ダイソーに観賞魚用の麦飯石が売られていたので、私は金魚じゃないけど、私が飲む水を浄化しようと買って来ました。麦茶用のポットに入れる時は、洗濯機用のくず取りネットが大きさがちょうどよくてメッシュも細かくてよいです。ついでに麦飯石ってどんな効果があるのか調べました。
麦飯石で飲料水をきれいにする
ダイソーに行ったら100円で麦飯石が売っていました。水槽用(魚用)でした。麦飯石って懐かしいなと思いました。
30年くらい前、1990年代の初めだったか、水の浄化が流行って数万円もするような高級な浄水器を買う人もいました。水に関して波動がよいとか悪いとかそんな水ブームがあったのです。
しかし、ふと思ったのです。熱帯魚か金魚が麦飯石を入れた水の中で平気なんだから、この麦飯石を使って、また水の浄化に使ってみようかと。
昔、麦飯石がよいと聞いて買ったことがありました。多孔質で水を浄化してくれミネラルも補給されるとかで、わずかな量でしたが2~3千円した記憶があります。バケツとやかんに入れて使いました。
それが今は100円で買えるのかと思いました。それで、またやってみようと思いました。
まず麦茶用のポットで実験だ
昔は、10リットル以上入るバケツを買ってきて夜に水を入れて一晩おいてから使っていましたが、だんだん面倒くさくなってやめてしまいました。今回も同じようにやると似たような結果に終わるのはわかりきっているので、少しいい加減なのですが、いつも飲み水を冷やしている麦茶用のポットに入れてしばらく使ってみることにしました。
麦飯石を準備する
まず、買って来た麦飯石をよく洗います。その後、15分煮沸します。その後、1リットルの容器に200~300gの麦飯石を入れて、5~10時間で出来上がりだそうです。国産の麦飯石の産地のページに書かれていました。そちらを勧めないでダイソーの麦飯石を使うのでリンクは貼りません。
ダイソーの麦飯石は、250g入りなので、とりあえず1つあればよいだろうと思いました。石をそのまま入れると、回収するときに面倒になるので、洗濯機用のくず取りネットを買って来ました。メッシュが細かいのでよさそうです。
洗うと少し濁った
さて、麦飯石を袋から出して水を張ったタライに入れると、水が濁りました。中国製と書かれていたので(麦飯石はもともと中国で発見されたものです)、品質的に砂粒が多いのかもと思っていましたが、意外と品質はよいですよ。
念のため水を取り替えながら5回洗いました。洗い上がりはこの通り。きれいになりました。
鍋に移して15分煮沸
鍋に移して水を入れて15分煮沸しました。
洗濯機用のくず取りネットを用意
グラグラ沸かしている間に、くず取りネットを準備します。
なんかパンツのような形をしていますが。上のゴムでしぼってあるところから入れます。大きさはちょうどよい。これが3枚入りで110円です。
15分完了。湯気が立っていますが濁りはありません。
麦飯石をネットに入れる
麦飯石を水で冷やして、ザルにあけ、ネットの中に入れます。
ネットの口は、ステンレス製の洗濯ばさみで挟んでとじます。これを麦茶用のポットに沈めました。
石や砂を透過してきた水はうまい
ちなみに私は八ヶ岳の根石岳山荘で小屋番をしていたことがあり、湧水のおいしさは知っています。ここは八ヶ岳の主稜線上にあり標高2500mくらいあるのですが、地盤に粘土が入っているので、根石岳と箕冠山からしみ込んだ水が出てくるのです。そして、ほとんど植物が生えてないのでとてもおいしい。
根石岳山荘から夏沢鉱泉に下っていく途中にオーレン小屋があります。小屋の手前に沢があるのですが、水の味は根石岳山荘のより少し落ちます。それは草木がたくさんあり、有機物が豊富で水に雑味として混ざるからだと思います。
石や砂を透過してきた水はうまいのです。
麦飯石は実際のところ効果的なのか?
接触性皮膚炎に対する麦飯石の基礎的検討という論文を発見しました。要旨にはこのように書かれています。
結論のところだけを抜き書きしますが、是非、リンク先の論文を読んでみて下さい。すぐに読めて内容も理解しやすいです。
麦飯石は無水珪酸を主成分とする火成岩類中の石英斑岩に属する岩石であるが,古くから腫れ物・皮膚病に効果のある漢方薬として普及してきた.そこで我々は,麦飯石の接触性皮膚炎に対する効果をみる目的で,モルモットに用いて検討を行った.(中略)
組織学的には表皮の肥厚と過角化,血管周囲性の炎症性小円形細胞の浸潤が共通した所見であったが,麦飯石群の表皮肥厚が最も軽度で,また炎症性小円形細胞の浸潤もわずかであった.以上より,麦飯石は接触性皮膚炎に対して抗炎症効果を持ち,皮膚炎の改善 に有効であると考えられた.
麦飯石溶解液を皮膚炎に塗っていると炎症の改善に有効らしいという結果です。
麦飯石を入れた容器に水を張って置いておく使い方では皮膚炎を抑制するなんて効果は望めそうにありませんが、最低、害にはならないと言えるでしょう。
この論文にあった、「古くから腫れ物・皮膚病に効果のある漢方薬」について調べてみると、麦飯石の理化学的特性についてに書かれていました。
本草綱目にも載せられていたのか
その一つに火成岩中の石英斑岩に属する岩石である麦飯石がある。本岩石は古来漢方薬の材料として重用されており,文献にも薬石として,天然薬に関する中国の本草書「本草図経」(蘇頌ら,1061年),「本草品彙精要」(劉文泰ら,1505年),「本草綱目」(李時珍,1590年)等に収載されている。 またわが国でも 「本草綱目啓蒙」(小野蘭山,1803年)において紹介されている。
かの有名な本草綱目(ほんぞうこうもく)に収められているなら、期待できます。
麦飯石の pH 緩衝作用を読むと、麦飯石を入れた水の中に酸やアルカリを添加すると、時間とともに、pH8.6付近で平衡するそうです。
市販麦飯石の組成ならびにpH 緩衝作用について検討した。酸およびアルカリの添加により溶液の pH は時間経過とともに弱アルカリ性である pH8.6 近傍に漸近した。
また、緑泥石から水中へのイオン溶出を読むと、麦飯石は、緑泥石の一種であり、水の中に入れると、カルシウムイオンとナトリウムイオンが溶けだしてくることがわかりました。しかし、ミネラル豊富というほどの量ではないので、多少増える程度だと思っておけばよいでしょう。
NOTE
麦飯石と一緒に備長炭があるといいなと思って、ダイソーで炭があるかどうか聞いてみたら、湿気とにおい取りの竹炭がありますとのことでした。竹炭なら、うちに確かもらったものがあったなと思って買いませんでした。
次回、やってみましょう。