お茶を食べると栄養価の高い野菜だって

緑茶は毎日当たり前に飲んでいるので、その価値をあまり考えたことはありませんでした。しかし、お茶がら、出がらしを食べる話に驚いて調べてみると、栄養価がとても高いことが分かりました。カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅などが多く、ビタミンAとなるβカロテン、ビタミンE(α-トコフェロール)、ビタミンK、葉酸、ビタミンCがとても多いです。

非常食の中に煎茶を一袋入れておくとよいかもしれません。

茶

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お茶の出がらしを食べる

川島四郎先生と漫画家のサトウサンペイさんの対談、続々 食べ物さん、ありがとうを読んでいてぶったまげてしまいました。

続々食べ物さん,ありがとう
川島四郎先生の続々食べ物さん,ありがとうは、サトウサンペイさんとの対談本です。短いやりとりの中に、ビックリするくらいの内容が詰まっている本です。 「食べ物さんありがとう」は、朝日文庫では、続と続々があり、全部で3冊出ています。...

その部分を抜き出します。

先生 サンペイさん、いつでも手元に置いておける、とっておきの青い野菜、お教えしましょうか。

サンペイ 野菜は生鮮食品でしょ。そんな便利なものがあるんですか。

先生 あります。煎茶です。煎茶の葉を食べ物としてみると、青い野菜のトップグループに入ります。A、Bをはじめとするビタミン類、ミネラル、そして葉緑素がたくさん含まれています。

サンペイ そういえば、先生はぬれたお茶のでがらしを生で食べる、とおっしゃいましたね。

先生 そうです。上等のお茶っ葉ほど栄養が豊富なので、私は、お茶だけは、ぜいたくをしています。少々値が張っても、おいしいお茶を飲んで、ついでに青い野菜の補給もできますから、結果的には安上がりです。

サンペイ そのまま召し上がるんですか。

先生 おろしショウガと醤油を少しつけて食べます。オツなものですよ。以前、冒険家の植村直己さんが、北極を犬ゾリで横断なさったとき、私は、玉露をもっていってもらいました。植村さんは、冒険に出るときは、いつも紅茶を持っていく、とおっしゃっていました。でも、紅茶にはほとんど栄養がありません。同じ持っていくなら、ビタミンや栄養素がたっぷり入っている玉露の方が、植村さんの体のためにいい、と差し上げたのです。それにしても、アラスカでの遭難は残念でした。

サンペイ 本当に惜しいことをしましたねえ。

お茶にビタミンが多いとかミネラルが多いのは、細かくは分からないけれど、感覚的に分かります。しかし、私ならお湯を沸かしてお茶をいれて飲んで終わりです。

出がらしをその後に食べる。しかも、おろしショウガと醤油を少しつけて食べるなんてことはどうやっても考えつきません。

植村直己さんに玉露を渡す話が出て来ますが、これを非常食だと考えると、玉露一袋は、栄養豊富な緑の乾燥野菜だと考えればよいのですね。

早速、お茶の栄養成分を調べてみましょう。

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お茶の栄養成分

お茶の茶葉の栄養成分を表にしました。紅茶は栄養がないと書かれていましたが、それでもなかなか栄養成分が豊富です。煎茶が栄養成分が豊富です。

ミネラルが多い

カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅が多いです。

ビタミンは紅茶は緑茶より落ちる

緑茶は、ビタミンAとなるβカロテン、ビタミンE(α-トコフェロール)、ビタミンK、葉酸、ビタミンCがとても多いです。

紅茶と緑茶の違いは、紅茶にはビタミンCがまったくないことと、βカロテン、ビタミンE、B1、葉酸とも紅茶の方がかなり数値が落ちます。

お茶をそのまま食べたらかたくて苦いだけですが、おいしくお茶を飲んで、お湯でふやけた葉っぱを少し味つけして食べたらどんな感じなのでしょうね。

急須一杯分の茶葉を5gとすると、茶葉まで食べれば、下の表にある数値の1/20の栄養成分がとれます。大航海時代、ビタミンCが欠乏して乗組員が壊血病になって命を落とす有名な話がありますが、もし緑茶を携行していればそんなことは起きませんでしたね。

