「朝のコーヒー、夜のビールがよい仕事をつくる」を読んだ

朝、コーヒーを飲むとシャキッとしますが、飲む時に少し時間帯に注意すると効果が上がります。また、日中も飲まない方がよい時間帯があります。夜、仕事が終わった後の1杯のビールは実にうまくてリラックスできます。飲み過ぎないように、また、二日酔いにならないように、1杯飲んだら水を1杯飲むことを心がけるとよさそうです。

コーヒー

朝のコーヒー、夜のビールがよい仕事をつくるを読みました。

この本のように、タイトルから何をいいたいかわかりやすい本は好きです。私はコーヒーもビールも好きなので、まるで私のために書いてくれたのかと思いました。

簡単にいえば、「朝はシャキッと、夜はリラックス」なのですが、もちろんそれだけでは一冊の本になりません。注意事項があるのです。

お医者さんが書いた本なので、同じ飲むなら読んで習慣にした方がよいと思いました。私はコーヒーもビールも好きで毎日のように飲んでいます。

飲みものは「効く」

飲み物は、食べ物に比べて圧倒的に「身近」で「手軽」、加えて「即効性」を持ち合わせているからです。

飲料は口から入った後、5秒前後で喉を通過し、5分前後で胃での消化吸収が済んでしまいます。しかし、食べ物は口から入ってから喉を通過するのに1分程度、胃での消化に4時間前後かかるものがほとんどです。

単純に計算すれば、50倍くらいのスピードで消化吸収が行われる脅威の速さを誇るのが飲み物なのです。そして、飲み物は胃からも吸収されていきます。

栄養の多くは小腸で吸収されますが、水に溶けた栄養成分は胃から水分と共に体内に入り込むのです。つまり、飲み物に秘められたパワーは数分以内に体内を巡るということでもあります。

これは、アルコールのことを考えるとすぐにわかります。ビールを一口飲めば、すぐにふわっと酔いが来るので、よーく分かる話です。

食べ物も体内に吸収する時は、水の助けがないと無理です。

コルチゾールとコーヒー

飲み物は習慣になりやすいです。別に喉が渇いていなくても仕事を始める時、合間になんとなく飲みます。

コーヒーは頭がスッキリする働きがありますが、飲む時間に少し気をつけて体が目覚めるホルモンと拮抗しないようにしようというのがこの本の提案です。

また、コーヒーを飲む時、基本的に砂糖は入れません。

私たちの体内では、1日の体のバランスや働きをサポートするために、様々なホルモンが分泌されています。

その中でも目覚めと大きく関わっているのが「コルチゾール」というホルモン。早朝6時頃から分泌量が増えていき、午前8~9時にピークを迎えます。

このタイミングでしっかりとコルチゾールが分泌されることで、眠っていた体が覚醒し、やる気が湧いてきます。

コルチゾールは、1日のスタートにスイッチを入れるという重要な働きをもったホルモンと言えるでしょう。

ところが、この時間帯にコーヒーを飲むとコルチゾールの働きが抑制され、かえって覚醒効果が得られないということが分かっています。

なんと、「目覚めの一杯」と思って飲んでいる朝イチ・コーヒーが、逆に眠気やダルさを招いているかもしれないのです。

さらに危険なことに、朝のコーヒーによるコルチゾールの抑制を続けると、「カフェイン」に対する耐性がついてしまい、朝夕関係なく、終日コーヒーの良い作用が受けられなくなってしまう可能性もあります。

もう少し詳しく、どの時間帯で飲むのがよいか知りたいですね。ちゃんと書いてあります。

午前8~9時にピークを迎え、午前9時半頃から減り始めます。このコルチゾールが減少するタイミングを狙ってコーヒーを体内に注入するのがカフェイン効果を活かすコツなのです。

自然に集中できる時間帯を避ける

さらに朝だけでなく、昼、夕方にもコルチゾールの分泌が高くなる時間帯があります。

また、終日を通して覚醒ホルモンの分泌量に合わせてコーヒーを飲むこともポイント。正午~午後1時、午後5時半~6時半も同様にコルチゾールの体内分泌量が変化するため、この時間帯にコーヒーを飲むのは避けたいところです。

