「黒部源流山小屋暮らし」を読んだ

山小屋で生活するとどんな感じなのかなと思う人はあまりいないかもしれませんが、そんな興味を持つ人のために、ピッタリな1冊を見つけました。黒部源流山小屋暮らしという本です。

イワナ

いつも本を読んでいるので、最初の数ページを読むと、自分にとって面白い本なのかどうかわかります。この本は面白い本でした。すぐ分かりました。

私にとって人里離れた所に住みたい願望は、若い頃、山小屋生活をしていたからです。

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著者は、やまとけいこさん

山と渓谷社から出ているこの本を手にした時、著者は、「やまとけいこ」と書かれていて、ベタなペンネームだなと思ったら、ごめんなさい、本名なのでした。

イラストレーター やまとけいこ
イラストレーター やまとけいこ、武蔵村山市 - 「いいね!」497件 - 山と旅のイラストレーター、やまとけいこ。夏は黒部源流の薬師沢小屋で山の仕事、冬は東京で絵を描く仕事をしています。 ブログ

そして、すごく親しみやすい画の表紙だなと思ったら、美大を出た方で自分でお描きになっていました。本の中には挿絵やマンガも描かれています。

2019年に出版された本で12シーズン黒部源流の小屋で働いているのだとか。薬師沢小屋の開設期間は、7月1日~10月10日となっていました。1年のうち、3ヵ月を山の中で過ごせるのはとてもうらやましい。

薬師沢小屋はどの辺にあるのか、公式サイトはあるものの、薬師沢小屋について詳しく書かれていませんでした。

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こういう時は、グーグルの地図と画像が頼りになります。昔はグーグルマップには山小屋は出ていませんでしたが、本当によい時代になりました。

Yakushizawa Hut
★★★★☆ · 山中小木屋 · Arimine

実際に行った人が投稿した画像を見ると、建物は比較的新しい部分と、私にとってなじみがある1980年代の風情が残る部分があるようです。補修されているのでしょう。

本当に黒部川の源流にあるんだ。私はこの山域には一度も行ったことがありません。一度、雲ノ平か高天原の小屋に応募しようと思ったことがあるのですが、何しろ遠かったのと、その時は急峻な山がカッコイイと思っていたので、パスしてしまいました。

本を読んでいると、この方が山小屋生活が本当に好きなんだろうなということがわかります。私も今までに経験したアルバイトと仕事で山小屋生活が一番面白かったと思っています。

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「釣りとイワナと私」

特に面白い(というかうらやましい)と思ったのが、「釣りとイワナと私」です。どこでも昔より魚は減ったといわれますが、ここはイワナの放流をしているようで、たくさんいる感じが伝わってきます。

少しでもイワナ釣りをしたことがある人なら、行ってみたい!と思うでしょう。

私も毎年、小屋仕事の合間を見つけては、いそいそと釣りに出掛ける。よく飽きないもんだなと小屋番は呆れているだろうが、これほど面白く無心になれるものはない。

矛盾した話ではあるが、イワナ釣りが好きなだけに、釣られるイワナがかわいそう、という気持ちも人一倍だ。(中略)

上から覗ける淵の上からポイッと毛鉤を流したら、それを見つけたイワナが三方向からダッシュしてきて、うわ、すごいなと思ったら、三匹同時に毛鉤の下まで来て、頭をゴチーンとぶつけ、みんなでもんどり打った。

イワナは体が美しく、食べておいしく、たまらないです。

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秋の実りとキノコ中毒事件

私は割と用心深いので、キノコに当たったことはありませんが、たまに中毒の話は聞きます。本当に詳しい人が選んでないとこわいですよ。

なにか、ここに小屋で働く人の、秋にくたびれているけど楽しい気分が表れています。

もう秋も終わりの季節で、みんなちょっと気が抜けていたし、疲れていた。それで目上の人たちもいなくなって、解放感からか、妙なハイテンション状態になっていた。

よくわからないキノコがたんまり入った、その怪しげな鍋を囲んで、ワクワクしていたのだ。普段は缶ビールしか飲めないが、このときばかりと、生ビールをジョッキに注ぎ込んだ。「乾杯!」

ここから、数時間経つと、大変なことになるんですけど。

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まとめ

この方があとがきで書いているのですが。

山小屋は逃げ場のない閉鎖社会なので、下界以上のコミュニケーションが必要となってくるが、それは徐々に身につけていけばいいと思う。

サラリーマン生活を始めた時に、知り合う同僚や上司がどんな人なのか、なかなかわからないと思ったことがあります。山小屋生活は24時間いつも一緒にいるので、どんなに取り繕っても自分という人間はバレてしまう代わりに、一緒に住んでいる人のこともわかります。

こういう経験は、今どきでは珍しいことになるかもしれないですが、意外とよいですよ。若い人が経験すると、だまされにくい人になるかもしれません。

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