レタスは玉にならないものの方が栄養価が高いです。レタスは包丁を使わず手でちぎること。栄養成分。期待できる効果。保存方法について書きました。
レタスはパンにはさんで食べるとおいしいです。しかし、傷みやすく、冷蔵庫の中で少し忘れているとすぐに変色してヘナヘナになってしまいます。根性がないやつだと思っていました。すまなかった・・・。
レタスの選び方と切り方
色が薄く葉がつまりすぎていないやわらかそうなレタスは、水分がたっぷりで食感がよくおいしいです。手で持ったときに、かなり重みがある上にかたいのは、葉の水分が少ない証拠です。食感がよくない場合があります。
手でちぎる
レタスを切る時は、包丁を使わずに手でちぎってください。
包丁の鉄分はレタスの切り口の酸化を強める働きがあり、変色の原因になります。炒める時も煮るときも基本的にはちぎってつかいましょう。
また、内田悟のやさい塾 旬野菜の調理技のすべて 保存版 春夏KADOKAWA/メディアファクトリー 2012)には目利きどころとしてこのように書かれていました。ご参考まで。
- 芯が10円玉大で丸く中心にある。
- 緑色が淡く葉脈がはっきり。緑色の葉がついていないものは避ける。
- ふんわりとゆるく巻き、重すぎない。
レタスの栄養成分
レタスの栄養成分について調べてみました。普通のレタスは結球葉生と書かれているものです。サラダなは、一時、植物工場が話題になったときによく出て来ました。
結球しない方が栄養価が高い
栄養成分を見ると結球しない、玉にならない方がずっとカリウムやβカロテンが多いことが分かります。調べてみてよかった。
結球するものの方が重さがあるので栄養価が高いのかと思っていました。
レタス 土耕栽培 結球葉生 | サラダな 葉生 | リーフレタス 葉生 | サニーレタス 葉生 | |
エネルギー | 12kcal | 14kcal | 16kcal | 16kcal |
水分 | 95.9g | 94.9g | 94.0g | 94.1g |
たんぱく質 | 0.6g | 1.0g | 1.4g | 1.2g |
脂質 | 0.1g | 0.2g | 0.1g | 0.2g |
炭水化物 | 2.8g | 2.7g | 3.3g | 3.2g |
カリウム | 200mg | 410mg | 490mg | 410mg |
カルシウム | 19mg | 56mg | 58mg | 66mg |
マグネシウム | 8mg | 14mg | 14mg | 15mg |
リン | 22mg | 49mg | 41mg | 31mg |
鉄 | 0.3mg | 2.4mg | 1.0mg | 1.8mg |
亜鉛 | 0.2mg | 0.2mg | 0.5mg | 0.4mg |
βカロテン | 240μg | 2200μg | 2300μg | 2000μg |
レチノール活性当量 | 20μg | 180μg | 200μg | 170μg |
ビタミンD | 0 | 0 | 0 | 0 |
α-トコフェロール | 0.3mg | 1.4mg | 1.3mg | 1.2mg |
ビタミンB1 | 0.05mg | 0.06mg | 0.10mg | 0.10mg |
ビタミンB2 | 0.03mg | 0.13mg | 0.10mg | 0.10mg |
ビタミンC | 5mg | 14mg | 21mg | 17mg |
食物繊維総量 | 1.1g | 1.8g | 1.9g | 2.0g |
※日本食品標準成分表2015年版(七訂)から引用 |
レタスの効果
薬剤師であり、あん摩指圧マッサージ師でもある橋本紀代子先生の食べものはくすりにはこのように書かれていました。
精神安定剤として
レタスはアクの多い野菜です。アクは一般にじゃまもののような扱いを受けますが、生野菜やジュースとして用いる場合にはこのアクが非常に有用で、薬効のもとになると考えられています。
レタスの茎を切ったときにでる白い汁の中には鎮静作用、催眠作用などを持つ成分が含まれています。
神経が高まるのを防ぎ、よく眠れるような働きをしますから、夕食にサラダやジュースにするとよいようです。
レタスジュースは、レタス半個(約一五〇グラム)を用意し、水洗いします。(中略)水をきってからジューサーにかけます。芯の部分も使いましょう。レモン汁を少し加えると飲みやすくなります。
ビタミンA、B1、B2、Cなどのほかカルシウムや鉄分も含みます。
母乳とレタス
レタスを食べると母乳の出もよくなるので、授乳中に適した野菜です。現代は飽食のため、乳腺がつまり母乳がでなくなる人が多いのです。
レタスは乳腺炎のもとになる乳腺のつまりを除く結果、乳汁分泌をよくします。授乳中は、火を通したものをたくさん食べる方がよく、レタスの煎じ液もおっぱいの出をよくします。
そのほかレタスには、便通をよくする働き、利尿作用、胸モヤモヤを除く働きなどがあります。
世界一やさしい! 野菜薬膳食材事典にはこんな効果が書かれていました。
ほてりを鎮め、夏バテ解消
ほてりを冷ます効果があり、体にこもった熱をとってくれるので、夏バテで食欲がないときに、積極的にとりたい食材です。
また、更年期のほてりの改善や、冬でも暖房がきいていると顔がほてってしまう、のぼせやすい人にも向きます。
エドガー・ケイシーとレタス
エドガーケイシーの本にもレタスについて書かれていたのを思い出しましたが、本棚から本を発見できません。書名が分かり次第更新します。
ネットで調べるとエドガー・ケイシー学園の記事で、生のレタスをもっと食べましょうという記事がありました。詳しくはリンク先をご覧下さい。
