カリウムはもっと摂るようにすすめられているミネラル

カリウムは必要なミネラルであることはよく知られていますが、もっとたくさん摂るようにすすめられていることまでは知りませんでした。カリウムの食事摂取基準では、成人男性で1日3g以上、成人女性で1日2.6g以上を目標値とされています。野菜でよいのかと思っていましたが、食品分析表を調べると、わかめ、お茶、大豆を摂らないとなかなかむずかしいです。

干しずいき

カリウムはもっと摂るようにすすめられているミネラル

カリウムが必要なミネラルだということは、多分ほとんどの方が知っていることだと思います。また、植物に多いこともよく知られています。ただ、1日の必要量と、どんなものに多く含まれているかということはあまり知られていないと思ったので、調べました。

日本人の食事摂取基準(2020年版)(1)多量ミネラルにはこのように書かれていました。もっと摂るようにすすめられています。

カリウムは、細胞内液の主要な陽イオン(K+)であり、体液の浸透圧を決定する重要な因子である。また、酸・塩基平衡を維持する作用がある。神経や筋肉の興奮伝導にも関与している。健康な人において、下痢、多量の発汗、利尿剤の服用の場合以外は、カリウム欠乏を起こすことはまずない。

日本人は、ナトリウムの摂取量が諸外国に比べて多いため、ナトリウムの摂取量の低下に加えて、ナトリウムの尿中排泄を促すカリウムの摂取が重要と考えられる。また、近年、カリウム摂取量を増加することによって、血圧低下、脳卒中予防につながることが動物実験や疫学研究によって示唆されている。

1日の摂取量

1日の摂取量について、目標量が設定されています。制限されているのではなく、「これ以上摂るように」とすすめられています。

カリウムの食事摂取基準(mg/日)
性 別男 性女 性
年齢等目安量目標量目安量目標量
0~5(月)400400
6~11(月)700700
1~2(歳)900900
3~5(歳)10001400以上10001400
6~7(歳)13001800以上12001800
8~9(歳)15002000以上15002000
10~11(歳)18002200以上18002000
12~14(歳)23002400以上19002400
15~17(歳)27003000以上20002600以上
18~29(歳)25003000以上20002600以上
30~49(歳)25003000以上20002600以上
50~64(歳)25003000以上20002600以上
65~74(歳)25003000以上20002600以上
75以上(歳)25003000以上20002600以上
妊婦(付加量)20002600以上
授乳婦(付加量)22002600以上

欠乏の心配はない

通常の食事で、カリウムが欠乏することはありません。植物でも動物でも細胞の中にカリウムが含まれていますから、食事をしている限り、カリウムは食べています。

カリウムは、多くの食品に含まれており、通常の食生活で不足になることはない。また、推定平均必要量、推奨量を設定するための科学的根拠は少ない。

摂り過ぎは設定されず、むしろ、積極的に摂ることがすすめられる

日本人は塩を多く摂っているので、ナトリウムとバランスを取るためにカリウム摂取がすすめられています。しかし、まだまだ足りないので、目標値が定められました。

1日3.5gカリウムを摂っているとよいそうです。これは覚えておきたい。

WHO のガイドラインでは、成人の血圧と心血管疾患、脳卒中、冠動脈性心疾患のリスクを減らすために、食物からのカリウム摂取量を増やすことを強く推奨し、カリウム摂取量と血圧、心血管疾患などとの関係を検討した結果、これらの生活習慣病の予防のために 3,510 mg/日のカリウム摂取を推奨している。

また、2016 年に発表された量・反応メタ・アナリシスでは、カリウム摂取と脳卒中の発症の間には逆相関が確認され、カリウム摂取量が 3,510mg/日で脳卒中のリスクが最も低いことが報告されている。日本人は、ナトリウムの摂取量が多く、高血圧の発症予防を積極的に進める観点からもこの値が支持される。

