この記事では、パセリの選び方。パセリの栄養成分。茎を捨てないで使うこと。そしてパセリの効果。保存方法についてお知らせします。
パセリの栄養成分は相当に濃いです。
子どもの頃、パセリを初めて食べたのは、ポテトサラダをはさんだサンドイッチに入っていたのだったか。それ以来、口の中に広がる清涼感と苦みが好きだなと思っています。
パセリの選び方
葉がみずみずしく緑色が鮮やかなものがよいです。茎もシャキッとして張りのあるものが新鮮。
パセリの栄養成分
パセリは生と乾燥させたスパイスを調べてみました。生もすごいですが、スパイスもすごいですね。スパイスを買ってきてもよい感じです。
カリウム、カルシウム、マグネシウムもあり、鉄、β-カロテン、ビタミンC、食物繊維もとても多いです。β-カロテンから計算できるビタミンAの効力はレチノール活性当量で表されますが、生でもほぼ1日の推奨量を満たしています。
ただ、普段、一度に100g食べることはありませんね。
口に入れてもアクが残るわけでないので、生で100g食べてもきっと平気だと思いますけれども。私は大丈夫。
パセリ葉生 | パセリ乾 | |
カロリー | 43kcal | 341kcal |
水分 | 84.7g | 5.0g |
たんぱく質 | 4.0g | 28.7g |
脂質 | 0.7g | 2.2g |
炭水化物 | 7.8g | 51.6g |
カリウム | 1000mg | 3600mg |
カルシウム | 290mg | 1300mg |
マグネシウム | 42mg | 380mg |
リン | 61mg | 460mg |
鉄 | 7.5mg | 17.5mg |
亜鉛 | 1.0mg | 3.6mg |
銅 | 0.16mg | 0.97mg |
βカロテン | 7400μg | 28000μg |
レチノール活性当量 | 620μg | 2300μg |
ビタミンD | 0 | 0 |
α-トコフェロール | 3.3mg | 7.2mg |
ビタミンB1 | 0.12mg | 0.89mg |
ビタミンB2 | 0.24mg | 2.02mg |
葉酸 | 220μg | 1400μg |
ビタミンC | 120mg | 820mg |
食物繊維総量 | 6.8g | – |
※日本食品標準成分表2015年版(七訂)から引用 |
アピオール
パセリのすっきりした強い香り成分には、消化を助けて食欲を増進させる働きがあります。ほかには、口臭を予防したり、食中毒を予防する効果も期待できます。
腸内の悪玉菌の増殖を抑え、整腸にも効果的だと考えられています。
パセリの茎を使う
パセリをたくさん買ってくることはたまにあります。ただ、使うのは葉っぱの部分でも、パセリの束にはたくさん茎がついてきます。
捨てるのはもったいないと思いつつも、せいぜいみじん切りにして何かに加えるくらいしかアイディアがありませんでした。
クックパッドで探してみると、まろやか酢~パセリの茎を捨てないで!~がありました。
お酢の風味づけにパセリの茎を使うのです。これはよいですね。ローリエも入れれば独特の爽やかな風味がつきます。材料を入れて1週間たてばできあがり。にんにくが必要でなければ入れなくてもよいのです。
考えてみると、ピクルスなんか香りづけのスパイスの類いがいろいろ入っていました。
材料
- 醸造酢 200㏄
- ローリエの葉 2枚
- パセリの茎10本程度
- にんにく(お好みで) 1かけ
また、◎捨てないで!パセリの茎もパセリです!◎では、パセリの茎を小口切りにして冷凍しておき、必要な時に香りづけのために使うことが紹介されていました。
葉の部分より香りと食感が強いので、マッシュポテトやパスタなど加熱するお料理に使うのが特におすすめです、と書かれていました。
パセリの効果効能
薬剤師であり、あん摩指圧マッサージ師でもある橋本紀代子先生の食べものはくすりにはこのように書かれていました。
貧血の予防に
パセリの鉄分は、すべての野菜、くだものの中でトップ。コマツナも顔負けの野菜です。女性は生理の関係でどうしても貧血になりやすく、少ない量で鉄分の補給ができるパセリは貴重な野菜です。
パセリはビタミンCが非常に多い野菜でもあります。ビタミンCは歯や骨や結合組織の形成に関与し、毛細血管を丈夫にし、体の発育になくてはならないビタミンです。
血液浄化
ドイツは緯度が高く、冬になるととても寒いので、緑の野菜がきわめて少なくなります。ソーセージや乳製品、野菜といえばジャガイモという生活です。
ですから、春になるとたくさんの野草を食べる春季療法がおこなわれ、毒素のたまった体をきれいにするというわけです。
タンポポやパセリなどは、体の毒素を尿や便として排泄し、きれいな血液をつくるくすりとして扱われてきました。
また、ヨーロッパの伝統医学である植物療法では、パセリの果実を利尿剤として用いています。アメリカの食養家はジュース療法の本の中で、パセリは「神経衰弱、眼病、腎臓病、血管病に有効」であると書いています。
また、自分で採れる薬になる植物図鑑にはこんなことが書かれていました。
パセリの葉にはビタミン類やカルシウム、鉄が豊富である。また精油成分でパセリ特有の香りのもとであるアピオールは食欲を刺激する効果がある。
疲労回復、食欲不振、貧血、生理不順などには1日量を30gとして、葉を生食するか、ジュースとして飲む。
アピオールには食中毒を防ぎ口臭を抑える働きもあるので、食事の後に葉を少量食べるとよい。
打撲やねんざなどには、葉を刻んで患部にのせ、冷やしたタオルを当てると腫れがひく。
世界の伝統医療に使われてきた
丁宗鐵先生編著のスパイス百科 ~起源から効能、利用法まで~(丸善出版 2018)にはこのように書かれていました。この本はとても詳しいです。
なかなか範囲が広い効果があると考えられていたようです。パセリが中絶薬として用いられているなんて初めて知りました。女性は少し気をつけた方がよいかもしれません。
パセリは古くから「風邪」「胃薬」「利尿剤」「尿路消毒剤」「抗尿路結石」「抗気管支炎」「抗炎症作用」など幅広い薬効があるとされ,「無月経」「月経困難症」「胃腸障害」「高血圧」「心臓病」「耳鼻咽頭炎」「鼻炎」「糖尿病」「皮膚疾患」などの患者に用いられてきたという記録がある.