「ほとんど全ての人間は、常にレタスをたくさん食べるべきだ.というのは、レタスを食べることで、血の流れそのものの中に、ある種の磁気素(訳注:他の物質を吸いつける性質だと思われる)ができる。そして、その磁気素が、血流を攻撃するほとんどの影響力を破壊する力を持っているのだ。だから、レタスは浄化力をもっているといえる」404-6
「昼食―できれば、全て緑の野菜から成る食事がいい。緑の野菜というのは、レタスや、レタスのようなもの。そしてその他、同じ食事で食べるべきものは、レタス以外では、全身を浄化する効果をもたらすようなものがいい。
夕食―よく調理された野菜が好ましい。しかし、地下で育った野菜1に対して、葉っぱものか豆類など、地上で育った野菜2の割合でとること」757-3
ちなみに、ロメインレタス、グリーンレタス、リーフレタス、レースレタスといった玉にならないレタスのほうが、より勧められますとのことです。
レタスは古代ローマ帝国時代には生で食べられていた唯一の野菜
サラダの歴史を読みました。翻訳本ですが、実にマニア受けする本です。シリーズになっていて面白い本が多いです。
レタスは古代ローマ時代から、唯一生で食べられた野菜なのだそうです。こういう話は面白いです。特に、エドガー・ケイシーの話の後に読むと、とても興味深いです。古代のレタスはロメインレタスに近いものだったそうです。
ほかの野菜は人の健康に害を与えるような成分を何かしら含むと考えられていたが、レタスだけは違った。
少なくとも古代ローマ帝国の時代には、哲学者や随筆家、歴史家たちがすでにレタスの価値を認めていた。当時、レタスは生で食べるのが一般的だった唯一の野菜だった。(中略)
レタスが栽培されたものか野生のものか、また、どのように食べられたかとは関係なく、それを食べた貴族たちや調理した料理人たちは、この野菜には薬としての効果があるという理由から、その価値を認識していた。
博識のガレノスはこう述べている。「すべての食べ物のなかで、最高の野菜汁をもつのがこれである。そして、もし実際にこの野菜が血液を増やす性質をもっていたとしても、ほかの体液を増やすことはない」
血液?体液?現代の読者にとって、ガレノスのレタスに関するこうした料理とは関係のない観察と結論は謎に思えるだろうが、古代には、これは医学的理論から導き出される論理的な観察だった。
現代人は食べ物のことを個別に考えることが多く、食餌療法、医学、生理学、哲学を総合的にとらえた複雑な体系の一部として考えることはない。
しかし、人体の複雑なメカニズムが理解される以前の古代社会では、食べ物は単純に食べ物としてだけ考えられていたわけではなかった。
すべての食べ物は「四体液説」― 人の体がどのように機能しているかについての当時の主流の理論 ―の構成要素とみなされた。(中略)
ガレノスの本からわかるのは、レタスは野菜のなかでも特別な位置を占めるということだ。
彼のレタスの称賛ぶりは注目に値する。そして同じように注目すべきは、レタスはたいてい生のまま、オリーブオイル、ガルム、酢を組み合わせたある種のドレッシングとともに食べられると書いていることだ。
言ってみれば、現在のグリーンサラダとそう変わらない。(中略)
生の果物や野菜には「冷」の性質があるため、当時の医学思想ではあまり食べないほうがよいとされていたが、ガレノスはレタスを「最高の野菜汁」が含まれる食べ物とみなしている。(中略)
ガレノスによれば、レタス― 生のものでも加熱したものでも ―は、体のバランスと健康を回復する助けになった。
そして、どちらかといえば特定の食べ方をするときにその役割を果たすことが多いと考えられた。たとえばガレノスが葉を悪くしたとき、彼はレタス(花と実がなる前のもの)をゆでてから食べると効果があることに気がついた。
そして、レタスを夜に食べることが、不眠を解消する唯一の方法になったとも打ち明けている。
ガレノスは、ローマ帝国時代のギリシアの医学者です。ウイキペディアに詳しい説明がありましたのでお知りになりたい方は、リンク先を参照してください。
ガルムは、古代ローマの魚醤です。魚の内臓を細切れにし、塩水に漬けて発酵させて作ります。
レタスはゆでるとヘナヘナに小さくなってしまうのですが、こんな昔から生食すると体によいといわれていたとは。知ってよかったと思いました。
ロメインレタスが安くてうまい
この記事を書いてから、結球していないレタスをよく買うようになりました。近くにある市場に行くと、ロメインレタスをローメンレタスと書かれた札をつけて売ってます。
結球する普通のレタスやサニーレタスに比べて人気がないらしく、とても安い。葉が大きく重量があるのに50円くらいでいつも売っています。
私はいつも生で食べるけど、炒めてもおいしいとお店の人がいっていました。
レタスの保存方法
内田悟のやさい塾 旬野菜の調理技のすべて 保存版 春夏(KADOKAWA/メディアファクトリー 2012)にはこのように書かれていました。
袋から出して新聞紙に包み、霧を吹いて冷蔵庫へ。半分に割って使う場合は、芯に包丁を入れ、ふたつ割りにして保存。4~5日で食べきる。
まとめ
レタスは、結球しない玉にならないものが、栄養価が高いことが分かりました。βカロテンが思いのほか多いのにはビックリしました。
ビタミンCも結球しないものの方が多いです。
結球すると内部は日光から守られますが、リーフレタスは日に当たります。紫外線によって酸化されないように抗酸化物質が増えるのでしょう。
レタスはずっと根性がないやつだと思っていてすまなかった。これから買うことが多くなりそうです。