ビタミンCがどのくらい入っているのか。野菜と果実、肉と魚についても調べてみました。すべて生(なま)の状態です。ベスト20位までです。第1位からの100gあたりの含有量を見ることでだいたいの傾向が分かります。
野菜のビタミンCベスト20
私にとってなじみのない(もしくは、見たことがない)野菜は画像が見られるようにリンクを貼らせていただきました。
野菜についてベスト20位まで出しましたが、生で100g食べるようなものは出て来ません。せいぜい、かぶの葉っぱくらいでしょうか。ながさきはくさいはあまり結球しない白菜だそうで、そのせいでビタミンCが多いのでしょう。
水かけ菜は、たまに漬けものをもらいますが、やはり八百屋さんに普通にあるものではないです。
1 | トマピー | 200mg |
2 | 赤ピーマン | 170mg |
3 | めキャベツ結球葉 | 160mg |
4 | 黄ピーマン | 150mg |
5 | 和種なばな花らい・茎 | 130mg |
6 | とうがらし | 120mg |
6 | ブロッコリー花序 | 120mg |
6 | パセリ葉 | 120mg |
9 | 洋種なばな茎葉 | 110mg |
9 | なずな葉 | 110mg |
11 | とうがらし葉・果実 | 92mg |
12 | ながさきはくさい葉 | 88mg |
12 | みずかけな葉 | 88mg |
14 | かぶ葉 | 82mg |
15 | ケール葉 | 81mg |
15 | カリフラワー花序 | 81mg |
17 | とうみょう | 79mg |
18 | にがうり | 76mg |
18 | 青ピーマン | 76mg |
20 | わさび根茎 | 75mg |
果物のビタミンCベスト20
果物についてベスト20位まで出してみました。こちらも全て生で加工していないものです。アセロラがずば抜けて多いです。ただ、アセロラは八百屋さんにめったに並びません。グァバもあまり見た記憶がないですね。
100g普通に食べるものは、キウイフルーツです。ただし、八百屋さんにいつも置いてあるのは緑肉種の方ですね。ゆずもすだちもポピュラーですが、果皮の方なので、100gも使いません。
レモンも皮つきで100g食べる人はいないでしょう。
参考まで、ランキング外ですが温州みかんを載せておきました。普段皮でなく実を食べる果物で一番ビタミンCが多いのはなんと柿でした。
1 | アセロラ酸味種 | 1700 |
2 | アセロラ甘味種 | 800 |
3 | グァバ赤肉種 | 220 |
3 | グァバ白肉種 | 220 |
5 | ゆず果皮 | 160 |
6 | キウイフルーツ黄肉種 | 140 |
7 | すだち果皮 | 110 |
8 | レモン全果 | 100 |
9 | かき甘がき | 70 |
10 | キウイフルーツ緑肉種 | 69 |
11 | あけび果肉 | 65 |
12 | いちご生 | 62 |
13 | ネーブル砂じょう | 60 |
13 | 福原オレンジ砂じょう | 60 |
15 | せとか砂じょう | 57 |
16 | 渋抜きがき | 55 |
17 | レモン果汁 | 50 |
17 | パパイア完熟 | 50 |
19 | きんかん全果 | 49 |
20 | しらぬひ砂じょう | 48 |
参 | うんしゅうみかんじょうのう/早生 | 35 |
参 | うんしゅうみかん砂じょう/早生 | 33 |
エスキモーの食べる生肉とビタミンCの話は有名です
エスキモー(今はイヌイットといわなければいけないのでしたっけ)は、北極圏に住む民族です。肉とビタミンCの関係を説明する話で、必ず出て来ます。
伝統的なエスキモーでは、食生活は狩猟によって得た生肉が中心であった。獲物は漁を中心とするエスキモーはアザラシ・クジラ等、また陸での猟をするエスキモーはカリブー(トナカイ)などである。
生肉の他は、ツンドラの原野に自生するコケモモの実などを食することもある。ただし、気候上農業は不適なので穀類を食べることはなかった。(出典)
コケモモは、昔、北アルプスの白馬岳近くで自生していたのを食べてみたことがあります。酸味が強い小さい実です。もちろん、食べればビタミンCが補給できるでしょう。しかし、北極圏でコケモモが食べられるのは1年の内わずかな期間です。
肉を煮たり焼いたり加熱するとビタミンCは壊れてしまいます。エスキモーが生肉だけ食べていて野菜を食べなくても壊血病にならないのは、生肉に含まれているビタミンCのおかげだといわれます。
