そば粉は生でも食べられるデンプン

そば粉は、実の中心から取れるものが評価が高く、外側に行くほど栄養価は高くなりますが評価は低くなります。そば粉は乾燥物ですが、でんぷんが多いのは当然として、肉と同じくらいたんぱく質が含まれています。そして、そば粉は、小麦粉や米、豆とちがって煮炊きしないでそのまま生で食べられるのが特徴です。

そば

そば粉の種類

そばはとても好きです。立ち食いそばも好きだけど、打ち立てのそばはとてもおいしいです。

そば粉には、一番粉(更科粉)、二番粉、三番粉、末粉、ひきぐるみなどの種類があります。

しかし、食品分析では、全層粉、内層粉、中層粉、表層粉と分類されていました。全層粉は、全部混ぜたものだとわかりますが、内層粉、中層粉、表層粉と一番粉などの関係がわからないので調べました。

ウイキペディアにはこのように書かれていました。

  • 一番粉 内層粉、そばの実の中心部分の胚乳のさらに中心部が主体、白色でほのかな甘みがある最上級粉だがそば独特の香りや風味に欠ける。成分は主に炭水化物(でんぷん)と水分。更科粉(さらしなこ)とも呼ばれることがあるが、本来の更科粉は製法が異なる。
  • 二番粉 中層粉、胚乳と子葉(胚芽)の一部が主体、うす緑黄色で香りが高く風味に優れる。ちゅうそう粉と表記されることも多い。
  • 三番粉 表層粉、胚乳の一部と子葉(胚芽)と種皮(甘皮)の一部、やや暗い青緑色で香りが強く栄養価が高いが味と食感に劣る。
  • 末粉 表層粉、子葉(胚芽)と種皮(甘皮)が主体、黒っぽくホシ(甘皮や蕎麦殻の破片)が多い。風味は非常に強いが食感は最も劣る。栄養価は最も高い。蕎麦がきや蕎麦菓子、冷凍麺、ゆで麺、乾麺の色づけなどに使用。四番粉、五番粉とも。特に繊維や殻の破片が多いものはさな粉(さなご)とも呼ばれる。
  • ひきぐるみは、抜き実もしくは玄そばを直接ひいた粉を篩(ふるい)で調製したものである。つまり、一番粉、二番粉等に分けたものをあわせた粉ではない。全層粉、全粒粉ともいう。
そば粉は、そばの中心部を挽いたものが一番評価が高く、そこから外側に向かって栄養価が高くなりますが、評価は下がるようになっています。

そばの栄養成分

そば粉の種類が上に書いたようにいくつかあるのでそれぞれについて調べてみました。下の表みまとめてあります。

そば米とは、そばの実を塩水でゆでて乾燥させ、殻を取り除いたもの。そばは脱穀時に砕けやすいが、いったんゆでて干すことで砕けにくく、脱穀も容易になり、角のある実の形を残せる。長野県や徳島県の祖谷(いや)地方の特産品で、雑炊、雑煮、汁の実などにするそうです。(出典

肉と同じくらいたんぱく質がある

栄養成分として全般的にたんぱく質が多いです。表層粉や全層粉だと肉と変わらないくらいです。脂質もあり、炭水化物も十分なのでなかなか栄養がありますね。

カリウムが多く、血圧の高い人にはよいでしょう。マグネシウムも多いので、カルシウムと一緒にとれば骨によいです。鉄分もそこそこあります。

ビタミンB1は多いです。江戸時代白米を食べるようになって「かっけ」が流行ったようですが、そばは薬代わりだったとか。

100gあたりの栄養成分
全層粉内層粉中層粉表層粉そば米
エネルギー361kcal359kcal360kcal358kcal364kcal
水分13.5g14.0g13.5g13.0g12.8g
たんぱく質12.0g6.0g10.2g15.0g9.6g
脂質3.1g1.6g2.7g3.6g2.5g
炭水化物69.6g77.6g71.6g65.1g73.7g
カリウム410mg190mg470mg750mg390mg
カルシウム17mg10mg19mg32mg12mg
マグネシウム190mg83mg220mg340mg150mg
リン400mg130mg390mg700mg260mg
2.8mg1.7mg3.0mg4.2mg1.6mg
亜鉛2.4mg0.9mg2.2mg4.6mg1.4mg
0.54mg0.37mg0.58mg0.91mg0.38mg
βカロテン00000
レチノール活性当量00000
ビタミンD00000
α-トコフェロール0.2mg0.1mg0.2mg0.4mg0.1mg
ビタミンB10.46mg0.16mg0.35mg0.5mg0.42mg
ビタミンB20.11mg0.07mg0.10mg0.14mg0.10mg
葉酸51μg30μg44μg84μg23μg
ビタミンC00000
食物繊維総量4.3g1.8g4.4g7.1g3.7g
※日本食品標準成分表2015年版(七訂)から引用

ルチン

ルチンは毛細血管を丈夫にし、血圧を上昇させる物質の働きを弱めるため、動脈硬化や高血圧の予防に役立ちます。

一般に生の澱粉は消化されにくい

たべもの心得帖にはこのように書かれていました。

たべもの心得帖
川島四郎先生のたべもの心得帖は、もともと昭和57年(1982)に発行され、その後、1990年に新潮文庫になりました。連載記事を60本おさめた本です。個々の記事は短いですが、川島四郎ファンにはやはり面白い本です。

