ヨウ素は甲状腺ホルモンの中にある

ヨウ素は甲状腺ホルモンの中に含まれています。ヨウ素はコンブを始めとする海藻に多いです。ヨウ素が欠乏すると甲状腺の異常肥大や甲状腺腫を引き起こしますが、日本人は世界でもまれな高ヨウ素摂取集団なので、ほとんど心配はないでしょう。過剰摂取すると、甲状腺にヨウ素が輸送されなくなり、長期化すると、ヨウ素欠乏症と同じことになります。ただ、日本人の場合、どのくらいで過剰摂取になるのかはっきりと特定できていないようです。

ヨウ素(I)は甲状腺ホルモンの中にある

ヨウ素は甲状腺と関係があるとよく知られています。日本人の食事摂取基準(2020年版)によると、このように書かれています。ヨウ素の元素記号は、I(アイ)です。

人体中ヨウ素の 70〜80% は甲状腺に存在し、甲状腺ホルモンを構成する。ヨウ素を含む甲状腺ホルモンは、生殖、成長、発達等の生理的プロセスを制御し、エネルギー代謝を亢進させる。また、甲状腺ホルモンは、胎児の脳、末梢組織、骨格などの発達と成長を促す。

甲状腺ホルモンの構造

甲状腺ホルモンの構造を調べました。2つありました。サイロキシン(チロキシン)とトリヨードサイロニンです。私はチロキシンと習いました。

構造式は覚えるために調べたのではなく、ヨウ素(I)が入っていることを確認するためです。構造式の中にIがあるのを確認してください。

ヨウ素1日の摂取量

ヨウ素の食事摂取基準には、推定平均必要量と耐容上限量が設定されています。欠乏症と過剰摂取に問題があるということです。

ヨウ素の食事摂取基準(µg/日)
性 別 男 性 女 性
年齢等 推定平均
必要量
推奨量 目安量 耐容
上限量
推定平均
必要量
推奨量 目安量 耐容
上限量
0~5(月) 100 250 100 250
6~11(月) 130 250 130 250
1~2(歳) 35 50 300 35 50 300
3~5(歳) 45 60 400 45 60 400
6~7(歳) 55 75 550 55 75 550
8~9(歳) 65 90 700 65 90 700
10~11(歳) 80 110 900 80 110 900
12~14(歳) 95 140 2000 95 140 2000
15~17(歳) 100 140 3000 100 140 3000
18~29(歳) 95 130 3000 95 130 3000
30~49(歳) 95 130 3000 95 130 3000
50~64(歳) 95 130 3000 95 130 3000
65~74(歳) 95 130 3000 95 130 3000
75以上(歳) 95 130 3000 95 130 3000
妊婦(付加量) +75 +110 1
授乳婦(付加量)  +100 +140 1
1 妊婦及び授乳婦の耐容上限量は、2,000µg/日とした。

欠乏するとどうなるか?

欠乏すると甲状腺機能が低下します。ヨウ素が入った甲状腺ホルモンが足りなくなるのでしょう。ただ、日本人で欠乏する人は(多分)いないのではないかと思います。

慢性的なヨウ素欠乏は、甲状腺刺激ホルモン(TSH)の分泌亢進、甲状腺の異常肥大、又は過形成(いわゆる甲状腺腫)を起こし、甲状腺機能を低下させる。妊娠中のヨウ素欠乏は、死産、流産、胎児の先天異常及び胎児甲状腺機能低下(先天性甲状腺機能低下症)を招く。

摂りすぎるとどうなる?

日本人はコンブ、わかめ、海苔など海藻を日常的によく食べます。そのため、世界でもまれな高ヨウ素摂取集団なのだとか。

ヨウ素を過剰摂取していると、甲状腺にヨウ素が輸送されなくなり、長期化するとヨウ素が不足することになります。甲状腺機能低下や甲状腺腫が発生します。

日常的にヨウ素を過剰摂取すると、甲状腺でのヨウ素の有機化反応が阻害されるが、甲状腺へのヨウ素輸送が低下する“脱出(escape)”現象が起こり、甲状腺ホルモンの生成量は基準範囲に維持される。

