寒天のことを知りたいと思いました。食物繊維が気になっているのです。しかし、似たような「ツルン」とした食感のものでゼラチン、葛(くず)があることを思い出しました。栄養成分をはじめ、どんな違いがあるのか。そして食物繊維の働きについて調べました。寒天の値段や簡単にできるレシピもどうぞ。

寒天の栄養成分
寒天の栄養成分を調べました。寒天は後述しますが、海藻からできています。比較のために、同じようなプルンという食感を持つゼラチンとくず粉の栄養成分も調べました。
ゼラチンは、最近あまり見たことがありませんが、子供の頃、食べるのが楽しみだったゼリーのもとです。ゼラチンは動物の皮膚や骨、腱などの結合組織の主成分であるコラーゲンに熱を加え、抽出したものです。(出典)狂牛病騒ぎ以来、ぶたが原料です。
また、くずでん粉は、葛粉のことです。池上本門寺や川崎大師に行くと近くでくず餅が販売されていますが、関東のくず餅は、小麦粉のでんぷんが原料です。
角寒天は上の画像です。棒寒天ともいいます。昔からの作り方でつくられたものです。粉寒天は工業的にすべて工場内でつくられます。カルシウムとマグネシウムの含有量に差があります。
葛粉とゼラチンは食物繊維ゼロ
下の表を見ていただくと特徴がはっきりわかります。
寒天とくずでん粉はほとんどが炭水化物で、ゼラチンはほとんどがたんぱく質です。そして、くずでん粉とゼラチンは食物繊維が入っていません。これは覚えておきましょう。
寒天は食物繊維
寒天は、ミネラルの他は炭水化物です。炭水化物といってもでんぷんはありません。食物繊維総量を見ていただくとお分かりの通り、そのほとんど全てが食物繊維です。これが寒天の特徴です。
| 角寒天 | 粉寒天 | ぶたゼラチン | くずでん粉 | |
| エネルギー | 154kcal | 165kcal | 344kcal | 347kcal |
| 水分 | 20.5g | 16.7g | 11.3g | 13.9g |
| たんぱく質 | 2.4g | 0.2g | 87.6g | 0.2g |
| 脂質 | 0.2g | 0.3g | 0.3g | 0.2g |
| 炭水化物 | 74.1g | 81.7g | 0 | 85.6g |
| カリウム | 52mg | 30mg | 8mg | 2mg |
| カルシウム | 660mg | 120mg | 16mg | 18mg |
| マグネシウム | 100mg | 39mg | 3mg | 3mg |
| リン | 34mg | 39mg | 7mg | 12mg |
| 鉄 | 4.5mg | 7.3mg | 0.7mg | 2.0mg |
| 亜鉛 | 1.5mg | 0.3mg | 0.1mg | Tr |
| 銅 | 0.02mg | 0.04mg | 0.01mg | 0.02mg |
| βカロテン | 0 | 0 | 0 | 0 |
| レチノール活性当量 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| ビタミンD | 0 | 0 | 0 | 0 |
| α-トコフェロール | 0 | 0 | 0 | 0 |
| ビタミンB1 | 0.01mg | 0 | 0 | 0 |
| ビタミンB2 | 0 | 0 | 0 | Tr |
| 葉酸 | 0 | 1μg | 2μg | 0 |
| ビタミンC | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 食物繊維総量 | 74.1g | 79.0g | 0 | 0 |
食物繊維は短鎖脂肪酸になる
わたしたちの胃腸では、食物繊維を分解することができません。そのため、物理的に大便を肛門に向かって押し出していくための材料になるのだと思っていました。
しかし、腸内細菌は、食物繊維を分解し、短鎖脂肪酸にします。
短鎖脂肪酸は大腸上皮細胞のエネルギー源
脂肪酸ってご存知ですか?脂肪酸は脂肪とは別ものです。脂肪酸は脂肪を構成する部品です。
脂肪は、グリセリンと脂肪酸3本からできています。オレイン酸とかリノール酸、リノレン酸など聞いたことがあるでしょう。みんな脂肪酸の名前です。その中で短いものを短鎖脂肪酸といいます。
その中には、お酢の主成分である酢酸も入っています。短鎖脂肪酸は、大腸上皮細胞のエネルギー源になります。

