おいしいナスには意外な効果がある

ナスは夏野菜だから体を冷やす効果があるのは想像できますが、ナスの実をおろしたものにイボとりの効果があるなんて知りませんでした。よいナスの見分け方、栄養成分とあわせてナスの効果についてお知らせします。

なす

ナスの天ぷら、ナスのぬか漬け、ナスはおいしいです。トマトとナスのパスタも好きです。なぜナスはあんなに油と合うのでしょう?

ナスの見分け方

内田悟のやさい塾 旬野菜の調理技のすべて 保存版 春夏には目利きどころとしてこのように書かれていました。ご参考まで。

  1. ヘタの下の肩が張り、ガクの部分に三角形のとげがある。
  2. 軸が中心にある、ガクがまんべんなくついている。※ガクは日差しや乾燥から実を守る働きをする。偏っていると実詰まりにムラが出やすい。
  3. 皮につやと張りがあり、茄子紺といわれる紫色が濃い。

ナスの旬は6月~9月です。

ナスの栄養成分

ナスの栄養成分は、カリウムが少し多く、β-カロテンも少し多い。そのくらいであまり特徴はないです。

100gあたりの栄養成分
なす果実生
カロリー22kcal
水分93.2g
たんぱく質1.1g
脂質0.1g
炭水化物5.1g
カリウム220mg
カルシウム18mg
マグネシウム17mg
0.3mg
亜鉛0.2mg
0.06mg
βカロテン100μg
レチノール活性当量8μg
ビタミンD0
α-トコフェロール0.3mg
ビタミンB10.05mg
ビタミンB20.05mg
葉酸32μg
ビタミンC4mg
食物繊維総量2.2g
※日本食品標準成分表2015年版(七訂)から引用

ナスニン

皮の濃い紫色は、ナスニンという色素によるものです。紫色らしくアントシアニン系の色素で、抗酸化作用を持つポリフェノールの一種です。

なるべく皮をむかずに調理した方がよいです。ナスニンは水溶性なので、水に浸けずに使う直前に切って調理するのが理想的です。

油を使って高温で調理すれば、ナスニンの損失が少なくなります。

ナスの効果効能

薬剤師であり、あん摩指圧マッサージ師でもある橋本紀代子先生の食べものはくすりにはこのように書かれていました。

食べものはくすり
野菜やくだものについて、昔の本草書に出ているような効果を解説してくれる「食べものはくすり」をご紹介します。 食べものはくすりは、大手出版社ではなく、本の泉社という文京区の出版社から発行された本です。しかし、使っている紙も含めて手間がか...

天然の歯みがき粉

ナスには口内炎、舌のただれ、歯の痛み、歯茎の腫れなどをしずめる働きがあります。とくにナスのヘタの黒焼きを患部にぬると、炎症の熱がおさまり、痛みがやわらぎます。

毎日のお口の健康のためには、ナスの黒焼きを歯みがき粉にし、歯茎をマッサージします。歯を丈夫にし、歯槽膿漏の予防になります。

歯みがき粉のつくり方は、完熟したナスを、ヘタも皮もつけたままアルミホイルに包み、真っ黒になるまで蒸し焼きにするだけです。ナスの黒焼きは、自然食品店などで販売されています。

のぼせ対策として

「秋ナスは嫁に食わすな」ということわざがあります。ナスは夏野菜で、体を冷やす働きがあります。冷え症の人や妊婦が食べすぎると体によくないという思いやりが、このことわざを生み出したという説もあります。

高血圧やのぼせの強い人にとっては、体にこもっている熱をさますナスがとてもよいくすりになります。(中略)

ナスには声がでにくくなる働きもあり、せきのでやすい人が多食するのは好ましくありません。

しもやけやイボとりなど

しもやけには、ナスのヘタを煎じた汁を患部につけ、よくマッサージします。ナスはイボとりの妙薬でもあります。ナスの実のおろし汁をイボに一日数回ぬったり、ナスのヘタでこすったりします。

尿が出にくいときには、ナスを乾燥させて粉にして、毎日一回約四グラムをお湯で飲みます。

ナスは黄疸や肝炎の妙薬ともいわれナス入りのおかゆを毎日食べる民間療法もあります。

また、自分で採れる薬になる植物図鑑にはこんなことが書かれていました。

自分で採れる薬になる植物図鑑
野菜の民間療法的な効果を調べるために自分で採れる薬になる植物図鑑を読みました。調べることはできましたが、野草が好きな人のための本だと思います。 この本には薬になる植物243種、薬になる野菜・ハーブ34種、毒草22種が収められています。...

夏に、成熟した果実を採取して、そのままあるいは天日で乾燥させて用いる。これを茄子(かし)といい、またへたの部分を乾燥させたものを茄帯(かてい)という。果実は常温で保存したほうが長持ちする。

打ち身やねんざ、軽いやけどには冷やした果実を縦に切って切り口を患部にあてる。

腫れものには茄帯(かてい)10gを煎じた汁で冷湿布する。へたは古くからいぼとりの効果があるとされ、切り口でいぼを繰り返しこするといぼがとれることがある。

また、ナスは体を冷やす作用のある夏野菜なので、食用すると暑さによるのぼせを解消するのに役立つ。

熱を冷まし、痛みを鎮める

世界一やさしい! 野菜薬膳食材事典にはこんな効果が書かれていました。

世界一やさしい! 野菜薬膳食材事典
世界一やさしい! 野菜薬膳食材事典は、漢方の理論に基づいて、120種類の食材の効能が解説された本です。みんな普通の食べものばかりです。

熱を冷まし、炎症や腫れを鎮める働きがあります。また、血液の巡りをよくし、痛みや出血を改善する作用があるので、痔や歯肉炎、生理痛の手当てに向きます。

さらに利尿を促してむくみを改善したり、胃腸の働きを助ける効果もあります。

ただし体を冷やすので、冷え性の人は、体を温める効果のあるしょうがやにんにくと組み合わせるとよいでしょう。

ナスの保存方法

高温多湿を好むなすは、低温乾燥が苦手。冷蔵庫に入れると低温障害を起こして種が黒くなり、傷みやすくなります。空気にふれないように新聞紙に包んで、常温で保存します。2~3日で食べきります。

まとめ

ナスは生で食べるとアクが少々気になりますが、クックパッドの千切り生なすのポン酢かけを読むと水にさらして1~2分でアクは抜けるようです。

千切り生なすのポン酢かけ by JIROrinrin
義父の田舎ではなすを生で食べるそうです。初めて出されたときは本当にビックリしました!不思議な食感でクセになります。

しかし、ナスは油で調理したものがともかくうまいです。ナスの天ぷらに少しおろしショウガを乗っけて食べるともっとうまいです。なぜ、あんなに油に合うのか謎です。

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