表1に世界各地の伝統医療におけるパセリの使用について示す.
<臨床>
ヒトを対象とした臨床試験では,パセリを14人の食事に1週間追加したところ,パセリなしの食事と比較して抗酸化酵素が増えることがわかっている.
また,その有効成分がアピゲニンであることもわかっている.
<日本人を対象とした臨床試験>
日本人では分娩後24時間の経産婦の後陣痛緩和のためのパセリの効果について調べた臨床試験において,パセリは感覚的性質の痛みを緩和することが明らかとなっている.
子宮収縮剤未使用者がパセリを食すると,後陣痛の緩和効果が分娩後24時間まで期待でき,鎮痛剤使用率も少なくなった.
<毒性および認容性>
伝統医療では,パセリは中絶薬として用いられているため,妊婦や妊娠の可能性がある女性は避ける必要がある.
パセリの急性毒性をラットで評価した試験では,毒物学的に悪影響は認められなかった.また,接触性光過敏症皮膚炎(その物質に触った後に,日光の紫外線を浴びると発症する皮膚炎)が,ブタを用いた動物実験に加えて,ヒトにおいても報告されており,その原因物質がパセリに含まれるフロクマリン(furocoumarins)類,特にオキシプセダニン(oxypucedanin)であることがわかっている.
<アレルギー>
花粉症の人は,パセリをはじめとするセリ科の植物で口腔アレルギー症状を発症しやすいので注意が必要である.
地域 | 使用部位 | 利用方法・利用目的 |
イラン | 種子 葉 | 抗菌薬,消毒薬,鎮痙薬,鎮静薬,胃腸障害,駆虫薬,消化薬,収斂薬,胃腸炎,炎症,解毒剤,口臭,腎臓結石および無月経発疹,黄斑,頭痛,鼻炎,腎臓結石,痔,胃腸障害,視力および皮膚炎,食品の風味付け |
イラク | 葉 | 皮膚病 |
トルコ | 葉 | 抗凝固剤,高血圧,高脂血症,肝毒性および糖尿病 |
種子 | 利尿 | |
中国 | 葉 | 食品の風味付け |
モロッコ | 葉 | 動脈性高血圧,糖尿病,心臓病,腎臓病,腰痛,高血圧,湿疹および鼻血,無月経,月経困難症,腎臓結石 |
スペイン | 葉 | 前立腺炎,糖尿病,口臭,中絶,貧血,高血圧,高尿酸血症,便秘,歯磨き粉,痛み,脱毛症 |
イタリア | 地上部 | 中絶薬 |
ペルー | 種子 | 駆風薬,胃炎 |
セルビア | 葉 | 尿路疾患,むくみ,尿路感染症 |
パセリの保存方法
乾燥に弱いので、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存します。コップなどに水を張り、そこに柄の根元を切ってから挿しておくと長持ちします。
みじん切りで使うなら、茎がついたままポリ袋に入れて冷凍し、凍ってから取り出して葉の部分をもむとこなごなになります。みじん切りで使うつもりなら、こんな方法もあります。
まとめ
いつも行く八百屋さんは、ちょっとした市場の規模で、周辺の飲食店が仕入れに来ます。パセリや大葉をまとまった量で買うこともできます。もちろん、とても安いです。
肉を焼いて、パセリばかり大量に食べてみることも可能です。どのくらい一度に食べたら嫌になるかやってみても面白いかもしれないなと思いました。
アクが強いと口の中に残るのですぐに嫌になってしまいますが、パセリは香りが強いですが、それほどアクが強い感じはしません。
一度にたくさん食べてみようと思います。