鮭に7つも種類があったなんて知らなかった

普段サケといっているのは、シロザケのことです。サケには、その他にキングサーモン(ますのすけ)、カラフトマス、ギンザケ、ベニザケ、サクラマス、アトランティックサーモン(たいせいようさけ)があります。ヒメマスはベニザケの陸封型、渓流釣りで人気のヤマメはサクラマスの陸封型です。意外と種類があります。

鮭

鮭の歴史 (「食」の図書館)を読みました。このシリーズは本当に知らないことを教えてくれます。

私は北海道で育っているので、鮭は子供の頃から身近な魚でした。しかし、鮭は知っていても種類まで知りませんでした。時知らずとかそんな名前は聞いたことがありましたが。

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鮭は7種類ある

普段、わたしたちが鮭と呼んでいる魚には、サケ属とタイセイヨウサケ属の7種類の鮭があるそうです。

  • キングサーモン(ますのすけ)
  • シロザケ
  • カラフトマス
  • ギンザケ
  • ベニザケ
  • サクラマス
  • アトランティックサーモン(たいせいようさけ)

その中で、最初にカラフトマスとキングサーモンが対比されて書かれていました。

カラフトマス

カラフトマスは読んでいただくとお分かりになるようにあまりよい扱いをされていないのです。しかし、缶詰(鮭缶)が作られるようになると、カラフトマスは一番食べられる鮭になります。現在でもそうです。

缶詰の話は面白いので、別な記事に書きます。

カラフトマス(学名 Onchorynchus gorbuscha)は北太平洋に注ぎ込む小さな川で生活できるように、数百万年かけて進化した。

カラフトマスはもっとも小さな部類の鮭で、彼らの住む川は内陸に向かって数キロメートル伸びているにすぎない。カラフトマスは浅い川を上る短い旅を経て、産卵のために生まれた場所へ帰る。

海岸から数キロメートル以上離れたところでカラフトマスを見かけることはめったにない。

遡上する距離の短さが、カラフトマスの肉の性質に表れている。彼らの肉には脂肪のたくわえがほとんどなく、川を長くさかのぼる必要のある鮭と比べて筋肉が発達していない。

この鮭のほぐれやすいやわらかな肉を食べるということは、カラフトマスの生活史を体験するということだ。

脂肪分が少なく筋肉が発達していないため、カラフトマスは大西洋や太平洋産の高級な鮭に感じられる豊かな深みのある味わい、つまり、うまみと呼ばれるものが欠けている。

あっさりしたマスの味と間違えそうなこの肉を味わえば、カラフトマスのライフサイクルがよくわかるし、料理に関しては生物の分類の境界線があいまいなことが実感できる。

カラフトマスの画像は勝手に使えないので、市場魚貝類図鑑 ぼうずコンニャクさんのページをご覧下さい。

こちらの記事を読ませていただいても、漁獲量は多いが生魚の流通は少ないと書かれています。やはり脂肪が少ないので焼いて食べてもそれほどおいしくないのかもしれません。

キングサーモン(ますのすけ)

その一方、キングサーモンは絶賛されてますね。

キングサーモンはまったく別の進化と味の組み合わせをもっている。(中略)北半球の非常に長く荒々しい川で進化した。数千キロメートルとは言わないまでも、数百キロメートルの壮大な旅をなしとげられるようにタンパク質が相互に結びついたキングサーモンの筋肉は、大きく、厚く、しっかりと発達している。

また、この旅をするためには十分な太陽エネルギーを取り入れる必要があり、キングサーモンはそれを脂肪としてたくわえる。(中略)

キングサーモンは、ほかのどんな鮭の種よりも多くの脂肪を持ち、故郷までの旅が長ければ長いほど、より多くの脂肪をたくわえる。

舌の上でなめらかに溶けてしまうこの脂肪と、蒸し煮した豚肉を思わせるような歯ごたえのあるしっかりした肉は、絶妙の組み合わせだ。実際、海で釣れたキングサーモンをスモークしたものの腹の部分は、アメリカ風のベーコンと驚くほどよく似ている。

