カレー好きならご存知かもしれませんが、2003年からずっとロングセラーの本、カレーな薬膳についてご紹介します。写真はほとんどでて来ませんが、読んで楽しく作っておいしい本です。
本のタイトルに入っていた「薬膳」に反応した
2003年の秋に突然、カレーを作ろうと思い立ち、八重洲ブックセンターで買ったのが、カレーな薬膳でした。ちょうど2003年5月に出た本でした。
なぜ、カレーを作ろうと思ったのか覚えていません。
ただ、ちょうど年齢が厄年だったので、そのせいか、体の調子があまりよくないなと自覚していました。タイトルにある「薬膳」にまず目が行きました。
それまでは、インドネシアのカレーにはまってお店に通ったことはありますが、普通にカレールゥーを買って来て作るだけでした。カレーは割とお腹にくる重たい食べもので、カロリーは高いものだと思っていました。
もちろん、カレールゥーで作るならその通りです。
薬膳カレーのレシピ集
ところが、読み始めると、最初から魅力的なことがどんどん出てきます。
胃にもたれない
本格的なインド料理から家庭的なカレーライス、そば屋のカレーにカレー南蛮、はてはカレーまんやナンカレードッグといったファストフードに至るまで、日々さまざまな形態のカレーを口にしている日本人に自信を持っておすすめできる、つまりは満足するまで食べても胃にもたれず、すぐにまた食べたいという気分にしてくれるインドカレーがあるだろうか。
ある。南インドのカレーである。
当時まだ南インドのカレーがよく知られていなかった時に、その魅力を教えてくれる本だったのです。今はお店を紹介する記事を読んだとき「南インド」と書かれていることが珍しいものではなくなりました。
この本を買った頃、よく調べ物をしに大きな図書館に行っていましたが、昼に食堂で食べるカレーは学食っぽくて懐かしい味でした。しかし、あとで必ず胃にもたれるのです。
短時間でできる
調理法についても、日本の家庭でつくるカレーライスはおろか、日本国内にあるさまざまなエスニックなカレー専門店とも詳細において異なる部分が多い。
たとえばたまねぎを使う場合、細かいみじん切りにしたりあめ色になるまで長時間じっくりと炒めるなどどこ吹く風、かなり大ざっぱな切り方だったり炒め加減も浅くて軽いことがしばしばだ。(中略)
調理時間にしても、材料を切り始めてから十五分から二十分でできあがるカレーもざらなので、これまた実態を知らない人は目を丸くするに違いない。
これを読めば、よし、作ってみようという気になっていきます。カレールゥーで作るときは関係ありませんが、お店で出てくるカレーが、大量のタマネギをみじん切りにして時間をかけて炒めたものをもとに作られるのは常識です。
健康に役立つ
著者の体験談が出ていました。
さらに南インド流カレーの即効力は便秘解消だけではない。腸内をきれいにもしてくれるのだ。サンバルやラッサム、ダルなどを食べると黒くて重ったるいウンチが大量に出ることがある。
これは宿便である。こいつが腸内にこびりつくと体内に毒素がたまり、体調維持ができない。
生活習慣病のほか、ぜんそくやアトピー性皮膚炎といたアレルギー疾患にも宿便はたいへんよくないといわれる(実際私はアレルギー体質であり、以前はひどいアトピー性皮膚炎でもあった。幸いにもアトピーが劇的によくなるきっかけがあったが、そのとき大量の宿便が出たことを今もはっきりとおぼえている。もちろん、サンバルやラッサムを常食していたのはいうまでもない)。
宿便とりは健康増進のための大事な要素のひとつといえるが、反面、なかなか実現がむずかしいものでもある。
それが南インド流の薬膳カレーをたべることで、容易に可能になるのだからありがたい。宿便が出て便秘も解消。その後ウンチがプカプカと浮くくらいに軽くなるはずだ。
これこそ健康づくりの第一歩である。
サンバルはウイキペディアに説明があります。
また、ラッサムも同じようにありました。
健康についての効果は個人差があると思います。しかし、ここまで書いてあると、もう頭の中は、どうやって材料を手に入れるのか考え始めていました。
レシピが魅力的
普段、健康維持に気をつけている方にとってこの本に出てくるレシピは魅力的です。病退治篇と、体力増進篇と、女性の味方篇に分かれています。
タイトルだけ、それぞれ一部ですがご紹介しましょう。
病退治篇
- 肝機能を高める
- 動脈硬化にならないために
- 血液をサラサラに
- 糖尿病に
- 痛風予防
- 胃腸スッキリ
- 腰痛になったら
- アトピー対策
体力増進篇
- 夏バテには
- 食欲増進・疲労回復
- 滋養強壮そのほか
女性の味方篇
- 便秘解消
- 冷え性に
- 利尿作用とむくみ解消
- 貧血退治
- 更年期対策
作ってみようと思いませんか?材料を買いに行くなら都内には専門店があります。
材料を買いにアメ横の大津屋さんに行った
それまで普通のカレールゥーを買って来て作るだけだったので、材料をどこで買えばよいのかわかりませんでした。今なら、ネットで簡単に買えます。
ネットで調べて、アメ横の摩利支天下で営業している大津屋さんを知りました。買いに行って本を片手にいろいろ教えてもらったのを懐かしく思い出します。
初めてスパイスを揃えてカレーを作ろうと思ったときは、大津屋さんのような専門店に行って聞きながら材料を買うとよいと思います。
アメ横センタービルの野澤屋さん
アメ横センタービルB1の野澤屋さんにもスパイスを始め、ムング・ダルなどの材料があります。その時々で値段が多少変わるので、行ってみるとよいです。
合羽橋の本間商店さん
現在、使うスパイスはGABAN専門です。少しだけ高いですが、香りがよいので、サイズの大きいものを買って来て冷凍庫に入れて保存しています。
合羽橋の本間商店さんは、私の知る限りGABANのスパイスの在庫が豊富で一番安いです。ネットの通販で買うよりかなり安く買えます。
買い物に行く時は、東京メトロに乗り換える駅で、東京メトロ24時間切符(600円)を買います。これは外国人観光客に教えてもらいました。
最初に作ったのは、ムングダルカレーです。
その後、チキンカレーも作りましたが、これもおいしかった。ムングダルカレーとチキンカレー、オニオンとトマトのアチャールが私の定番です。
まとめ
カレーな薬膳を買った2003年に比べて、気候がずいぶん変わりました。夏が長くなり、高温多湿が当たり前になりました。こんな時はカレーに限ります。
私は渡辺玲さんの本は他にも何冊か買っていますが、この本が一番好きです。2003年から絶版にならず、一時入手しにくい時期もありましたが、15年間ロングセラーの本です。
渡辺玲さんは、カレーのレッスンもしています。
私は晶文社の本が好きで、学生時代から植草甚一スクラップブックを買い集めていました。
カレーな薬膳を手に取った時、へえー、晶文社も料理に関係する本を出すんだと表紙についているサイのマークを見ながら思ったものです。