世界一やさしい! 野菜薬膳食材事典は、漢方の理論に基づいて、120種類の食材の効能が解説された本です。みんな普通の食べものばかりです。
世界一やさしい! 野菜薬膳食材事典を読みました。
サイズが小さい本だが120種類の食材を解説
表紙を見ると、大判の本かと思いますが、B6サイズで160ページの本です。薬膳についての説明の他、120種類の食品について解説されています。
むずかしく書いている本ではありません。手軽に読めます。
- 植物性素材:82
- 動物性素材:19
- 調味料・飲み物:20
漢方的視点からの解説
最近、テレビを見ていると、クイズ形式の健康番組で、「○○にはビタミンCが豊富ですから、××によいですよ」とか「△△はビタミンB1が豊富なので▢▢を改善します」なんてことをよく聞きます。
ビタミンが大切なのはよくわかっています。しかし、何となくビタミンの効用を調べて無理やり食べものに結びつけて効果を解説しているんじゃないかという番組もあります。
その手の番組に、少々辟易していました。
それで、最近は、昔の本草書や漢方、古くからの言い伝えにどんな効果があったのかということに興味を持つようになりました。何しろこちらの方が歴史が長い。
いつもそのような本を探しています。この本もその1冊です。
著者の橋口亮・橋口玲子さんは緑蔭診療所の先生です。漢方内科もあり、「現代医学と漢方を併用した診療を行っている」とサイトに書かれています。
たとえば、みそについてこんな解説を書かれています。
熱を冷まし、のぼせを鎮める
効能
みそには、体にこもった熱を冷まし、ほてりを鎮める働きがあります。ストレスでイライラしたときは更年期、生理前など、気持ちが高ぶり、顔が赤くのぼせ、落ち着かないときにおすすめの調味料です。
私は男なので女性の体調はわかりませんが、ただ、味噌汁を飲んだ後に感じる気持ちの落ち着きがこのように解説されるのかと思いました。
どちらかというと女性向き(まとめ)
この本の前書きを読むと、どちらかというと女性を対象として考えて書かれた本です。
「そろそろ生理が近いせいか、ちょっとイライラしてるかも。そうだ、セロリを買おう。それに、生理痛の予防に、ちんげんさいと黒きくらげも買っておこう。今日はいかと炒めて、明日は黒酢を入れた中華スープにしよう」
その通り、セロリはイライラや落ち着かない気分のリフレッシュに役立ち、ちんげんさいと黒きくらげ、それに黒酢も血行をよくして生理痛の緩和に役立ちます。
いかは疲労回復と血行改善にもプラス。立派な薬膳メニューです。漢方の考え方に基づく、薬膳としての食材の効能を知ると、普段の食事があなたや家族の体調を整え、不調を予防するのに積極的に力を発揮します。
とはいえ、男性が読んでも楽しめます。