しかし、脱出現象が長期にわたれば、甲状腺ホルモンの合成に必要なヨウ素が不足するために甲状腺ホルモン合成量は低下し、軽度の場合には甲状腺機能低下、重度の場合には甲状腺腫が発生する。

ところが、その過剰摂取量は、日本人の場合、もともとの摂取量がとても多く、はっきりと特定できないのです。そこで、日本人の1日あたりの平均ヨウ素摂取量である1〜3mg/日の上の数値3mgが、毎日摂り続けても害が出ない耐容上限量と設定されました。

3mgは3000µgです。

ヨウ素が多く含まれている食品は海藻

コンブを始め、ひじき、わかめ、あおのり、あおさ、など海藻に多いことがわかります。

コンブがダントツに多い

表をご覧になるとすぐにわかると思います。コンブがダントツに多いです。桁が1つ違っています。海藻に多く、こんぶ>ひじき>わかめ>あおのり>あおさ>あまのり(あさくさのり)の順番に多く含まれています。

海藻に多いと思っておけばよいです。

ヨウ素 : 食品100gあたりの成分量
順位 食品名 成分量
1 刻み昆布 230000µg
2 ながこんぶ/素干し 210000µg
3 まこんぶ/素干し 200000µg
4 ほしひじき/ステンレス釜乾 45000µg
4 ほしひじき/鉄釜乾 45000µg
6 昆布茶 26000µg
7 まこんぶ/素干し水煮 19000µg
8 昆布だし/煮出し 11000µg
8 こんぶ類/つくだ煮 11000µg
10 カットわかめ/乾 10000µg
10 松前漬け/しょうゆ漬 10000µg
12 昆布だし 5300µg
13 あおのり/素干し 2700µg
14 あおさ/素干し 2200µg
15 あまのり/焼きのり 2100µg
16 乾燥わかめ/素干し水戻し 1900µg
16 キムチの素 1900µg
18 わかめ/原藻生 1600µg
19 なべつゆ/ストレート/しょうゆ味 1500µg
19 かつお・昆布だし 1500µg
21 あまのり/ほしのり 1400µg
21 プレミックス粉/お好み焼き用 1400µg
23 ほしひじき/鉄釜油いため 1300µg
23 ほしひじき/ステンレス釜油いため 1300µg
25 ほしひじき/鉄釜ゆで 960µg
25 ほしひじき/ステンレス釜ゆで 960µg
27 湯通し塩蔵わかめ/塩抜き 810µg
28 だししょうゆ 750µg
29 カットわかめ/水煮 720µg
30 とさかのり/赤とさか/塩蔵塩抜き 630µg
31 たまご焼/厚焼きたまご 540µg
32 たらのあぶら 450µg
32 だし巻きたまご 450µg
34 さば類/しめさば 430µg
35 めかぶわかめ/生 390µg
36 カレー/ビーフ/レトルトパウチ 370µg
37 まだら/生 350µg
38 和風ドレッシング 320µg
39 ポテトチップス 260µg
40 てんぐさ/ところてん 240µg
41 くろあわび/生 200µg
41 湯通し塩蔵わかめ/塩抜きゆで 200µg
43 まだかあわび/生 190µg
43 めがいあわび/生 190µg
45 あわび/生 180µg
45 生ハム/促成 180µg
47 すけとうだら/生 160µg
48 いかなごしょうゆ 150µg
48 三杯酢 150µg
50 おきなわもずく/塩蔵塩抜き 140µg
50 うずら卵/全卵生 140µg

NOTE

以前、乾燥わかめを戻して、青菜代わりに食べたらどうだろうと思ったことがあります。その時にふと気になったのがヨウ素のことでした。結果として、乾燥わかめを10g戻して食べても全く問題にならないことがわかりました。

ただ、閉経後の女性は、ヨウ素摂りすぎに気をつけた方がよいこともわかりました。わかめを毎日たくさん食べてヨウ素摂りすぎにならない?という記事に書いてあります。

わかめを毎日たくさん食べてヨウ素摂りすぎにならない?
乾燥わかめを戻して毎日食べようと思いました。ヨウ素の過剰摂取が気になり調べましたが、海藻を当たり前に食べる日本人には、ヨウ素の過剰摂取の害は起きにくいようです。しかし、閉経後の女性は、ヨウ素を摂りすぎると、甲状腺がんの原因になるかもしれません。
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