きゅうりは痛風の予防や治療に役に立つ

きゅうりは1年中よく買います。キャベツの千切りとあわせて食べるとおいしいです。トマトとも合います。しかし、きゅうりがむくみを取ったり、痛風の予防や治療に役に立つとは知りませんでした。詳しくお知らせしましょう。

きゅうり

きゅうりの選び方

ヘタの部分から先まで太さが同じものを選びます。先細りしているものは受粉が不十分で育ちが足りない証拠。

イボがある品種の場合、新鮮かどうかはイボで見分けます。しっかり立っているもの、さわると痛いくらいのものがよいでしょう。

また、表皮に白い粉がついている品種もありますが、この粉は「ブルーム」といってきゅうりが自分から実を守るために出しているものです。

また、内田悟のやさい塾 旬野菜の調理技のすべて 保存版 春夏(KADOKAWA/メディアファクトリー 2012)には目利きどころとしてこのように書かれていました。ご参考まで。

  1. なり口の肩が盛り上がっている。(注:ツルの先、きゅうりの先端のことです)
  2. 緑色が淡い。張りがあり、持つと見た目より重く感じる。
  3. 折ると汁が出て、すぐにつなぐとくっつくほど修復力が高い。

きゅうりの栄養成分

きゅうりの栄養成分は大したことがありません。カリウムとβカロテンが少しあるという程度でしょうか。イソクエルシトリンという、カリウム以外の利尿作用やむくみをとる成分が含まれ、便をやわらかくする作用もあるといわれています。

100gあたりの栄養成分
きゅうり果実生
エネルギー14kcal
水分95.4g
たんぱく質1.0g
脂質0.1g
炭水化物3.0g
カリウム200mg
カルシウム26mg
マグネシウム15mg
リン36mg
0.3mg
亜鉛0.2mg
βカロテン330μg
レチノール活性当量28μg
ビタミンD0
α-トコフェロール0.3mg
ビタミンB10.03mg
ビタミンB20.03mg
ビタミンC14mg
食物繊維総量1.1g
※日本食品標準成分表2015年版(七訂)から引用

きゅうりの効果

薬剤師であり、あん摩指圧マッサージ師でもある橋本紀代子先生の食べものはくすりにはこのように書かれていました。

食べものはくすり
野菜やくだものについて、昔の本草書に出ているような効果を解説してくれる「食べものはくすり」をご紹介します。 食べものはくすりは、大手出版社ではなく、本の泉社という文京区の出版社から発行された本です。しかし、使っている紙も含めて手間がか...

夏バテ防止に

キュウリは体内にこもった熱をさましてのどの渇きをいやし、さわやかな気分にしてくれる野菜です。水分代謝を活発にする働きもありますので、夏には欠かせない食べものです。

キュウリのぬか漬けは、ぬかのビタミンB1がキュウリにしみこみ、疲労回復に役立ちます。夏バテで胃腸の調子が悪いときには、キュウリの漬けものが整腸剤、食欲増進剤になります。

小児の下痢で、寒気がなく、熱感だけがひどい場合には、キュウリとハチミツをいっしょに食べます。

しかし、もともと胃腸の冷えている人が多食すると下痢の原因になることもあります。江戸時代の記録の中でも、少し毒があるから食べ過ぎてはいけないといましめています。

「少し毒があるから食べ過ぎてはいけない」という話が覚えておくべきことです。栄養学の歴史より人の経験則の方がずっと長いです。

むくみをとり、腎臓病や心臓病のくすりに

キュウリの九〇パーセントは水分ですが、薬効は優れています。

キュウリに含まれているカリウムなどは、体の中の余分な水分を体外に排泄するので自然利尿剤として知られ、むくみ、腎臓病、高血圧などに用いられます。

生のままかじっても利尿効果はありますが、熱を通すと、さらにその効果が高まるといわれます。

むくみには熟したキュウリの皮三〇グラムを水六〇〇ミリリットルで煎じた液を毎日数回に分けて飲みます。(中略)