数年前に話題になったカテキンも入っていました。

玉露/茶抹茶せん茶/茶紅茶/茶
エネルギー329kcal324kcal331kcal311kcal
水分3.1g5.0g2.8g6.2g
たんぱく質29.1g29.6g24.5g20.3g
脂質4.1g5.3g4.7g2.5g
炭水化物43.9g39.5g47.7g51.7g
灰分6.3g7.4g5.0g5.4g
ナトリウム11mg6mg3mg3mg
カリウム2800mg2700mg2200mg2000mg
カルシウム390mg420mg450mg470mg
マグネシウム210mg230mg200mg220mg
リン410mg350mg290mg320mg
10mg17mg20mg17mg
亜鉛4.3mg6.3mg3.2mg4.0mg
0.84mg0.6mg1.3mg2.1mg
マンガン71mg55mg21mg
ヨウ素4µg6µg
セレン3µg8µg
クロム8µg18µg
モリブデン1µg2µg
レチノール‘(0)‘(0)‘(0)‘(0)
αーカロテン
βーカロテン
βークリプトキサンチン
βーカロテン当量21000µg29000µg13000µg900µg
レチノール活性当量1800µg2400µg1100µg75µg
ビタミンD‘(0)‘(0)‘(0)‘(0)
αートコフェロール16.4mg28.1mg64.9mg9.8mg
βートコフェロール0.1mg06.2mg0
γートコフェロール1.5mg07.5mg1.6g
δートコフェロール0000
ビタミンK4000µg2900µg1400µg1500µg
ビタミンB10.30mg0.60mg0.36mg0.10mg
ビタミンB21.16mg1.35mg1.43mg0.80mg
ナイアシン6.0mg4.0mg4.1mg10.0mg
ナイアシン当量10.9mg12.0mg8.2mg13.4mg
ビタミンB60.69mg0.96mg0.46mg0.28mg
ビタミンB12‘(0)‘(0)‘(0)‘(0)
葉酸1000µg1200µg1300µg210µg
パントテン酸4.1mg3.7mg3.1mg2.0mg
ビオチン51.6µg31.9µg
ビタミンC110mg60mg260mg0
水溶性食物繊維5.0g6.6g3.0g4.4g
不溶性食物繊維38.9g31.9g43.5g33.7g
食物繊維総量43.9g38.5g46.5g38.1g
※日本食品標準成分表2015年版(七訂)

煎茶と抹茶の違い

煎茶と抹茶を比べると、カリウム、βカロテン、ビタミンE、ビタミンB1、ビタミンCで数値が大きく違います。なぜこんなに違うのかなと思ったら、栽培方法とお茶にするときの製造工程が少し違っていました。

白瀧製茶さんのサイトに詳しく説明されていました。

粉茶と抹茶の違い
粉茶とは煎茶をつくるときにできる粉を集めたものです。そのため粉茶と抹茶の違いは、煎茶と抹茶の違いとも言えます。そして、煎茶と抹茶は栽培方法と製造方法がそれぞれ異なります。

抹茶は日光を遮って栽培

抹茶はお茶の葉を摘む前に藁や専用の黒いシートを約20日間被せて日光を遮る「覆下栽培」と呼ばれる栽培技術を用いてつくられます。

日光を遮るとお茶の葉に含まれる葉緑素が増えるため葉の緑が濃くなります。また渋みの元とされるカテキンの生成が抑えられるので、まろやかな風味のお茶ができます。

もちろん、煎茶は日光を当てて栽培されます。

抹茶はもまないで乾燥させて挽く

煎茶は急須で淹れて飲むようにつくるため成分が溶け出しやすいように揉みながら乾燥させてつくられます。煎茶をつくるときに出る粉を集めたものが粉茶になります。

抹茶はお湯に溶かして飲むようにつくるので、揉まずに乾燥させてつくり、石臼で細かくひいてつくられます。

カテキン

ポリフェノールの一種であるカテキンにはすぐれた抗酸化作用があり、発がんや転移の予防に有効なことが分かっています。

また、悪玉コレステロールを減らす、糖の吸収を穏やかにして血糖値の上昇を抑える、高血圧を予防・改善する、といった健康づくりに役立つ作用も。

日本の高齢者を対象にした調査から、緑茶を多く飲む人は認知機能低下のリスクが低くなるという結果が得られています。(出典

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お茶のフルコース

お茶の科学 「色・香り・味」を生み出す茶葉のひみつを読んだら、お茶を3回楽しんで、残った出がらしを食べる方法が出ていました。

温度を変えてお茶を3回楽しんでから食べる

まず、緑茶の茶葉10g(ティースプーン約5杯)を急須に入れます。これに冷蔵庫で冷やしておいた水を湯呑み茶碗1杯分(約100ml)入れ、待つこと15分。

その後、これを最後の一滴まで濾しとると水出しのお茶ができます。まず、この味をみてください。「飲む」ではなく、口に含んで舌に広げる感じです。「お茶をたしなむ」という味わい方です。(中略)

お茶を飲み慣れた方でも、「これは・・・・・!」とうならせることができます。甘みがあり、うま味が凝縮していて、100gで1000円ほどの煎茶でも、玉露のようなまろやかな味わいが楽しめるのです。