同じく市場魚貝類図鑑 ぼうずコンニャクさんのページをご覧下さい。

卸値がキロ2000円と書いてありました。刺身で食べてみたいですが、北海道では昔から鮭の刺身はルイベ(一度凍らす)にしないと寄生虫がいるからだめだと言われていました。

ベニザケ

ベニザケの赤さは、食べるエサの色素アスタキサンチンが原因です。エビやカニを茹でると赤くなるのは、アスタキサンチンのためです。

あらゆる鮭の中で間違いなく一番濃厚な風味ばかりでなく、ベニザケ特有の赤みの強い肉が生まれた。

ベニザケが生活する地域の中心はロシアのオホーツク海とアラスカのブリストル湾の間にあり、ほかのあらゆる鮭と違って、ベニザケは一生のうちの長い期間を湖で暮らす。

ほとんどのベニザケは海に出る前に、生涯の最初の2年間を淡水の湖で過ごし、そこで微細なエビ・カニ類や動物性プランクトンを食べて育つ。

そしてほかの鮭に比べて食物連鎖の下位に位置する食生活を一生守り続ける。

成熟して海で暮らす間、ベニザケは小さな動物性プランクトンや微小なエビ・カニ類を食べ、これらのエサからアスタキサンチンと呼ばれるカロテノイド色素を大量に摂取するため、食物連鎖の上位で魚やイカ、クラゲを食べる鮭に比べて肉に含まれるカルテノイド色素が多い。

ベニザケの肉がたいてい色鮮やかで密度が高く、濃厚なのは、食物連鎖の下位でこうしたエサを食べているためだ。

ベニザケは体が大きくなってもずっとプランクトンなどを食べ続けるみたいです。

市場魚貝類図鑑 ぼうずコンニャクさんのページをご覧下さい。

北海道の湖などに生息するヒメマスはベニザケの陸封型とありました。養殖は確立されておらず、総て天然。卸値はキロ2000円の高級魚だそうです。スモークサーモンに加工されるとも。

ベニザケは、缶詰がありました。

シロザケ、サクラマス、ギンザケ、アトランティックサーモンについて。

残ったこれらのサケは、生息地で食べているエサによって特徴が変わると書かれていました。環境適応力があるようです。

カラフトマスとキングサーモンという両極端な2種類の間に、シロザケ、サクラマス、ギンザケ、アトランティックサーモンがいる。

これらはすべて、生物学的にも生態学的にもさまざまなエサと環境で繁殖できる万能選手だ。これらの鮭は多種多様な淡水の環境で生きられるように進化したため、ほかの種に比べて、その味と歯ごたえは各集団の生息地に大きく左右される。

しかし、せっかくなので調べていきましょう。

食材魚貝大百科〈別2巻〉サケ・マスのすべてに詳しく書かれていました。この本はさすが昔から百科事典を出していた平凡社ならではの詳しい内容です。

シロザケ

普段、われわれが「サケ」といったときシロザケのことを指すようです。

サケ属のなかでは最も分布が広く、最も漁獲量が多いサケ属の代表種。塩ザケなどで昔から親しまれている。サケといえばシロザケのことを指すことが多い。

回遊する時期や成熟度の違いでトキシラズ、ケイジ、アキアジなどと呼ばれる。人工ふ化による放流が成功し、資源状態は安定、日本の沿岸に出現するもののほとんどがシロザケといえる。

別名には、アキアジ、トキシラズ、シロ、サケ、オオメ、メヂカ、ケイジとありました。

シロザケの画像は、羅臼ビジターセンターのサイトにありました。

サクラマス

渓流釣りで人気のヤマメは、サクラマスの陸封型だそうです。ヤマメは美しくておいしい魚です。ずいぶん昔、ヤマメの塩焼きを何匹食べられるかやってみたことがあります。7匹は余裕で食べられました。味が淡白だからです。

やまめ

また、富山県の名産、「鱒ずし」はサクラマスを使っているそうです。

鱒ずし

河川に残留する個体をヤマメ、淡水の河川から塩水の海に降りるために塩分調整能力を備えつつある銀化した個体をサクラマスと呼ぶ。(中略)

