DNAの構成単位であるヌクレオチドについて

DNAの構成単位であるヌクレオチドについて。ヌクレオチドは、糖、塩基、リン酸からできています。それぞれどんなものなのでしょうか。

dna

DNAの構造

細胞の分子生物学第4版にはこのような図が載せられていました。真似して描きました。ちなみに、最新版は第6版が出ています。

DNAは、ヌクレオチドという構成単位からできています。ヌクレオチドは、窒素を含む塩基と五単、1個以上のリン酸基からなります。

 

ヌクレオチド

まず、糖から説明しましょう。DNAの糖はデオキシリボースです。

デオキシリボース

五単糖とは炭素数5の単糖です。五単糖はペントースと呼ばれます。

五単糖って普段、あまり聞きません。これはブドウ糖を分解する解糖系から分かれたペントースリン酸経路でつくられます。

DNAの糖は、リボースからヒドロキシ基(OH)の1つが水素(H)に置き換わったデオキシリボースです。命名するときは酸素基を取った事を意味する接頭辞のデオキシをつけます。

下図は左右とも同じ物質を描いています。右が環構造になっています。

水溶液中では,糖分子のアルデヒド基やケトン基は,同じ分子内のヒドロキシル基と反応しやすい。この反応により,分子が閉じて環が形成される。

細胞内は70%が水です。細胞内では水溶液と同じようなものです。

環構造になるときは、1位の炭素と4位の炭素が酸素(O)でつながっています。環構造になる前の1位はアルデヒド(H-C=O)です。

五単糖

αおよびβ結合

デオキシリボースの1位につくヒドロキシ基(OH)の位置は下図のように2通りあります。上向きがα、下向きがβ。

αおよびβ結合

4つの塩基

DNAの塩基はとても重要です。アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)と4つあります。

塩基

なぜ塩基?

なんでこれらが塩基と呼ばれるのでしょう?細胞の分子生物学第4版にこのように書かれていました。

酸の対極にあるのが塩基(base)である。酸を規定するのは,水分子にプロトンを与えてH3O+濃度を高める性質であるが,塩基を規定するのは,水分子からプロトンを奪い,水酸化物イオン(OH)濃度を高める性質である。

水酸化ナトリウム(NaOH)は水に溶けるとNa+イオンとOHイオンになるので,塩基性(アルカリ性[alkaline]ともいう)である。

生物で特に重要な塩基として,ほかにNH2基を含むものがある。NH2基は,-NH2+H2O→-NH3++OHという反応で水分子からプロトンを奪い,OHを作る。

リン酸

リン酸については、このように書かれていました。

無機リン酸イオンは,リン酸(H3PO4)からできる安定なイオンで,Piと書くことも多い。

無機リン酸イオンは、この図の通りです。

リン酸

リンは、地味なミネラルなのですが、実はなくてはならないものです。不足することがまずなく、摂りすぎるとカルシウムが体から出ていってしまうので、少しマイナスイメージがついています。

リンはすべての生物に必須のミネラルで、エネルギー代謝や脂質代謝などにおいて重要な役割を担っています。また、カルシウムとともに骨格を形成する働きもあります。(出典

私も以前、リン(P)がとても重要な元素だと思うようになったという記事を書いてその重要さが分かりました。

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この記事では、なんとなく地味に感じられる元素、リン(P)が、実は生命活動にとても重要な働きをしていることを書きます。リン(P)って何となく地味な元素だと思っていたのでしたが、とんでもない。 リンは地味な存在 リン(P)について、正直なと...

核酸

ヌクレオチドは5’と3’の炭素原子間のホスホジエステル結合によってつながり、核酸となります。核酸中のヌクレオチドの配列は、1文字の暗号を使い、5’末端を左にして-G-C-T-A-のように書きます。

 

DNA

まとめ

デオキシリボースと4つの塩基がどのようにできるのか興味があります。これはまた改めて書きます。

DNAのヌクレオチドは、実にシンプルな構成です。今回、DNAの構造について書いたのは、この先、どのようにタンパク質を合成していくのか改めて知りたいと思っているからです。

A、T、C、Gという4つの塩基を3個ずつ組み合わせてアミノ酸をつなげていくようです。できるだけ詳しい本を調べて、図を描いて行きたいと思っています。

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