トウモロコシの効果効能はヒゲにあり

トウモロコシは、もぎたてをゆでたものを食べ慣れると、八百屋さんで買う気にならなくなります。私は一時もぎたてを食べられる贅沢な環境にいたので、あまり買わないです。

ところで、皮と一緒に捨ててしまうトウモロコシのひげには、漢方薬に使われるほど効果がある成分が含まれているようです。

とうもろこし

トウモロコシの選び方

また、「内田悟のやさい塾 旬野菜の調理技のすべて 保存版 春夏(KADOKAWA/メディアファクトリー 2012)」には目利きどころとしてこのように書かれていました。ご参考まで。

  1. ひげがふさふさし、よく枯れて褐色なら、熟している証拠。
  2. 頭のほうまでふっくらとしている。
  3. 皮が淡い緑色で筋目が多く美しい。
  4. 大きめのもの、ずしりと手応えのあるもの。

トウモロコシの栄養成分

世界にはトウモロコシを主食としている人たちもいます。そのため、カロリーは比較的多いです。一般的に出回っている品種は、甘み種、スイートコーンの代表品種であるハニーバンダムだそうです。

栄養成分としてはカリウムと食物繊維が多少多いかなというくらいで、とりたてて特徴があるようには感じません。

100gあたりの栄養成分
スイートコーン未熟種子生
エネルギー92kcal
水分77.1g
たんぱく質3.6g
脂質1.7g
炭水化物16.8g
カリウム290mg
カルシウム3mg
マグネシウム37mg
リン100mg
0.8mg
亜鉛1.0mg
レチノール活性当量4μg
ビタミンD0
α-トコフェロール0.3mg
ビタミンB10.15mg
ビタミンB20.10mg
ビタミンC8mg
食物繊維総量3.0g
※日本食品標準成分表2015年版(七訂)から引用

βクリプトキサンチンとゼアキサンチン

トウモロコシの黄色はβクリプトキサンチンとゼアキサンチンという色素によるものです。βクリプトキサンチンは骨の健康維持に、ゼアキサンチンは目の調子を整える効果があります。

トウモロコシの効果効能

薬剤師であり、あん摩指圧マッサージ師でもある橋本紀代子先生の食べものはくすりにはこのように書かれていました。

食べものはくすり
野菜やくだものについて、昔の本草書に出ているような効果を解説してくれる「食べものはくすり」をご紹介します。 食べものはくすりは、大手出版社ではなく、本の泉社という文京区の出版社から発行された本です。しかし、使っている紙も含めて手間がか...

むくみやアレルギーに

トウモロコシのひげは、中国では「玉米鬚」(ぎょくべいじゅ)、日本では「南蛮毛」(なんばんげ)といって、民間薬として盛んに用いられてきました。

とくに利尿作用はよく知られており、体がむくむ病気に有効です。むくみには、ひげ二〇~六〇グラムを煎じ、空腹時にお茶がわりに飲みます。

余分な水分が泌尿器を掃除し、膀胱炎や尿道炎の症状も改善され、水太りの解消にも役立ちます。

最近ではトウモロコシのひげにアレルギーを改善する働きがあるのではないかといわれ、動物実験が行われています。

アトピー性皮膚炎の患者の中には胃腸の水分代謝がうまくいかないことが原因で、湿疹などの症状を示す人がいます。

そういうタイプの湿疹には、トウモロコシのひげを煎じて用いると水分代謝が改善し、その結果、湿疹もきれいに治る場合があります。また、トウモロコシのひげとミカンの皮を一緒に煎じて飲むと、せきや痰にも有効です。

がんや糖尿病予防に

アメリカの研究者は世界中の統計から、トウモロコシ・マメ・コメの消費量が多いと結腸がん・乳がん・前立腺がんによる死亡率が低下することを明らかにしています。

がんを予防する物質がたくさん含まれていることも実験で分かっています。

糖尿病の予防や治療にも用いられ、のどの渇きをいやし、血糖値を下げる働きもあります。糖尿病にはトウモロコシのひげと実をスープにします。ひげはガーゼなどの布に入れ、後で除きやすいようにします。

中国では肝臓の働きをよくし、胆汁をたくさんつくる働きがあるといわれ、胆石症や胆のう炎などに用いられています。

また、トウモロコシには食物繊維やマグネシウムも豊富です。腸の運動を盛んにして便通をととのえ、腸の中をきれいに掃除します。

また、自分で採れる薬になる植物図鑑にはこんなことが書かれていました。

自分で採れる薬になる植物図鑑
野菜の民間療法的な効果を調べるために自分で採れる薬になる植物図鑑を読みました。調べることはできましたが、野草が好きな人のための本だと思います。 この本には薬になる植物243種、薬になる野菜・ハーブ34種、毒草22種が収められています。...

急性腎炎や胆石に

果実の先に房状についている毛(花柱)を、果実収穫時に手でむしり取り、天日で乾燥させる。

これを南蛮毛(なんばんもう)とよぶ。

南蛮毛(なんばんもう)には利尿作用、胆汁の分泌促進作用があるので、むくみや急性腎炎、胆石にはこれを1日量8~10gとして500mlの水で煎じ、3回に分けて服用する。

はちみつなどを入れると飲みやすい。妊婦が飲んでも問題なく、妊娠時のむくみにも有効である。

南蛮毛には血圧降下作用も認められている。果皮には食物繊維が多いため、果実を塩ゆでなどにして食べると便秘に効果がある。

むくみをとり、消化を助ける

世界一やさしい! 野菜薬膳食材事典にはこんな効果が書かれていました。こちらは「ひげ」という但し書きはありません。

世界一やさしい! 野菜薬膳食材事典
世界一やさしい! 野菜薬膳食材事典は、漢方の理論に基づいて、120種類の食材の効能が解説された本です。みんな普通の食べものばかりです。

体の余計な水分をとり除く働きがあるので、冷たい飲みものをとり過ぎたり、水がたまったように胃がチャプチャプと重いときに胃をすっきりさせる効果があります。

下半身がだるいときに、むくみを改善してくれる食材です。また、消化を助ける作用もあるので、食べ過ぎや食欲不振のときにもよいでしょう。

トウモロコシの保存方法

早く食べるに尽きます。味がどんどん落ちます。

収穫後すぐに鮮度が落ちてくるので、その日のうちにゆでて、冷めたらラップで包んでポリ袋に入れ、冷蔵保存します。

まとめ

トウモロコシは脂質が17%ありコーン油がしぼられます。コーン油は必須脂肪酸のリノール酸が多く、昔なら健康によい油として使われていました。

しかし、ここ数年はリノール酸の害が知られるようになり、あまり人気がないようです。

また、私は見たことがないのですが、とうもろこしのひげ茶というのがあるそうですよ。

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