それでは、エスキモーが生食していた肉と魚についてもビタミンCがどのくらい含まれているか調べてみましょう。
肉のビタミンCベスト20
少し前ですが、ビタミンCの製造方法について調べました。そのときにビタミンCを合成できない動物は少ないことを知りました。
人と霊長類はビタミンCを合成できず、その他哺乳動物の中では、モルモットとインド産の果実食性コウモリだけがビタミンCを合成できません。しかし他の動物は肝臓や腎臓でブドウ糖からビタミンCを合成できるのです。
ビタミンCは肝臓と腎臓に多い
調べたものを表にしました。すべて生です。上から見ていくと、肝臓と腎臓にビタミンCがあります。エスキモーはアザラシやカリブー(トナカイ)を食べるのですが、肝臓と腎臓を生で食べていると確かにそれほど不足することはなさそうです。
また、それほど多くないながらも内臓や筋肉にもビタミンCが存在します。ヒトはビタミンCを合成できませんが、もちろん必要なので野菜や果物から摂っています。
そのビタミンCは、きっと、うしやぶたやとりと同じように体のあちこちに存在しているのだと思います。ビタミンCは摂ったあとすぐに何かに使用されて消費されているわけではないようですね。
こういうことを知っておくことが重要です。
1 | うし肝臓 | 30mg |
2 | にわとり肝臓 | 20mg |
2 | ぶた肝臓 | 20mg |
4 | ぶたじん臓 | 15mg |
4 | うし小腸 | 15mg |
6 | ぶた子宮 | 11mg |
7 | うし大腸 | 6mg |
7 | くじらうねす | 6mg |
7 | うし直腸 | 6mg |
10 | にわとり筋胃 | 5mg |
10 | くじら本皮 | 5mg |
10 | にわとり心臓 | 5mg |
13 | うし心臓 | 4mg |
13 | ぶた心臓 | 4mg |
13 | うし第三胃 | 4mg |
16 | 若鶏肉むね皮つき | 3mg |
16 | ほろほろちょう肉皮なし | 3mg |
16 | ぶた舌 | 3mg |
16 | 若鶏肉もも皮つき | 3mg |
16 | にわとり軟骨 | 3mg |
魚介類のビタミンCベスト20
魚介類では、たらこに多いです。その他の魚介類は多くはありません。すけとうだら自体にビタミンCが多いのかどうかは分かりませんでした。
グリーンランド: その土地の食:2人の世界旅にイヌイットの食事が出ていました。魚は干して食べているようですね。
魚にもビタミンCはありますが、すけとうだらはともかく、北の海に棲む鮭にビタミンCはあまり含まれていませんので、魚はビタミンC源として期待できないと思います。
1 | すけとうだらたらこ | 33mg |
2 | ひらめ養殖皮なし刺身 | 10mg |
3 | しろさけすじこ | 9mg |
4 | あゆ天然内臓 | 5mg |
4 | みなみまぐろ脂身 | 5mg |
4 | ほたるいか | 5mg |
4 | いわし類しらす | 5mg |
4 | ひらめ養殖皮つき生 | 5mg |
4 | いがい | 5mg |
10 | くろまぐろ脂身 | 4mg |
10 | しらうお | 4mg |
10 | 子持ちがれい | 4mg |
13 | まだい養殖皮つき生 | 3mg |
13 | きびなご | 3mg |
13 | ひらまさ | 3mg |
13 | かき養殖生 | 3mg |
13 | にじます海面養殖皮なし刺身 | 3mg |
13 | やまめ養殖生 | 3mg |
13 | ほや | 3mg |
13 | くろだい | 3mg |
まとめ
野菜と果物に含まれるビタミンCはアセロラなど極端に多いものがありますが、普通に100g食べるものにはそれほど多く入っているわけではありません。
ビタミンCは抗酸化物質なので、直射日光が強い、南の果物に多いようです。日本で栽培されるものでは、果物より葉ものの方が意外とビタミンCが多いです。
光合成をするために日光を受ける必要があるので、紫外線に酸化されないようにビタミンCが必要なのかもしれません。
肉にビタミンCはそれほど含まれていないのではないかと先入観を持っていましたが、肝臓、腎臓には、温州みかんよりやや少ない程度のビタミンCがあります。もっとも肉の生食はご法度ですが。
ビタミンCについての他の記事は、ビタミンCの記事についてをご覧下さい。