したがって、WHO のガイドラインで示された値を目標と考えることとした。しかし、日本人の現在のカリウム摂取量は、これらよりもかなり少なく、WHO の値を目標量として掲げても、その実施可能性は低いと言わざるを得ない。

カリウムが多く含まれる食品

毎日食べている野菜(特に葉っぱ)に多いのかと思っていましたが、やはり、水分を抜いた乾物の方がずっと多いです。

昆布、わかめ、お茶、大豆に多い

ずいきは、サトイモやハスイモの茎です。一番上の写真が干しずいきです。

それ以外は、昆布、わかめなど海藻が多いです。ただ、昆布はヨウ素が抜群に多いので、ヨウ素摂りすぎに注意が必要です。その点、わかめの方がよいと思います。詳しくは、わかめを毎日たくさん食べてヨウ素摂りすぎにならない?を読んでみて下さい。

また、お茶や大豆に多いので覚えておくとよいですね。お茶はただ飲むだけでなく、野菜だと思って出がらしを食べることができます。お茶を食べると栄養価の高い野菜だってという記事に書きました。

カリウム : 食品100gあたりの含有量
順位食品名成分量
1干しずいき乾10000mg
2刻み昆布8200mg
3乾燥わかめ/板わかめ7400mg
4えながおにこんぶ/素干し7300mg
5ほしひじき/鉄釜乾6400mg
5ほしひじき/ステンレス釜乾6400mg
7まこんぶ/素干し6100mg
8がごめこんぶ/素干し5700mg
9りしりこんぶ/素干し5300mg
10乾燥わかめ/素干し5200mg
10ながこんぶ/素干し5200mg
12削り昆布4800mg
13いわのり/素干し4500mg
14ほそめこんぶ/素干し4000mg
15ベーキングパウダー3900mg
16まつも/素干し3800mg
17コーヒー/インスタントコーヒー3600mg
17パセリ/乾3600mg
19切干しだいこん/乾3500mg
20あらめ/蒸し干し3200mg
20みついしこんぶ/素干し3200mg
20トマト/ドライトマト3200mg
20干しわらび乾3200mg
20あおさ/素干し3200mg
25バジル/粉3100mg
25てんぐさ/素干し3100mg
25あまのり/ほしのり3100mg
28こんにゃく/精粉3000mg
28チリパウダー3000mg
30ココア/ピュアココア2800mg
30玉露/茶2800mg
30とうがらし/果実乾2800mg
33抹茶2700mg
33パプリカ/粉2700mg
33あまのり/味付けのり2700mg
33とうがらし/粉2700mg
37きく/菊のり2500mg
37あおのり/素干し2500mg
37まいたけ/乾2500mg
40あまのり/焼きのり2400mg
40大豆たんぱく/粒状大豆たんぱく2400mg
42青汁/ケール2300mg
42えごのり/素干し2300mg
44干しぜんまい/干し若芽乾2200mg
44せん茶/茶2200mg
46きな粉/脱皮大豆/青大豆2100mg
46いり大豆/黒大豆2100mg
46乾しいたけ/乾2100mg
46きはだ/実/乾2100mg
50きな粉/全粒大豆/黄大豆2000mg
50いり大豆/青大豆2000mg
50きな粉/脱皮大豆/黄大豆2000mg
50きな粉/全粒大豆/青大豆2000mg
50いり大豆/黄大豆2000mg
50紅茶/茶2000mg
※日本食品標準成分表2015年版(七訂)

NOTE

塩分を摂らないように気をつけている人は、すごく薄い味付けをします。私は自転車に乗って長距離を走る時にコンビニで味噌汁を買って飲むくらいなので、ほとんど気にしません。塩が利いていないと元気が出ないのです。

ただ、カリウムとのバランスは野菜をたくさん食べればよいだろうと思っていたのですが、カリウムが多い食品を100位まで調べてもほとんど野菜が出てきません。わかめと納豆など、海藻と大豆を意識して摂った方がよいなと思いました。自分で調べてみないとわからないことが結構あります。

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