クローブ(丁子)の効果:カレーに使うスパイス

クローブ(丁子)の効果は、胃腸や泌尿器系を温める。歯痛を抑える。防腐効果があります。

クローブ

クローブは丁子、丁字(ちょうじ)、丁香(ちょうこう)とも呼ばれます。独特の芳香があります。かなり強い香り。

私は渡辺玲さんのカレーな薬膳を長年教科書にしているので、チキンカレーを作る時にクローブを使います。カレーな薬膳については、カレーな薬膳はレシピ本としても読み物としても楽しいで詳しく紹介しました。

また、週に2~3回食べに行っていた神保町のエチオピアのチキンカレーにも入っていました。

エチオピア@お茶の水
調子がよくない時はカレーに限る。暑い寒いは関係ない。体力が落ちている時には、刺激を与えて体温を上げた方がよいのだ。以前、寒い季節に風邪を引いた。味噌ラーメンを食べたが体がすぐに冷えた。ところが、翌日エチオピアのチキンカレーを食べたら、腹の中から温まり、背中が楽になり、急激に体調がよくなった。

クローブにはどんな効果があるのでしょう?

口臭を消す、胃腸系、泌尿器系を温める

ハーブ&スパイス事典: 世界で使われる256種を読むと大まかにまとめられています。

最も古い記録は古代中国の文献にあり、宮廷の役人たちは皇帝に話しかける際、クローブを口に含んで口臭を消したといわれている。

アメリカでは焼きハムの周りに添えたり、ドイツではパン生地に加えるなど、さまざまな味の料理に使用。インドネシアではタバコの葉にクローブを合わせた香り高いタバコが好まれている。

インドでは、歯が痛いときに口に含んで痛みを抑えることも。胃腸系や泌尿器系を温める生薬として、しゃっくりや嘔吐、下痢、腹部の冷えや疝痛に処方される。

精油成分には鎮痛のほかに防腐作用があり、食用以外にもタンスの芳香剤代わりに用いることもある。

クローブはびっくりするくらい芳香が強いので、口臭を消すために使われていたのはよくわかります。

歯痛を抑える鎮痛作用がある

世界一やさしい! 野菜薬膳食材事典にはこんな説明がありました。体を温めるスパイスに分類されていました。

世界一やさしい! 野菜薬膳食材事典
世界一やさしい! 野菜薬膳食材事典は、漢方の理論に基づいて、120種類の食材の効能が解説された本です。みんな普通の食べものばかりです。

和名は丁香(ちょうこう)。肉料理の風味付けやカレー、マルド・ワイン(クローブ、シナモン、オレンジピールなどを加えて温めたワイン)に使われます。

抗菌、鎮痛作用があり、歯痛にも用いられます。おなかを温めて吐き気を鎮め、冷え性にも。

私はほとんど使った記憶がありませんが、昔からある歯痛薬に今治水(こんじすい)があります。この主成分がクローブです。昔はむし歯の子どもが多かったので、小学校の保健室にありました。

芳香はオイゲノール

さらに薬のルーツ”生薬” -科学的だった薬草の効能-を読むともう少し分かりました。

麻酔効果を発揮する植物には、「今治水(こんじすい)」として知られる市販の歯痛外用薬に用いられているチョウジがあります。

日本では丁子(ちょうじ)や丁香(ちょうこう)とも呼ばれ、5~6世紀には渡来していたようです。

チョウジには、特有の臭いがありますが、この香気は主成分のオイゲノールによるものです。「今治水」にも使われているチョウジ油の精油成分オイゲノールには、鎮静、鎮痙、局所麻酔作用、さらに抗菌作用もあることがわかっています。

鎮痛というのは麻酔と同じことで、一時的に痛みを抑えるだけです。

しゃっくりに効果がある

丁宗鐵先生編著のスパイス百科 ~起源から効能、利用法まで~にはこのように書かれていました。

医薬品と密接に結び付くオイゲノールを含むクローブは,洋の東西を問わず,薬としてさまざまな疾患に用いられた.身体を温める作用,鎮痛,鎮痙作用をはじめ,芳香性健胃薬として消化不良・嘔吐・下痢・腹部の冷痛などにしようする.

また吃逆(しゃっくり)や嘔気にも有効性があるとされ,クローブ(チョウジ)を配合した漢方薬の柿帝湯は,吃逆の特効薬である.

食薬以外の用いられ方として,江戸時代にはチョウジ油を刀の錆止めとして利用していた.なお,クローブの香りは歯医者の香りともいわれるが,歯科領域においてチョウジ油は口腔内消毒,防腐,歯痛抑制に欠かせない医薬品でもある.

クローブは,食薬の両面から使用されるもので,我が国の薬局方では,チョウジ末,チョウジ油として収載されている.

世界各国でクローブの研究が盛んに行われ,その生物活性を列挙するには枚挙にいとまがない.最もよく知られた作用は,スパイスに共通する抗菌作用と抗酸化作用である.

その他,麻酔作用,鎮痛,抗がん作用,抗炎症作用,胃運動促進作用,抗ウイルス作用などの報告が多数ある.

これらの作用のほとんどが,精油成分のオイゲノールによって説明できるとされるが,クローブにはバニリン,タンニン,フラボノイドなども含むので,新たな薬理活性が見いだされる可能性がある.

まとめ

初めてクローブを買ってきて袋を開けたとき、においをかいで「薬だ」と思いました。どこかでかいだことがあるにおいなのですが、思い出せなかった。

あとで歯痛をなおす今治水と知って、そうだそうだと思い出したのでした。においの記憶はなかなか長持ちします。

ところで、クローブ(ホール)は頻繁に使うスパイスではないですが、私はいつも香りがよいのでGABANの100g入りを買います。割安だからです。そして冷凍庫に保存しています。余裕で2年以上持ちます。

ネットで買うのもよいですが、乾物屋さんやカルディのような輸入食料品店で注文して取り寄せてもらえます。こちらの方が、送料がかからないので安く買えます。

スパイスカレーについては、スパイスカレーを自分でつくって食べようを読んでみて下さい。

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