国内では、北海道から日本海側のほぼ全域と瀬戸内海側を除く熊本以北の九州各地、また太平洋側では神奈川県酒匂川まで分布している。

特に北海道では、ほとんどの個体が降海して大型のサクラマスとなる。一方、本州や九州では、多くの個体が河川に残留する小型のヤマメである。

ただし、サクラマスの遡上の南限は日本海側で山口県、太平洋側では千葉県である。ヤマメは、氷河期以降の温暖化で上流の冷水域に陸封され、淡水で一生を送るようになったものである。

画像は、市場魚貝類図鑑 ぼうずコンニャクさんのページにありました。

ギンザケ

別名は、ギンマス、アマメ。日本ではまれな種だそうです。

北太平洋の北部に分布するが、日本の沿岸での遡上はほどんどなく、日本の海域でも天然魚を見かけることはまれである。

しかし、比較的赤味の強い肉色が好まれ、日本での海面養殖も盛んで、塩ザケやさしみなどに多く利用されているので、食材としては身近である。海外からの養殖物の輸入も多い。

日本ではまれな種とはいえ、実際、買い物に行くとよく切り身を見かけます。それほど珍しいものだと思っていませんでした。これはもちろん、養殖のためです。

1970年代からアメリカ産の受精卵を輸入しての海面養殖が盛んに行われている。最近では、毎年1万トンほどを収穫している。

また、主にチリなどで養殖されたギンザケが、最近では約7万トンほど輸入されている。

画像は市場魚貝類図鑑 ぼうずコンニャクさんのページにありました。

アトランティックサーモン(たいせいようさけ)

大西洋にいるタイセイヨウサケ属の代表種。体型はサケ属に似るが、背部や頬、鰓蓋に明瞭な小黒点が散在するのが特徴。

天然の資源量は減少しているが、海面養殖が盛んで、ノルウェー、チリなどから日本へも輸出されている。

さらに、日本にどのように運ばれてくるかも書かれていました。

ノルウェーのほか、移植されたチリなどで海面養殖が盛んである。日本へは氷詰めされた状態で空輸される。養殖のタイセイヨウサケは、配合飼料のみで育てられることから寄生虫の心配がなく、さしみなどで生食することができる。

冷凍ではなく、氷詰めですから鮮度がよい状態で運ばれてきます。空輸のコストが下がったのか、大量に空輸しているかのどちらか分かりませんが、贅沢な時代ですね。

画像は市場魚貝類図鑑 ぼうずコンニャクさんのページにありました。

アトランティックサーモンにも缶詰がありました。

鮭の栄養成分

今まで紹介してきた鮭7種類について栄養成分を調べてみました。たいせいようさけは、アトランティックサーモン。ますのすけがキングサーモンです。

最初にからふとますとキングサーモンを対比して書いたので、色をつけておきます。それぞれを見比べてみてください。

ますのすけ(キングサーモン)は脂肪が多い

たしかにからふとますは脂質が少なく、ますのすけ(キングサーモン)は脂質が多いです。その分カロリーも少し多いです。

養殖魚は、エサでコントロールされていますから、脂質は多いです。もちろん、その方が脂が乗っていておいしいからです。

EPAとDHAの量はあまり変わらない

養殖魚は、エサでコントロールされています。食べて美味しいと感じられるように脂肪が多くなるよう育てられているようです。また、健康時代ですから、オメガ3のEPAやDHAが多くなるように調整されているようです。表を見るとわかります。