わたしたちの体では、食べたものを消化してブドウ糖を血液にのせて体のあちこちに配ってエネルギー源にしています。ところが、大腸上皮細胞は、食物繊維を腸内細菌が分解した短鎖脂肪酸を直接エネルギーにします。
腸管の粘膜上皮細胞は生体で最も寿命の短かい細胞で人で6~7日といわれています。(出典)新しい細胞に入れ替わるためのエネルギーを供給しているのが、短鎖脂肪酸です。
すると、お腹のためには食物繊維をとることはかなり大切なことだなと分かります。ヨーグルトを食べるとお腹の調子がよくなります。乳酸菌をとることも大切ですが、腸内細菌のうち乳酸菌の割合は0.1%くらいで、ビフィズス菌が10%くらいを占めているそうです。
詳しくはこちらの記事をお読みください。



さらに、お腹のビフィズス菌を増やす方法という記事で、実際に1日どれくらい食物繊維を摂っているのか調べて書きました。こちらもどうぞ。



寒天の値段
寒天を買うならまず乾物屋さんに行きましょう。アマゾンでも調べてみました。どうも粉寒天が使いやすいようです。
国産粉末寒天250g (粉寒天 寒天粉)がこの記事を書いた時点で一番売れているようです。
寒天の簡単なレシピ
夏に冷やして食べるとおいしい水羊羹は、あんこを寒天で固めたものです。ここまで読んで下さった方なら、栄養的には価値がなさそうな寒天が、お腹のためにとてもよいものだと思っていただけるでしょう。
簡単にできるメニューを探してみました。
りんご100%ジュース寒天ゼリー
りんご100%ジュース寒天ゼリーがよさそうです。

材料 (4人分)
- りんご100%ジュース500cc
- 粉寒天一袋4g
- ハチミツ 大さじ3
作り方
- 材料を用意します。鍋にジュース、寒天を入れ火にかけます。温まってきたら、ハチミツを加えます。
- かき混ぜながら沸騰させます。1~2分そのまま沸騰させます。ここで寒天が溶け切ります。
- 器に注ぎます。泡が出るので、スプーンの背などで表面の泡を消します。常温でも固まりますが、冷蔵庫で冷やし出来上がりです。
市販のこんにゃくは、100gあたり2~3gの食物繊維総量です。粉寒天4gを使うと、だいたい同じくらいの食物繊維総量になります。
豆カレー(粉寒天をとろみに使う)
個人的にカレーをよく作るので、カレーのレシピを探しました。
寒天ダイエット 本当においしいレシピ62(岩崎啓子 河出書房新社 2005)にルーを使わないかわりに粉寒天でとろみをつけるレシピが出ていました。![]()
ひよこ豆のカレーは、ホクホクしてなかなかおいしいです。
材料(2人分)
- 玉ねぎ・・・1個
- にんにく・・・1/2かけ
- しょうが・・・1/2かけ
- セロリ・・・50g
- にんじん・・・30g
- バター・・・大さじ1
- 牛赤身ひき肉・・・50g
- カレー粉・・・大さじ1
- トマト缶・・・1/2缶(100g)
- コンソメのもと・・・1/2個
- 水・・・1カップ
- トマトケチャップ・・・大さじ1
- ウスターソース・・・大さじ1/2
- しょうゆ・・・小さじ1
- ローリエ・・・1/2枚
- ひよこ豆(缶)・・・80g
- 粉寒天・・・2g(小さじ1)
- 水・・・1/2カップ
- ガラムマサラ・・・小さじ1
- 塩・・・小さじ1/3
- こしょう・・・少々
- ごはん・・・300g
作り方
- 玉ねぎはみじん切りにする。
- にんにく、しょうが、セロリ、にんじんもそれぞれみじん切りにする。
- 鍋にバターを入れて溶かし、1.をきつね色になるまで炒める。2.を加え、さらに香りが出るまで炒める。
- ひき肉を加えてさらに炒め、カレー粉を加え、焦がさないように炒める。つぶしたトマト、a.~g.を加えて混ぜ、ふたをして沸騰したら、弱火で15分間煮る。
- 粉寒天を分量の水と混ぜ合わせ、4.に加える。ガラムマサラ、塩、こしょうを加えて混ぜる。沸騰したら弱火にして4~5分間煮る。(ルーのとろみを粉寒天で代用しカロリーダウン!)器にごはんと盛り合わせる。
寒天の性質
寒天は冷蔵庫で冷やして固める必要はありません。夏でも室温で固まります。また、一度固まれば常温で溶けることはありません。冷やす場合は、固まってから冷蔵庫に入れます。
また、酸味の強いフルーツやしぼり汁と合わせると、固まる力が弱くなります。この場合は、寒天のあら熱が取れて、固まり始める直前に加えるのがコツです。
寒天をつくる
昔、八ヶ岳の山小屋、根石岳山荘でアルバイトをしたことがあります。その時に、地元の茅野市では寒天の製造が盛んだと聞いて、「???」という状態になりました。
寒天は海藻なのに、なぜこんな山のふもとで加工しているのだろうと思いました。早速調べてみると、長野県寒天水産加工業協同組合のサイトがありました。