その冷えたお茶を楽しんだあとは、残った茶殻に40~50℃くらいのぬるま湯を、同じく湯呑み茶碗1杯分注ぎます。

ここで浸出する時間は1分。ぬるめのお茶ができます。最初の冷えたお茶とは違い、少し渋みも加わった爽やかな味を楽しめるはずです。

残った茶殻に、今度はさらに熱湯を湯呑み茶碗1杯分を注ぎ、1分で濾しわけてみてください。

熱湯で出したこのお茶は、少しの苦みが加わった、また違う味わいのお茶となります。

こうして3種類の淹れ方をしてみると、甘み(うま味)、渋み、苦みというお茶の3つの醍醐味を感じることができるのです。(中略)

さて、ここで終わりではありません。3回分を淹れたお茶の茶葉は捨ててはいけません。驚かれるかもしれませんが、この茶殻を食べてみてください。

まず、酢醤油を少し(好みの量)入れて食べてください。これは「茶殻のお浸し」です。次に、茶殻におかかやジャコ、ごまを入れて、さらに醤油を少し混ぜると、「茶殻のごま和え」となります。これは、お酒のつまみでもいけるおいしさです。

さらに残った茶殻に、今度は豆乳200mlとりんごジュース200mlを加えてミキサーにかけます。すると、「茶殻スムージー」の完成です。

冷蔵庫で冷やした水を使って水出しのお茶から始めるのが、珍しいです。しかもやってみたくなりますね。

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お茶の出がらしを食べるレシピ

昔ならお茶の出がらしを食べている人を探してレシピを聞くのは大変な仕事でしたが、今はとても簡単に探せます。ネットのよいところです。

一番簡単なのは、川島先生のように出がらしに味をつけて食べてしまうことです。

出がらし茶葉のお浸し

出がらしをそのまま食べてしまうレシピです。「ものすごくおいしいわけじゃないけど、茶葉の栄養丸ごと取れるし、ゴミも少なくなって気分もいい」というコメント、実感がこもっていると思いました。よいお茶ほど味がよいそうです。これも分かります。

出がらし茶葉のお浸し by zukachi
★★☆☆☆ ものすごくおいしいわけじゃないけど、茶葉の栄養丸ごと取れるし、ゴミも少なくなって気分もいい。

材料

  • 出がらしのお茶っぱ1急須分
  • 鰹節ひとつまみ
  • 醤油ひとかけ

作り方

  • 出がらしのお茶っぱに鰹節をのせ、醤油をかける

香ばしいお茶っ葉ふりかけ出がらしで

すぐにできておいしそうなのはこれでしょう。出がらしを炒って乾燥させてお茶の香りを戻すレシピが多いです。

香ばしい✨お茶っ葉ふりかけ☺出がらしで♪ by まゆろび
  お茶っ葉を炒って、風味復活✨ 炒って混ぜるだけ。   簡単リメイク節約ふりかけです♪

材料

  • お茶っ葉出がらし大さじ2
  • 塩昆布大さじ1
  • すりごま(いりごま) 大さじ1

作り方

  1. 塩昆布は、細かくみじん切り。
  2. 弱火でお茶っ葉を乾煎りします。パラパラになるまで。
  3. 塩昆布、乾煎りにしたお茶っ葉、すりごま(いりごま)を混ぜて、できあがり。

緑茶を飲んで出がらしを食べれば栄養価の高い野菜を食べているようなもの・・・と考えていましたが、緑茶を挽いて抹茶のように飲んでしまえば全部入って来ますね。

味噌汁を注ぐ前にお椀に出がらしを入れておく

この記事を書いて以来、出がらしを食べています。最近、とても安直な方法を考えました。出がらしの水を切ってとっておいて、食事の時に食べる味噌汁に入れてしまうのです。

しかし、鍋に入れるのは残ったときのことを考えると気が引けるので、出がらしを自分のお椀に入れ、そこに熱い味噌汁を注いでもらうのです。

これは抵抗がなくおいしくいただけます。味も微妙な苦みが加わりよい感じです。

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茶葉を挽いて粉にして

粉にするのは挽くことになりますが、私みたいなめんどくさがり向けにはミルサーがあります。ミルサーがあると、コーヒーも、ごまも、スパイスも何でも挽けます。

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まとめ

お茶はお湯を注いで成分を抽出して飲むものと思っていると、そこからは何も発展しません。しかし、冒頭に書いたように、野菜の一つだと考えると、とても栄養価の高いものでした。

最近は、地震や台風の被害が大きいので非常食を用意しているご家庭も多いと思います。乾燥野菜もありますが、煎茶を一袋入れておくと安心できますね。

いきなり出がらしを食べろといわれると抵抗がありますが、普段から食べていれば、こんな味つけで食べられると練習にもなります。

そして、煎茶を丸ごと挽いてしまえば、出がらしを食べなくてもお茶を1杯飲むたびに常に栄養成分を補給していることになります。

サプリメントをわざわざ買うより、ミルを買って安い煎茶を粉にして飲んでいる方がずっとよいように思います。

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