カレーの効果を知ると毎日食べてもいいかなと思う

カレーを食べると深部体温が上がり、体表温度も上がります。体が温まるのは風邪を引いた時によくわかります。さらに脳の血流量も増えるらしいのである程度以上の年齢の方には特によいです。

カレールウは油が多いので、週に何度も食べているともたれたり太るかもしれません。しかし、自分でスパイスから作ると油をほとんど使わずにできます。私は毎日でも大丈夫です。もっとカレーを食べてもよいなと思っています。

カレー

モーニングカレーダイエットは「リバウンド」知らずを読みました。

著者の丁宗鐵(てい・むねてつ)先生は、よくテレビにも出演されている漢方の先生です。この本は、タイトルがいまどきの(軽い)本のタイトルのつけ方なので、最初あまり魅力を感じなかったです。面白い本だと思えなかった。

ひょっとして、私と同じような印象を持って本棚に戻してしまう人がいるかもしれないので、もう1冊ご紹介します。

最初に南伸坊さんとの対談、丁先生、漢方って、おもしろいです。を読むと博学多識の丁先生の魅力がとてもよく分かり、楽しく読めます。本当です。

この本について「丁先生、漢方って、おもしろいです。」は面白いという記事を書きました。

「丁先生、漢方って、おもしろいです。」は面白い
「丁先生、漢方って、おもしろいです。」はとても面白い本です。その中から3つ面白かった話を書きます。この本は健康を気にかける年代の方は、読んでみるとよいと思います。 丁先生、漢方って、おもしろいです。を読みました。 著者は、丁宗鐵(てい・むね...

カレーの効果

この本のテーマは、朝カレーとダイエットについてなのですが、私にとって、カレーの効果がとても興味深かったです。

風邪を引いた時によーくわかった

私がカレーの威力を感じたのは、5年前だったでしょうか、真冬に風邪を引いた時でした。
その頃、神保町のエチオピアに昼食を食べるため週2~3回は通っていました。

エチオピア@お茶の水
調子がよくない時はカレーに限る。暑い寒いは関係ない。体力が落ちている時には、刺激を与えて体温を上げた方がよいのだ。以前、寒い季節に風邪を引いた。味噌ラーメンを食べたが体がすぐに冷えた。ところが、翌日エチオピアのチキンカレーを食べたら、腹の中...

熱が出たらしく、寒気がして背中が張って節々に痛みもありました。この時は、なんとなく消化によさそう(?)な豆カレーを頼みました。辛さはいつもの10倍。

食べている時からお腹が温かくなり、食べ終わってコートを着て会社に向かって歩き始めても寒気を感じなくなりました。
お腹の温かさは数時間続いて、背中がその間にすごく楽になりました。

もちろん、それが風邪がよくなるきっかけになりました。
ちなみに、その前日は熱い味噌ラーメンを食べましたが、食べ終わって会社に着く前にゾクゾクとした寒気が戻って来ました。

カレーってすごいなと思ったものです。その時以来、カレーは体を温めてくれるものだと思っています。

深部体温が上がる

この本には、カレーを食べると、肝臓や脊髄あたりの体温である深部体温が上がる話が書かれていました。

カレーを食べたあとに、実際にどのくらい深部体温が上がるのか、これを調べるために実験をしてみました。

まず、市販のカレールウを溶いたもの(具は入っていない)と、市販のレトルトのお粥を37℃に温めたもの100mlずつを若い女性6名に、同じ条件のもとで食べてもらいました。(中略)

カレー、お粥とも、食後10分頃から深部体温が上がり始めましたが、20分後あたりで両者の差は開き始め、90分後にはカレーでは実験前より0.8℃、お粥では0.6℃上昇し、0.2℃差が出ました。

この実験結果から、カレーには強力な熱産生(エネルギー消費)パワーがあることがわかりました。深部体温が1℃上がると、エネルギーは食べる前の1.5倍から1.7倍も余分に消費されるとされていますから、カレーを食べると汗ばむ理由がよくわかります。

体表温度も上がる

冷え症にもよいそうです。私は冷え症ではなく、いつも手足が温かいのですが、手足が冷たいと悩んでいる方は多いです。

冷え症の自覚のある女性(冷え症以外には病気なし)6名に、カレー(市販のカレールウをお湯で溶いたもの。具は入れない)と対照食としてのレトルトお粥を食べてもらうという方法で行いました。

カレーまたはお粥を食べてもらったあと、室温24℃の部屋で体表温度の測定を5分おきに90分間続けました。

体表の計測場所は、手指と足指です。

冷え症がある人は、室温の影響を受けて体表温度は低下することが予想されましたが、この実験では、カレーを食べたあとではからだの深部温度を上げると同時に、手足の表面温度、とくに足指の体表温度が低下するのを抑える効果があることがわかりました。

お粥の場合は体表温度がいったんは上昇するものの、やがて低下するという傾向が見られました。

冒頭の私の話と対比すると、お粥は味噌ラーメンになります。ただ、味噌は体を温める働きがあり、塩も入っているから本来じわっと温まってもよいはずなのですが、カレーより効果的でなかったということです。きっと。

脳の血流量が増える

私は50代半ばを超えて、いやでも記憶力低下を感じています。「あれあれ、それそれ」が増えてきています。

カレーを食べていると、脳の血流量が増えるというのです。

少子高齢化時代、ひょっとするとカレーを食べ続けるとよいことがあるかもしれないと思いました。最初にこんなことを書かれています。

数字の「0」の発見やIT産業のめざましい発展など、インド人の頭のよさはよく指摘されていますが、これは、インド人の日常食であるカレーと関係があるのではないかと思われます。