高血圧や腎臓病の人は毎日の食事にとりいれるようにすると、症状の改善が期待できます。

人工透析を受けている方は、カリウムが多いので注意してくださいと書かれていました。

痛風の治療や予防に

キュウリは体内の尿酸過剰にも効果があり、尿酸値が高いために起こる痛風の治療や予防に用いられています。その場合は、ニンジンとキュウリのジュースにすると効果的です。

キュウリの中にはビタミンCを破壊するアスコルビナーゼという酵素が含まれていますが、つくりたてのジュースを服用する場合には、そのことをあまり気にしなくてもよいようです。

また、キュウリのジュースは、のどが腫れて痛む場合や歯槽膿漏のような歯ぐきの病気にも有効です。その他、爪の割れや、抜け毛の予防になるといわれます。

キュウリには抗がん作用もあり、それはククルビタシンという苦みに関係する成分によるもののようです。

また、自分で採れる薬になる植物図鑑にはこんなことが書かれていました。

自分で採れる薬になる植物図鑑
野菜の民間療法的な効果を調べるために自分で採れる薬になる植物図鑑を読みました。調べることはできましたが、野草が好きな人のための本だと思います。 この本には薬になる植物243種、薬になる野菜・ハーブ34種、毒草22種が収められています。...

薄い輪切りにして天日で乾燥させたものを胡瓜(こか)という。

成分のイソクエルシトリンに利尿、消炎効果がある。腎炎などでむくみがあるとき、胡瓜(こか)1日量10gを200mlの水で半量に煎じてかすを除き、食後3回に分けて服用する。

生の果実を食べてもよい。軽いやけどには、患部を水で冷やした後、冷やした果実を輪切りにして患部に貼る。

暑気あたりにも冷やした果実の輪切りを足の裏に貼るとよい。

きゅうりの体を冷やす効果を感じた夏

今年の夏、8月の東京は天気が悪い日が多かったですが、7月はよく晴れて暑い日が続きました。私は自転車が趣味なので、ひまを見つけてよく走ります。

走って帰ってきて昼食を食べるとき、きゅうりと生玉ねぎをよく食べました。きゅうりは好きでずっと食べていますが、今年初めて、きゅうりが体の熱を取るのをはっきり感じることができました。多分、一人で毎日のように1本食べていたからでしょう。

生野菜は体を冷やすとよくいわれますが、きゅうりは特に冷やすと思いました。気温が高く湿度が高い日には、強い日差しで頭が温められ、筋肉を動かしているので体も熱を持っていて、湿度が高いと汗が蒸発しにくいので体の中に熱がたまります。

それが、昼食を食べるとすぐに熱が引く感じがしました。これはすごいなと思う一方で、冬にきゅうりを食べていると体が温まらなくてよくないかもしれないなと思いました。

きゅうりの保存方法

保存袋に入れて、冷蔵庫の野菜室へ。過度の低温に弱いため、5℃以下のところでは腐りやすくなります。冷蔵庫の他の場所は5℃以下になると思います。野菜室で保存しましょう。

まとめ

きゅうりは、栄養成分では大したことがないのですが、むくみをとったり痛風の予防や治療に使えるそうです。栄養成分だけを見ていてはいけませんね。

きゅうりは種をまいて実をつけるまでの期間がたった1ヶ月半なのだそうです。確か朝穫って夕方また穫るなんて話を聞いたことがあります。

ここから先は余談です。

私はきゅうりが好きだし、スイカやメロンなどウリ科のものは好きなのだろうと思っていました。

昨年のこと、生産者直販のイベントがあって「キュウリと同じだよ」といわれ、ハヤトウリを大量に、たったの200円で売ってもらいました。

早速、家に帰って食べてみると、とにもかくにもみずみずしいこと。しかし、独特の後味があり、食べられないことはないですが、すごくおいしいとは感じなかったです。うりもクセがあるのだなと思いました。

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