卵の殻は捨ててしまっていましたが、カルシウム源として見ると、過剰摂取が心配になるほどなかなか優秀であることが分かりました。しかも味もほとんどありません。ただし、病原菌がついているので、自分でためすときは注意が必要ですよ。
続々 食べ物さん、ありがとうを読みました。このシリーズはとても読みやすく、しかもヒントに満ちていて、時々読み返すといつも何かしら発見があります。
玄米にはリンが多いのでカルシウムが必要なんだ
私は普段玄米を食べています。玄米にはリンが多いを書いたことがあり、つい最近それを思い出していたところでした。
それでリンとバランスを取るためのカルシウムについて無意識に考えていたようです。リンが増えるとカルシウムが体から出ていってしまいます。
今回読み直すと、卵の殻の話が自分の中で引っかかりました。
卵の殻を食べる話が出ていた
卵の殻を食べるなんて、考えたことがありませんでした。今まで何度か読んでいますが、印象に残っていませんでした。
先生 私の背骨の上から十三番目は、若い頃、柔道や落馬で三度も傷めつけていますし、十年前の大病でもやられています。
マラリアが攻撃をかけてくるとすれば背骨だと思って、先手を打ったのです。
サンペイ 十年前もアフリカで?
先生 いいえ、その時は帰国後の発病でした。アフリカにいるあいだは、私の体力の強さに、菌もウイルスも雌伏していたようでした。
それが、帰国後、何やかやと殺人的に忙しく、睡眠時間も思うようにとれない日々が続き、体力が弱ったとき、爆発的に活動を始めたのです。
桜美林大学(東京都町田市)へ行く小田急線の中で、急にガタガタと震えがきて、やっとの思いで大学にたどりついたら、バアーッと高熱が出て、倒れてしまったのです。
上から十三番目の骨が、今川焼きを踏みつぶしたようになっていることがわかりました。
手当たりしだいに注射を打ち、なんとか熱は下がり、背骨の病気の進行もくいとめることができたのですが、問題は、骨の再生でした。
十九、二十歳の成長盛りなら再生も可能ですが、なにぶん八十歳を過ぎていましたから、普通なら老化現象で、骨がどんどんもろくなっていく年代です。
骨の再生は、ほとんど不可能だと医者から言われました。
サンペイ で、先生は栄養学者のメンツにかけて骨を再生してみせよう、と発奮なさった。
先生 そのとおりです。そこで、骨をつくるのに必要なカルシウムを大量に補給し、ビタミンD剤を飲み、裸で日光浴をする、という作戦をたてたのです。
サンペイ 裸で日光浴というのがいいですね(笑い)。
先生 日光には、体内でビタミンDを作る作用のほか、今の科学ではまだ解明されていない、いろいろな作用がある、と私は信じています。
日光浴は、できるだけする方がいいと思います。
サンペイ カルシウムはどのくらいおとりになったのですか。
先生 食べものと薬剤の両方でとりました。枕元に煮干しとトロロコンブをおいておき、口がさびしいときは時をかまわず食べました。
それに卵のカラ、卵の中身を食べたあとのカラを、よくあらって、乳鉢ですりつぶして飲みました。
サンペイ どのくらい続けられたのですか。
先生 五ヶ月後、レントゲンをとりましたら、骨は再生し、すっかり固まっていました。主治医は、奇跡だと言っていましたよ。
卵殻カルシウムは優秀らしい
卵の殻のカルシウムについて調べ始めると、すぐにキューピータマゴのたまごの殻のひみつが出てきました。とても面白いページです。是非、読んでみてください。
特にすごいなと思ったのは以下の箇所です。
リンとカルシウムの比率は1:1が望ましいとされ、リンの割合が多いとカルシウムを体外に排出すると言われています。
しかしリンの平均摂取量はカルシウムよりも多いため、カルシウム源として摂取するものはリン含量が少ない方が望ましいと考えられます。
卵殻カルシウムはリン含量が少ないため、理想的なカルシウム源と言えます。
卵殻カルシウムにはリンが少ない
一緒に表が載せられていました。卵殻カルシウムにいかにリンが少ないか分かります。
卵殻カルシウム | 1 |
牛骨粉(焼成品) | 256 |
牛乳※ | 209 |
※「七訂日本食品標準成分表」より改編 |
タマゴ1個の殻にどのくらいカルシウムがあるのか
卵を食べた時、今までは殻は捨てていましたが、この殻にどのくらいカルシウムが含まれているのでしょう。キューピーに電話して聞いてみました。
次のように教えていただきました。
- 卵1個の重さのだいたい1割が殻の重さです。
- MサイズはJAS規格で1個58g以上64g未満です。
- 1個61gとすると、卵の殻の重量は約6g
- 殻の重量の約34%がカルシウムの重量になります。
- 従って約2gがカルシウムの重量です。
数字に多少変動はあっても、カルシウム源としては、なかなか有望です。一気にやる気になってきました。
サイトの中身も紹介させていただいたので、感謝の気持ちを込め、キユーピー 元気な骨を紹介させていただきます。もちろん、卵殻カルシウムです。お米2合に1袋ずつ入れて炊くそうです。
卵の殻からカルシウムを得るには?
われわれ日本人は生卵に醤油を入れて卵かけごはんを食べますが、卵の殻に雑菌が多いことは、小学校の家庭科や中学の保健体育でも習った記憶があります。
サルモネラ菌がいると習ったことを覚えています。
そんな卵の殻をカルシウム源にするには、加熱する必要があります。幸い、卵の殻に味がないことは今までいくつも食べてきたゆで卵から経験済みです。
新しい卵をゆでると、殻がきれいにむけないことがあり、多少殻が口に入りガリガリすることがありますね。
ゆで卵をつくってむいた殻をトースターで焼く
どなたでも考えられることだと思いますが、ここから先は、私ならこうするという話を書きます。決しておすすめはしません。ご自分でおやりになる場合はくれぐれもご注意下さいね。
まずは、沸騰したお湯に卵を入れて固ゆでのゆで卵を作ります。
殻をむいてそのまま殻を食べてしまうのはさすがに無理があります。そして、卵1個の殻から2g程度のカルシウムが摂れると考えれば、毎回食べていると過剰摂取になるでしょう。
そうすると、乾燥させて粉にした方が使いやすいです。乾燥させるには、フライパンで煎るかトースターで焼いて乾燥させると熱消毒は確実になるでしょう。
粉にするには、乳鉢を使うか電動コーヒーミルで挽いてしまうと簡単に粉にできます。乳鉢は、東急ハンズの実験器具売り場に行くと買えます。
私はカレーを作るのが趣味なので、乳鉢をホールスパイスを砕くために持っています。卵の殻ならにおいがしないので、電動コーヒーミルも使えます。
そして、できた粉1gの34%、340mgがカルシウムだと思って、測りながら加減して使うとよいと思います。
カルシウムの摂取量にはもちろん個人差があります。私の場合は、牛乳は飲まないし、煮干しも小松菜もあまり食べていません。
粉にすると、何かに混ぜてしまえばよいので使いやすいですね。
まとめ
卵の殻は約34%がカルシウムです。卵の殻にはリンが少ないので無駄の少ないカルシウム源になります。
もし、自分で卵の殻を使おうと思ったら、雑菌対策が必要です。ゆで卵の殻を使う、その殻をさらにから煎りしたり、トースターで焼いて乾燥させるなどした方が安心です。
また、カルシウムは、過剰摂取すると害があります。卵の殻には意外とカルシウムが多いので、いい加減にしないで、きちんと測りながら使うのがよいです。
ミネラルについては、ミネラルについての記事一覧をご覧下さい。