私の頭はよくならないけれど、頭をスッキリさせたいと思うとカレーを食べます。それは確かに効果があります。また、テレビで手術前に必ずカレーを食べるという外科の先生の話を見たことがあります。

冷え症以外に病気のない女性6名に、市販のカレールウを溶いたもの(具は入れない)と、市販のお粥を食べてもらいました。

カレーとお粥は、それぞれ別の日の同じ時間に、室温24℃の部屋で食べてもらい、脳の組織中のヘモグロビンの量の変化をみることによって、脳の血流量を測定しました。

すると、お粥を食べたあとの脳の血流量の増加が最大で2%ほどであったのに対して、カレーを食べたあとでは2~4%増加し、しかもこの状態が60分間以上も続きました。

この血流量の増加は、狭心症の治療薬として知られるニトログリセリン錠(血管拡張剤)の2錠分の効果とほぼ同じです。

ニトログリセリンは、発作で弱った心臓の機能を一気に高める薬ですが、カレーはそれと同じような作用を穏やかに行い、心臓をはじめ全身の機能を無理なく高めてくれるのです。

最後の部分がとても重要です。血管拡張剤を飲んだように、血流量が増える。これはある程度以上の年齢の方には、魅力があると思います。お医者さんにいわれるととても希望が持てます。

また、脳の認知機能を高めるのは、血流量が増えるからよりもスパイスの精油成分によるものだそうです。辛ければよいわけでありません。トウガラシはカレーの辛さを出すスパイスですが、精油成分が少ないので脳の機能にはそれほど作用しないと書かれていました。

ターメリックはがんを予防する

カレーの黄色はターメリックによるものです。たくさん入れるスパイスではなく、少し入れただけで色が変わります。黄色い色素成分はクルクミンと呼ばれます。

ターメリック

クルクミンが、ガン予防の鍵になっているそうです。

2004(平成16)年に、千葉科学大学の木島(このしま)孝夫教授が動物実験を行い、ターメリックががんの発症を抑制することを証明しました。

マウス(実験用の小型ネズミ)に発がん物質を塗り、さらにターメリックの色素成分であるクルクミンを塗ったマウスと、塗らなかったマウスの違いを調べました。

結果は、クルクミンを塗らなかったマウスのすべてに腫瘍が発生しましたが、クルクミンを塗ったマウスは、腫瘍の発生率が20~30%と低かったのです。

この実験で、ターメリックを塗布することによって皮膚がんの発症が抑制されることが証明されたのを皮切りに研究が進み、現在では経口的に摂取することで、クルクミンが腸内で活性酸素の生成を抑え、大腸がんや乳がんの発症を予防することがわかっています。

ターメリックを買って来て飲み始める人がいるかもしれません。しかし、おいしいものではないですよ。粉っぽくて苦いだけです。

それよりもカレーをもっと食べる機会を作った方が、おいしくて元気が出て、血の巡りもよくなってよいでしょう。

カレーをもっと食べよう

実は、私、カレーが好きなので、毎日出されても全然平気です。

ただ、カレールウを使ってカレーを作ると、食べ終わって鍋を洗う時に、汚れがなかなか落ちないことがわかります。ルウには油が多いのです。

以前、カレーに使われている油にも注意してみようという記事を書きました。ルウは価格を安くするため、よい油が使われているわけではありません。なかなかおいしいですけれど。

カレーに使われている油にも注意してみよう
ある日買って来たカレールーの箱をひっくり返すと、原材料名に食用油脂(パーム油、なたね油)と書かれていました。食品メーカーは安くて酸化しにくい油を使っているのです。もし、嫌だなと思ったら自分でスパイスカレーをつくればよいのです。 カレールーに

自分でスパイスを買ってきて作る

カレールウを使って、カレーをつくる回数を増やすと油が気になります。太る原因になるかもしれません。そんなときは、自分でスパイスを買ってきて、作ればよいのです。

私は2003年からスパイスを揃えて自分で作るようになりました。教科書にしたのは、当時出たばかりのカレーな薬膳という本でした。タイトルからして、健康志向なのがお分かりになるでしょう。いまだに本屋さんで買えるロングセラーです。

この本について、カレーな薬膳はレシピ本としても読み物としても楽しいという記事にまとめました。

カレーな薬膳はレシピ本としても読み物としても楽しい
カレー好きならご存知かもしれませんが、2003年からずっとロングセラーの本、カレーな薬膳についてご紹介します。写真はほとんどでて来ませんが、読んで楽しく作っておいしい本です。 本のタイトルに入っていた「薬膳」に反応した 2003年の秋に突然...

油をあまり使わない南インドカレーのレシピ集でもあり、読み物でもある面白い本です。初めて作ったカレーは、ムングダル(ひき割り緑豆)カレーでした。使う油は、バター1かけだけ。

しかし、コクがありとてもおいしいのができます。辛さはカイエンペッパー(トウガラシの粉)の量で調整します。

しかも、食べ終わった鍋は、お湯だけできれいになります。油をほとんど使わない、もたれないカレーなら、毎日食べても太る心配はありません。

まとめ

風邪を引いて寒気がするとき、是非、カレーを食べてみて下さい。きっとお腹から温まって早くよくなると思います。

私は、しばらくカレーとスパイスについて調べながら、カレーを食べる回数を増やしてからだにどんな変化があるかためしてみようと思います。

特に、記憶力の低下に効果があるといいなと思っています。

カレーは油っぽくて辛いから高齢者向きではないと何となく思いますが、自分でスパイスを揃えて作ればすべて解決できます。カレーは作っている最中から元気がでます。スパイスカレーは、1度作ってみるとわかりますが、むずかしくありません。元気が出ないという同年代の方は、是非!!

スパイスカレーについては、スパイスカレーを自分でつくって食べようを読んでみて下さい。

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