ほぼ毎日納豆を食べるので、長ネギを切らしたことはありません。味噌汁にも使います。八百屋さんに泥つきネギがあるときは、日持ちするのでそちらを買います。
白ネギと青ネギ、栄養価を比較しましたが、ずいぶん違いますね。
長ネギの選び方
農家に教わる野菜ごはん(池田書店 2012)によると。
白い部分がかたく、中身がつまっているものがおいしい長ネギです。
鍋の具材にする場合は太くて白い部分の多い長ネギを、薬味に使用する場合は、細くて緑の部分が多い葉ネギを選びます。旬は11月~12月です。
長ネギの使い方
長ネギの白いところと緑のところ、どちらを使いますか?私は北国で生まれ育ったので、白い方が普通に使う部分で、緑のところは捨てるのがもったいないので「仕方なく」使うところだと思ってきました。
これはずいぶん昔、テレビでみたことがあるのですが、確か中部地方が境界になり、それよりも東は軟白栽培の白い部分が多い根深ネギを使い、西は青ネギ(葉ネギ)を使うのが一般的です。
ラーメンやそばなど、麺類に入れる薬味のネギでよくわかります。
長ネギの栄養成分
長ネギを3種類調べました。カリウムについて種類による差があります。葉ネギは、もちろん関西より西で使われている青ネギです。β-カロテンの量もそこそこあります。日に当てているせいか、栄養成分が多いです。
あさつき葉生 | 根深ねぎ葉軟白生 | 葉ねぎ葉生 | |
カロリー | 33kcal | 34kcal | 30kcal |
水分 | 89.0g | 89.6g | 90.5g |
たんぱく質 | 4.2g | 1.4g | 1.9g |
脂質 | 0.3g | 0.1g | 0.3g |
炭水化物 | 5.6g | 8.3g | 6.5g |
カリウム | 30mg | 200mg | 260mg |
カルシウム | 20mg | 36mg | 80mg |
マグネシウム | 16mg | 13mg | 19mg |
リン | 86mg | 27mg | 40mg |
鉄 | 0.7mg | 0.3mg | 1.0mg |
亜鉛 | 0.8mg | 0.3mg | 0.3mg |
銅 | 0.09mg | 0.04mg | 0.3mg |
βカロテン | 750μg | 83μg | 1500μg |
レチノール活性当量 | 62μg | 7μg | 120μg |
ビタミンD | 0 | 0 | 0 |
α-トコフェロール | 0.9mg | 0.2mg | 0.9mg |
ビタミンB1 | 0.15mg | 0.05mg | 0.06mg |
ビタミンB2 | 0.16mg | 0.04mg | 0.11mg |
葉酸 | 210μg | 72μg | 100μg |
ビタミンC | 26mg | 14mg | 32mg |
食物繊維総量 | 3.3g | 2.5g | 3.2g |
※日本食品標準成分表2015年版(七訂)から引用 |
硫化アリル
ネギの仲間などユリ科の植物に含まれるイオウ化合物の一種です。さまざまな種類がありますが、代表的なのがアリイン。
酵素の働きによってアリシンにかわり、ビタミンB1と結合して、糖質からエネルギーをつくるビタミンB1の働きを持続させます。
このほか抗菌作用や抗酸化作用も高く、血栓を予防する働きもあります。
長ネギの効果効能
薬剤師であり、あん摩指圧マッサージ師でもある橋本紀代子先生の食べものはくすりにはこのように書かれていました。
食べる精神安定剤
芳香のある野菜には多かれ少なかれ「気」のめぐりをよくする働きがみられます。「和風ハーブ」でもある長ネギは「食べる精神安定剤」ともいわれ、なかなか寝つけない、眠りが浅い、悪い夢をみる、早く目覚めてしまうというようなときに用いて効果があります。
揮発成分である精油が鼻から吸収され、よく眠れるようになります。イライラするなどの症状にも、ネギにおかかをまぶしてしょうゆで味つけして食べたり、納豆や豆腐などにネギを薬味として多めに用いて食べると心が落ちつきます。
カゼの妙薬
ネギは、「葱白」(そうはく)という名前で漢方薬に用いられます。発汗・解熱、健胃作用のほか、のどの痛みやせきをしずめる働きもあります。
カゼの初期にきざみ長ネギ、おろしショウガ、梅干し、カツオブシなどにみそを加え熱湯を注いで飲むと、気持ちよく発汗してカゼが飛んでいきます。
漢方薬や新薬のカゼぐすりといっしょにネギやショウガなど薬味いっぱいの熱いうどんや雑炊などをすすり、暖かくして休むと、くすりの効果を高めます。
解毒作用
漢方の薬物書には、ネギは「一切の魚肉の毒を殺す」と書いてあります。魚のたたきや肉料理にネギを用いると、生ぐさみを除き、食あたりの防止にもなるからです。抗酸化物質も多く、胃がんなどのがんの発生率を抑えるともいわれます。
冷えがもとになった腰痛には、ネギとショウガの湿布が有効です。ネギの煮汁を風呂に入れると、体が温まり、神経痛やリウマチの薬湯になります。
漢方では大便や小便、そして発汗がスムーズなときは、病気にならないと考えています。ネギには利尿作用、発汗作用、便通をよくする作用がそろっています。
普段の食事にネギを用いていると、自然治癒力が増し、いろいろな病気にかかりにくくなります。タマネギと同様に血栓を防止する働きも認められています。
また、自分で採れる薬になる植物図鑑にはこんなことが書かれていました。
かぜの初期には、葉鞘の白い部分10gをみじん切り味噌とおろしショウガを加え、熱湯を注いで寝る前に飲むと、発汗作用で熱が下がり治りを早める。
のどが痛いときは白い部分を縦半分に切って熱湯に浸し、ガーゼに包んで内側がのどに当たるように巻いておく。
アリインは消化を助け血行を促すので、夏バテなどで食欲のないとき生食すると効果がある。ビタミンB1の吸収を助けるので疲労回復にも効果がある。
寒気を追い払い、熱を下げる
世界一やさしい! 野菜薬膳食材事典にはこんな効果が書かれていました。
辛みが体を温めます。寒気を追い払う効果があるので、風邪のひき始め節々が痛むときに最適な食材のひとつです。
炎症による熱や腫れを改善し、毒素を除く作用もあります。また、冷えると腹痛を起こす人や、関節や筋肉が痛む人にもよいでしょう。
長ネギの保存方法
泥つきのものは新聞紙に包み、日の当たらない涼しい場所で保存する。カットしたものは新聞紙を湿らせたものに包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室へ。
これはよく経験することですが、泥つきを買った方がずっと長持ちします。泥を洗う手間だけかかりますが、買うなら泥つきの方がよいですよ。
また、きざんで冷凍保存しておけばいつでも使えて便利です。ただし、1ヶ月を目安に使い切りましょう。
まとめ
鴨南蛮に一部分を焼いた白ネギが入っていますが、おいしいですね。私は納豆にはネギとしょう油とカラシしか入れません。しかし、緑の部分の方がずっと栄養があることが今回わかりました。
いつも緑の部分も使っていますが、今日から感謝の気持ちを込めて使えそうです。