梅を煮詰めるとクエン酸とリンゴ酸が濃縮されるみたい

梅がからだによいのは常識です。この記事では、青梅、梅漬け、梅干しの栄養成分を調べて、梅の効果についても調べてみました。

梅

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青梅の毒

青梅にはアミグダリンという物質が含まれます。これ自体は毒ではありません。しかし、体の中にアミグダリンが入ると青酸を発生させて中毒症状を起こす可能性があります。

アミグダリンは熟したり加工されたりすることで減少し、安全に食べられるようになります。

梅の栄養成分

梅の栄養成分は以下の通りです。知りたかったのは有機酸です。特に、酸味のもととなるクエン酸の量でしたが、食品データーベースでは項目はあるものの、数値が入力されていないのでまだ準備中のようです。

クエン酸など有機酸は、炭水化物に分類されていました。

100gあたりの栄養成分(出典
うめ生 うめ梅漬塩漬 うめ梅干し塩漬
エネルギー 28kcal 24kcal 33kcal
水分 90.4g 72.3g 65.1g
たんぱく質 0.7g 0.7g 0.9g
脂質 0.5g 0.4g 0.2g
炭水化物 7.9g 6.7g 10.5g
カリウム 240mg 150mg 440mg
カルシウム 12mg 47mg 65mg
マグネシウム 8mg 32mg 34mg
リン 14mg 15mg 21mg
0.6mg 2.9mg 1.0mg
亜鉛 0.1mg 0.1mg 0.1mg
βカロテン 240μg 8μg 83μg
レチノール活性当量 20μg 1μg 7μg
ビタミンD 0 0 0
α-トコフェロール 3.3mg 1.4mg 0.3mg
ビタミンB1 0.03mg 0.02mg 0.02mg
ビタミンB2 0.05mg 0.04mg 0.01mg
ビタミンC 6mg 0mg 0mg
食物繊維総量 2.5g 2.7g 3.6g

梅リグナン

梅に含まれる「梅リグナン」には、細胞の老化を防ぐ抗酸化作用に加え、抗炎症作用や抗ウイルス作用があることが分かっています。

また、胃の粘膜に棲みついて胃がんなどの原因にもなるピロリ菌の動きを止め、死滅させる働きがあることから、胃の病気を予防する効果も期待されています。

梅に含まれる有機酸量

青梅の有機酸

ウメ果実の有機酸と遊離アミノ酸の熟度及び品種別変化という論文に、梅の実(青梅)に含まれるクエン酸の量が出ていました。有機酸とは炭素(C)化合物の酸です。

読むとなかなか面白いです。

全酸は5月初めには3.90g/100gであり,以後熟度が進むにつれて増大し,6月下旬には5.88g/100gに増加した。(中略)

酸組成は,リンゴ酸,クエン酸,シュウ酸,コハク酸及びフマール酸が確認され,その他グリオキシル酸,マロン酸の他1種の未同定の酸が検出された。

果実の生育初期には,全酸のうち約90%がリンゴ酸で占められていたが,熟度の進行につれてリンゴ酸の比率が減少し,6月には21%まで低下した。

一方,クエン酸の比率は初期には約8%に過ぎないが,後期には約78%を占めた。その他の酸はシュウ酸,コハク酸,フマル酸ともに減少する傾向を示した 。

酸組成のうち、リンゴ酸、クエン酸、コハク酸、フマール酸は、ミトコンドリアのTCA回路(クエン酸回路)で順次変化していく有機酸で関係があります。

シュウ酸はたとえばほうれん草に含まれていて、結石の原因になると嫌われています。

論文を読むと、リンゴ酸が最初多くて熟すにつれクエン酸が増えるということに興味をひかれます。

上の表とあわせて考えると、青梅100gあたりに含まれる炭水化物7.9gのうち、5.8gが有機酸で、クエン酸は、4.6gということになります。

青梅100gに含まれる有機酸量
5月上旬 6月下旬
クエン酸 325mg 4608mg
リンゴ酸 3493mg 1253mg
コハク酸 50mg 11mg
シュウ酸 17mg 3mg
フマル酸 12mg 3mg
その他 3mg 2mg
合計 3900mg 5880mg

梅干しの有機酸量

ウメ果実の有機酸と遊離アミノ酸の熟度及び品種別変化を読むと梅干しの有機酸量がでていました。

梅干し100gあたりの有機酸含有量です。梅干しにすると水分が出ていくので有機酸は濃くなるのかと思いましたが、かなり薄くなるのですね。

梅干し100g
あたりの有機酸
含有量
クエン酸 297mg
リンゴ酸 272mg
酒石酸 107mg
コハク酸
酪酸 29mg

梅肉エキス

梅肉エキスは青梅の果汁を煮詰めて作ります。1キロの青梅から親指ほどしかできないそうです。しかし、保存性は抜群。200年以上持つともいわれます。

梅肉エキスの有機酸は、梅肉エキスの有機酸,遊離アミノ酸と糖の組成および調製過程における遊離アミノ酸と糖の変化という論文に出ていました。

梅肉エキスは,pH3付近の黒褐色ペースト状物質であり,1kgのウメから43g得られた。梅肉エキスはクエン酸とリンゴ酸を主とする40~50%の有機酸,(中略)

1kgの青梅を煮詰めて、43gの梅肉エキスができ、そのうち40~50%とは、17.2~21.5gがクエン酸とリンゴ酸になります。梅肉エキスの有機酸はほぼ100%クエン酸とリンゴ酸になると書かれていました。

これを100gで換算すると、40~50gがクエン酸とリンゴ酸になります。さすがに濃厚です。

実際、梅肉エキスの酸っぱさは梅干しの比ではありません。

梅の効果

カルシウムの吸収を助ける

クエン酸には、カルシウムや鉄の吸収をうながし、カルシウムが骨から出ていくのを防ぐ働きがあるといわれています。

カゼに梅醤番茶

梅干しの種を取り、梅肉を練ります。次にしょうゆを適宜加えてさらに練り、ショウガのおろし汁を少々たらし、熱い番茶をかけたらでき上がり。

下痢に焼き梅

フライパンを中火にかけ、梅干しを転がしながら皮が黒焦げになるまで焼きます。これをコップに入れ、熱湯を注いで飲むと体がよく温まる。梅干しの黒焼きです。

「黒焼き」とは、原料となる動植物を丸ごと、空気を遮断して長時間焼いて炭化させたものです。古くから民間薬として珍重され、戦前までは多くの黒焼き専門店があったそうです。

今でも、秋葉原から上野広小路まで歩くと確か1軒ありました。トカゲとかヘビとかスッポンの黒焼きだったので強精剤なのでしょう。

梅干しの黒焼きは下痢、イモリの黒焼きは強精、くちなしの黒焼きはめまいの特効薬とされていました。

世界一やさしい! 野菜薬膳食材事典にはこんな効果が書かれていました。

唾液を分泌、慢性の下痢にも

漢方では青梅を燻蒸(くんじょう)して乾燥させた烏梅(うばい)という食材を用いますが、家庭薬膳では梅干でかまいません。

唾液を活発に分泌させて、口の渇きや吐き気、から咳を鎮めます。収れん作用も高く、慢性の下痢を止める効果もあります。

また、止血作用があり、血尿、血便にも用いられます。

まとめ

梅の有機酸は熱に強いようで、梅肉エキスにして煮詰めると濃縮されるようです。私も2年くらい大びんのものを買って毎日少しずつなめていましたが、すごく酸っぱいですが、体にはよいだろうなという味がしました。

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