この時間帯、とても分かります。食事をすると別ですが、お昼頃は空腹を感じているので集中力が高まります。そして、夕暮れ時も集中力が高くなる時間帯です。

子どもの頃から夕暮れ時は特別な時間なんだなと感じていました。

ビールは疲れを癒してくれる

いうまでもありません。ビールは1日の疲れを癒してくれ、一口飲むとふわっとリラックスできます。

ビール

いささか、自分に都合よく引用している気がしないでもないですが。こんな話があります。

European Journal of Epidemiology(疫学欧州)で発表された論文には、約20万人以上を対象に過去の研究データを分析した結果、毎日適量のビールを飲む人は心臓疾患のリスクが31%減少するという内容もあります。

国内の研究でも、ビール原料のホップに含まれる「キサントフモール」という成分に、動脈硬化の予防や善玉コレステロールを上昇させる働きがあるという研究発表などもあり、心疾患や脳血管疾患など血管系の病気で亡くなる確率が高い日本人には朗報ともいえます。

毎日適量のアルコールを飲むと、全く飲まない人よりも健康状態がよいという話はよく聞きます。これはビールに限ったことではないでしょう。注意事項は「適量」です。

翌日に残るような飲み方を続けていてよいわけはありません。ビールを飲んでどのくらいの時間で分解されるか書かれていました。

アルコールが分解されるスピード

肝臓がアルコールを分解できる速度を簡単に覚えておくならば、「体重1kgあたり1時間で約0.1gのアルコール」。

たとえば、60kgの人が缶ビール1本(350ml)を飲んだ場合を考えてみましょう。

  1. 60kgの人が1時間に分解できるアルコールの量
    0.1g×60kg=6g
  2. 缶ビール1本のアルコール量(アルコール度数5%)
    350ml×0.05(アルコール度数)×0.8(アルコール比重)=14g
  3. アルコールの分解にかかる時間
    14g÷6g=約2.3時間

つまり、体重が60kgの人は、缶ビール1本のアルコールを分解するのに約2時間20分もかかるということです。

単純な計算にはなりますが、60kgの人が調子に乗って終電間際までビールジョッキ3杯を飲んでいたら、翌朝の9時を過ぎてもアルコールは体内に残っていることになります。

よくいわれることですが、アルコールの強さは個人差があります。飲み過ぎないことが一番大切です。

1杯飲んだら水を1杯

飲んだ後に必ず水を飲むことを習慣にしている人は多いと思います。ビールを飲み始めてある程度たつと、私は何度もトイレに通うタイプです。

ビールには利尿作用があります。利尿作用があるということは、脱水することでもあります。また、アルコールがアセトアルデヒドから酢酸になる反応には水が必要です。水を飲まないといけません。

やり方は簡単で、「お酒1杯につきチェイサー1杯」のペースで、アルコールと水を交互に飲むようにするだけです。

「二日酔いになってしまったら水を飲みましょう」「吐いてしまったら水を飲む」ともすると、こんなふうに二日酔い・悪酔いの状態になってしまった後で初めて水を飲む、という場合が多いのではないでしょうか。

水分補給は、確かに対処法としても有効です。しかし、飲んでいるときにしっかり水分補給しておけば、そもそも悪酔いも二日酔いも未然に防ぐことができるのです。

食事をしながら「お酒1杯につきチェイサー1杯」はむずかしいですが、食事でなく飲んでいるときなら、少し気をつけると可能です。いつも水とグラスを出しておいてもらえばよいだけです。

また、ビールの利尿作用についてこのように書かれていました。

ビールのもつ利尿作用にも注意が必要です。抗利尿ホルモン(利尿を妨げる働きを持つ)の抑制の他に、ナトリウムの排出を活発にする働きが加わるため、他のお酒より利尿作用は高いと考えられます。

50gのアルコール摂取で600~1000mlの利尿効果があるとされているので、たとえば大瓶633ml(アルコール度数5%)を飲めば、380~634mlの水分が出ていく計算になります。

脱水にならないよう、飲んでいる最中も水も挟むのが得策です。

まとめ

朝のコーヒーは、仕事のエンジンをかけるようなものだと思っています。しかし、「コルチゾール」というホルモンとの関係は、この本を読むまで全く知りませんでした。

コルチゾールが分泌する時間帯に飲まない方がよいという話を知ってその通りにやってみることで何も損することはありません。早速、やってみます。

ビールはとても好きです。炭酸と苦味とふわっとした酔い心地ですぐにリラックスできます。1杯飲んだら水を1杯飲む。トイレに行く回数が余計増えそうですが、ビールを飲む量を抑えることはできそうです。

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