一方、天然ものは、オメガ3の脂肪酸の量はそれほど大きな違いはありません。からふとますと、ますのすけを比較しても似たようなものです。

食品成分 からふとます/生 ぎんざけ/養殖生 さくらます/生 しろさけ/生 たいせいようさけ/養殖生 べにざけ/生 ますのすけ/生
エネルギー 154kcal 204kcal 161kcal 133kcal 237kcal 138kcal 200kcal
水分 70.1g 66g 69.8g 72.3g 62.1g 71.4g 66.5g
たんぱく質 21.7g 19.6g 20.9g 22.3g 20.1g 22.5g 19.5g
脂質 6.6g 12.8g 7.7g 4.1g 16.1g 4.5g 12.5g
炭水化物 0.1g 0.3g 0.1g 0.1g 0.1g 0.1g Tr
灰分 1.5g 1.3g 1.5g 1.2g 1.6g 1.5g 1.5g
レチノール活性当量 13μg 36μg 63μg 11μg 17μg 27μg 160μg
ビタミンD 22μg 15μg 10μg 32μg 10μg 33μg 16μg
α-トコフェロール 0.7mg 1.8mg 2.3mg 1.2mg 3.4mg 1.3mg 3.3mg
ビタミンK (0) (0) (0) (0) (0) (0) (0)
ビタミンB1 0.25mg 0.15mg 0.11mg 0.15mg 0.22mg 0.26mg 0.13mg
ビタミンB2 0.18mg 0.14mg 0.14mg 0.21mg 0.09mg 0.15mg 0.12mg
ナイアシン 8mg 5.3mg 8.8mg 6.7mg 7.4mg 6mg 7.7mg
ナイアシン当量 (11.9)mg 8.9mg (12.6)mg 10.9mg (10.8)mg (10.1)mg (11.2)mg
ビタミンB6 0.49mg 0.32mg 0.52mg 0.64mg 0.46mg 0.41mg 0.43mg
ビタミンB12 4.6μg 5.2μg 7.6μg 5.9μg 8.9μg 9.4μg 3.4μg
葉酸 16μg 9μg 21μg 20μg 8μg 13μg 12μg
パントテン酸 1.3mg 1.37mg 0.97mg 1.27mg 1.73mg 1.23mg 1.38mg
ビオチン 4.5μg 9μg
ビタミンC 1mg 1mg 1mg 1mg 1mg Tr 1mg
脂肪酸総量 4.93g 11.3g 5.91g 3.77g 12.31g 3.59g 9.25g
飽和脂肪酸 1.23g 2.3g 1.6g 0.8g 3.16g 0.81g 2.5g
一価不飽和脂肪酸 2.12g 4.87g 2.42g 1.69g 5.36g 1.75g 4.78g
多価不飽和脂肪酸 1.58g 3.74g 1.89g 1.01g 3.79g 1.03g 1.97g
n-3系多価不飽和脂肪酸 1.42g 2.03g 1.72g 0.92g 3.24g 0.92g 1.59g
n-6系多価不飽和脂肪酸 0.15g 1.65g 0.17g 0.07g 0.54g 0.11g 0.37g
18:1n-9オレイン酸 0 3600mg 0 660mg 0 0 0
18:2n-6リノール酸 81mg 1500mg 80mg 38mg 380mg 56mg 280mg
18:3n-3α-リノレン酸 52mg 480mg 64mg 27mg 140mg 26mg 95mg
20:4n-6アラキドン酸 31mg 60mg 49mg 12mg 68mg 20mg 45mg
20:5n-3イコサペンタエン酸 400mg 310mg 390mg 240mg 850mg 270mg 400mg
22:6n-3ドコサヘキサエン酸 690mg 890mg 960mg 460mg 1400mg 480mg 740mg
※日本食品標準成分表2015年版(七訂)から引用

まとめ

私は一時山仕事をしていたことがあるので、現場でイワナやヤマメを釣って焼いて食べていました。イワナが一番上流の水温が冷たいところにいます。

驚いたのは、長靴で歩ける深さしかない、本当に小さな沢にもイワナがいるのです。

そして、もう一つ思い出すのは、上高地の明神池です。穂高神社の奥社になるのでしたっけ?

上高地は国立公園なので魚釣りなど一切できません。そのため、ヤマメなのかイワナなのかニジマスなのか、ともかく海で見る鮭並みに大きくなったものが明神池にはたくさん泳いでいました。色や模様がとてもきれいです。

そして、模様をよく見ると、イワナなのかヤマメなのかニジマスなのかわからないくらい混ざり合っています。これはみんな同じ仲間なんだなと思ったものです。

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