なぜ寒い諏訪地方でつくっているんだろう?
茅野のある諏訪地方での寒天づくりはかなり古く天保年間(1830年~1844年)から始まっていました。
諏訪地方での寒天製造の始まりは、天保年間より茅野市玉川穴山の小林粂左衛門で、関西方面に出稼ぎに出向いたおり丹波地方で寒天製造を知り気候風土が諏訪地方と共通している事と冬の農家の副業として適していると考え、2年ほど下男になって住み込み製法を密かに身に付け郷里玉川穴山にて寒天製造を始めました。
毎年12月中旬から翌年の2月下旬頃まで製造される期間限定の特産品です。
丹波も山間地です。寒冷な気候が寒天をつくるには必要なようです。
寒天の作り方
寒天は、ところてんを凍らせて解かすことを繰り返し、完全に乾燥させてつくるようです。つまり、寒天は、ところてんの干物です。
諏訪でつくられるようになったのは、夜間の寒冷な気温が適していたのです。
天草を水漬けし柔らかくしてから、洗浄機にかけて土砂や貝殻などを取り除き、少量の酸を加えて煮ます。煮溶けた寒天液をろ過してから諸蓋(もろぶた)という流し箱に入れて凝固し、「ところてん」にします。
固まったところてんを「天切包丁」(一度に21丁か22丁に切れる包丁)で切断し、屋外に運び厳冬の夜間、寒気にさらして2、3夜で完全に凍結させ、冬の弱い日差しで融解、乾燥させてから寒天にします。
原料の天草はこれです。それが上の画像の角寒天になるのだから面白いですね。


まとめ
時々、おみやげにもらって食べているのですが、銚子には海草という食べものがあります。これに刻みネギとおかかをのせて醤油をかけて食べるとおいしいです。やや固いところてんのような食感です。

乳酸菌も大切だが、ビフィズス菌の数の方がずっと多い
毎週、豆乳ヨーグルトを仕込んで食べています。自分で仕込んでいるので感じるのですが、ヨーグルトメーカーとして明治は抜きん出て品質が優れていると思います。
しかし、「腸内酵素力」で、ボケもがんも寄りつかないを読むと、腸内細菌のうち乳酸菌の割合は0.1%くらいで、ビフィズス菌が10%くらいだというのです。
乳酸菌を培養したヨーグルトを食べてあれだけよい影響があるのだから、ビフィズス菌によいものを食べることを心がけるとよいに決まっています。
食物繊維は地味なのでオリゴ糖くらいしか目立たないかもしれませんが、食物繊維をとると心がけるとよいと思います。
海藻についてその他の記事は、海藻についての記事をお読み下さい。

