧が大きく変動するのを改善、また、生理前やストレスでイライラしたり、落ち込みやすいときにも向きます。
さらに、胃腸の働きをよくして便通を正常にする効果もあります。
生で食べてみる
以前、出勤前に小松菜ジュースを飲んでいたので生で食べられることは分かっています。しかし、一方では固定観念で、繊維がかたいからおひたしにするするのだろうとも思っていました。こういう時は、調べるに限ります。
クックパットで検索すると、おいしそうな小松菜サラダがでてきました。
材料は以下の通りです。
- 小松菜2本
- キャベツ130g
- 淡路の玉ねぎ1/4
- 黒すりごま大さじ1
- 薄口醤油 大さじ1
- ポッカレモン大さじ1
小松菜は5cm幅に切って、キャベツは千切り、たまねぎは薄くスライスしてあえるようです。こういうことは自分でやってみないとどんな味になるのか分かりません。
小松菜の保存方法
小松菜は湿らせた新聞紙に包んでポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存します。その時に立てて、葉を上の方にして保存すると長持ちします。
小松菜の歴史
小松菜は東京生まれの野菜です。江戸東京野菜 物語篇に詳しく書かれていました。
八代将軍・徳川吉宗命名の<小松菜>
<小松菜>も江戸の伝統野菜の代表格で、現在の江戸川区中央の香取神社(新小岩)において名付けられたと伝えられている。享保4年(1719)に、八代将軍・徳川吉宗が鷹狩りでこの地を訪れた時、昼食の場所に香取神社が選ばれた。
神主の亀井和泉守永範は、出せる料理が何もないと困り果て、やむなく餅の澄まし汁に、庭に生えていた青菜を彩りに添えて出した。
すると吉宗はたいそう喜び、「この青菜は何と云う名か」とおたずねがあり、「この地方に生える名もない青菜です」と答えた。
そこで吉宗は「ここは小松川だから小松菜にするとよい」と、その青菜を命名したという。
途中ですが、香取神社のサイトがありました。小松菜の産土神の碑にリンクを貼っておきます。
現在、香取神社には小松菜の産土神(うぶすながみ)が祀られ、暮れに地元の農家から小松菜の小束をたくさん取り寄せ、暮れから正月にかけて祈願に来た参拝者に授ける行事がおこなわれている。
参拝者は授かった小松菜を持ち帰り、雑煮にいれ「無病息災・家内安全」を祈るなど、今でもそこには、江戸東京の食文化が息づいている。
また小松菜は北海道から沖縄まで栽培され、緑黄色野菜として手軽に食べられている。この小松菜は昭和40年代から導入された高度な交配技術によって周年栽培が可能になった品種で、いわゆる伝統野菜の小松菜とは異なる品種である。
そもそも伝統野菜の小松菜は固定種のため、病気に弱く、周年栽培もできなかった。しかも外葉が広がるため束ねにくく、販売時の日持ちも悪いなどの欠点があった。
そこでこれらの欠点を育種・改良した交配種が開発され、市場に出回っている。葉がまっすぐ立つようにチンゲン菜などと交配した交配種は、結束しやすくなったおかげで収穫量も3割増しになったという。
このように小松菜は、形だけでなく味までも違った野菜になってきているのだ。
ところが最近、固定種の小松菜が一部農家で復活した。交配種の小松菜と区別するため、あえてこの固定種の小松菜を<伝統小松菜>と呼んでいる。
つくりづらさはあるものの、10月~翌4月までの季節限定でお目見えする旬の味がわかる野菜だ。
これを食べた消費者からは、「昔の小松菜を思い出した」と好評で、リピーターが確実に増えている。
まとめ
自分で調べると本当によいですね。小松菜をもっと食べようという気分になります。小松菜はくせがないですから、和風にも洋風にも料理できます。
しかし、まずは生でサラダにして食べてみようと思いました。また、おひたしにするために茹でる時も、本当に短時間でよいのだなと分かりました。