米、小麦粉、豆、甘藷の澱粉を生でも生煮えでも食べると必ず下痢する

鼠(ねずみ)を使っての栄養試験で、生(なま)の澱粉(でんぷん)を幾日も続けて食べさせていると、しまいには必ず下痢を起こして斃(たお)れてしまうのです。

あれくらい食い意地の張っている鼠でさえ、生の澱粉にというものは消化も吸収もしないものです。

まして人間が、米にしろ麦にしろ、豆にしろ、煮炊きをしないで生で食べれば、必ず下痢をします。

生でなくても、生煮えでさえも大抵の人は腹をこわしてしまいます。甘藷(かんしょ)にしてもひと口ふた口は生で食べられても、永くは胃腸が続きません。

小麦粉を生で食べる人はいません。お米も生米はお腹によくないとか虫がわくと子ども頃からいわれていました。小麦粉とお米は少し性質が違っていて、小麦粉は焼いた方がおいしくなり、お米は蒸したらおいしくなります。

そば粉は生でも食べられる

しかし、そば粉は生でも食べられるのだそうです。そば粉はたんぱく質が多く、色も黒ずんでいますから消化されにくいのかと思っていました。

昔、猟人が冬の山に獲物を獲りに行き、二十日も一ヶ月も山の中に入り込むことがありました。

この場合の食糧は、獲った獣物(けもの)を食べたりもしますが、やはり澱粉性の食物が欲しいところ・・・。

そば粉は水で練るだけで食べられる

しかし、米だ麦だということになると、どうしても煮て食べねばならず、それには鍋釜もいれば火も起こさねばなりません。

軽装で獲物を追いまくっている猟人には、これがとても面倒なので、永い間の経験から主食として携行して行くようになったのが、「蕎麦粉」です。

蕎麦粉は他の主食と同じく穀類の粉でありながら、煮炊きの必要がなく、滝や谷川の水で練るだけで結構食べられ、腹もこわさないのです。

至極便利な食品です。

たとえば、そば粉を登山に携行すれば、水さえあればコンロが使えても使えなくても食糧になります。非常用の食糧としても使えそうです。水で練ってしょう油をかけて食べればそばみたいなものです。

たべもの心得帖によると、そば粉の他に生で食べられるでんぷんがもう一つありました。やまいもです。やまいもについては、やまいもを食べていると足腰がシャンとするらしいよという記事で紹介しました。

やまいもを食べていると足腰がシャンとするらしいよ
この記事では、やまいもの栄養成分、やまいもの滋養強壮など健康効果について、授乳中のお母さんには注意したいことなどについて書きました。 八百屋さんに行くとながいもをいつも売っていて、ながいもは体によいのだよなあと思いつつ、いつも買わずにいま...

そば粉はそばがきで

そばを打つ人なら別ですが、そば粉を食べるには、そばがきが手軽でよいでしょう。何しろそば粉をお湯で練るだけでよいのです。

クックパッドに失敗しにくいそばがきのつくり方が出ていました。お椀で掻く そばがきです。そば粉100gに熱湯200ccを少しずつ注いでいき練るという方法です。

お椀で掻く そばがき by liqueur☆
そばがきには色々な作り方がありますが、失敗無く簡単に作れるボウルの中にお湯を少しずつ入れて練り上げる方法です。

そば粉を食料と見れば、そば粉をお湯で練るだけの方が、栄養の損失は少ないですね。普通のそばは、お湯で茹でてから食べるので、そば湯が後で出てくるように、お湯にそばが少し溶けてしまいます。

私は、もちろん、そばの方が好きですけれども。

まとめ

私がそばを食べていて一番疑問に思ったのは、なぜこんなに高いのかということでした。気取った店だと、ただそばだけの大もりを頼んでも1000円以上取られたりします。

しかも、箸でかき集めると三口くらいで終わってしまいそうな量だったりして・・・。

その疑問は、自分でそば学校に行ってわかりました。そば粉はとても高いのです。特にブランドの北海道幌加内産などはキロ1000円では買えません。ちょっと調べました。

幌加内で1キロ1400円しています。

幌加内そば粉 石臼挽き ─ほろかない振興公社─ | 幌加内町観光協会
幌加内そば粉 石臼挽き 1kg キタワセ:こちらの商品は厳重な品質管理のもと、幌加内産そばの中でも特に良質な玄そばを丸抜きにし、石臼でゆっくりと丁寧に製粉したそば粉です。石臼挽きによるそば粉は、甘味・香りともに豊かで、そばそのものの品質、そして一番大切なそば独特の風味を損なう事がありません。ほろみのり:こちらの商品は、...

送ってもらうには送料がかかります。アマゾンだとこんな感じでした。

お米は1キロ500円だすとそこそこおいしいのが買えます。一般的な小麦粉はもっと安い。そば粉は全体的に高くて、そのためにそばは高いのです。

ただ、私は三口で食べ終わってしまうようなお店には二度と行きませんけれど。

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