クロレラとはどんなものか?

クロレラは戦後日本の食料危機を救うタンパク源として大量培養が研究されました。実際、クロレラの栄養成分の半分以上はタンパク質です。クロレラに含まれるクロレラ成長促進因子と呼ばれる物質は、生物の成長を促進し、乳酸菌の増殖速度も上げます。子供の頃知ったクロレラヤクルトは、この物質に由来します。

クロレラ

ミドリムシの仲間がつくる地球環境と健康 シアノバクテリア・緑藻・ユーグレナたちのパワーを読みました。

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クロレラは戦後食料危機の解決策として研究された

クロレラはよく知られる藻類でした。敗戦後の日本の食料危機を解決するため、タンパク源として大量生産できるように研究されました。

1890年にオランダのバイリンンク博士によって発見され,クロロス(緑色)とエラ(小さなもの)からクロレラと命名されました。

かつては,日本で最もよく知られる藻類でした。湖,池,河川,水溜まりなど身近に生育していますが,すぐれた耐塩性をもつ種が,海域からも単離されることがあります。

クロレラは円形または楕円形で,大きさは2~10μm程度です。増殖速度の速い株を選べば,倍加時間(細胞が2倍になる時間)が2.5~3時間であり,最も増殖速度の速い藻種の一つです。

クロレラの可能性について最初に注目したのはドイツでした。1917年にクロレラを大量生産してタンパク質を得るという構想を発表しました。

わが国では,第二次世界大戦後(1948年),GHQとアメリカ・カーネギー研究所が戦後日本の食料危機の解決策として,クロレラをタンパク質源とするために,東京大学の田宮博教授にクロレラ大量生産の研究を要請しました。

そして,1951年に徳川生物学研究所でクロレラの大量生産の研究が始められました。

1957年には,科学技術庁の援助により,(財)日本クロレラ研究所が創設され,東京都国立市にて直径12mの円型栽培池によりクロレラの屋外大量栽培法が確立されました。

その後,台湾(特に台中)で大規模な屋外栽培施設が多く建設されました。

後述するように、クロレラということば自体は、子供の頃から知っていましたが、いつから日本にあったのだろうと思っていたのです。これで、一気に解決しました。食料危機を解決するタンパク源なのでした。

実際に栄養成分を分析した文献を探してみました。

クロレラの栄養成分

ネット上を念入りに検索してみると、高品質クロレラ生産のための高密度タンク培養技術の確立という論文を発見し、そこに成分分析表がありました。

ただ、この論文で紹介されている培養技術は、太陽光による光合成に頼った屋外での培養方法ではありません。栄養を与えて取り込ませる方法なので、栄養成分は太陽光によるものと違いがあると思います。

しかし、一般的傾向として、クロレラの栄養成分を知ることができると思います。

タンパク質が多くビタミンミネラルもほとんど1日分を満たす

上に書いた通り、何しろタンパク質が多いのが特徴です。ドイツでタンパク質を得るために培養することが考えられただけのことはあります。

そして、ビタミンB1、B2、B6、鉄、マグネシウム、ビタミンE、葉酸、ナイアシン、ビオチン、パントテン酸、ビタミンKなど成人男女の1日必要分を十分に満たしています。

すごいですね。

クロレラ(C.regularis S-17)乾燥100gの 栄養成分(出典
タンパク質 61.8g
脂質 12.1g
粗繊維(食物繊維そのものではない) 3.6g
灰分 7.4g
炭水化物 11.2g
水分 3.9g
(クロロフィル 3.6g)
(カロテノイド 0.72g)
カリウム 1420mg
リン 1900mg
マグネシウム 380mg
73mg
カルシウム 128mg
ナトリウム 57mg
マンガン 18mg
亜鉛 2mg
ビタミンB1 1.7mg
ビタミンB2 5.1mg
ビタミンB6 2.2mg
ビタミンC 26.1mg
ビタミンE 23.2mg
ビタミンK1 14mg
パントテン酸 21mg
ナイアシン 30.7mg
イノシトール 530.1mg
コリン 305.3mg
葉酸 1.2mg
ビオチン 0.3mg
ユビキノン 49.2mg

栄養成分の他に、クロレラには生物の成長を促進させる働きがありました。

クロレラCGF

クロレラにある他の生物の成長を促進させる物質が、ヤクルトの乳酸菌の培養期間短縮と、強力な乳酸菌育種に役立ちました。

クロレラの生理作用を述べる際に必ず最初に出てくるのがCGF(クロレラ成長促進因子)です。生物の成長を促進させ,衰えた細胞を若返らせる作用をもつ物質で,糖ペプチドと考えられています。

クロレラ藻体を熱湯で抽出したクロレラエキスをマウスに与えたさまざまな研究の結果,クロレラエキスが成長を促進するという事実が分かりました。

ところが,それがどういった物質の作用なのかがはっきりしませんでした。そこで,クロレラに含まれている成長促進物質ということでCGFと呼びました。

このCGFは動物の細胞を元気にさせるだけではなく,酵母や乳酸菌の成長も促進することが報告されていました。

クロレラヤクルト

長年の謎、クロレラヤクルトの謎が解けました。

1935年(昭和10年)に販売が始まった乳酸菌飲料の「ヤクルト」ですが,その乳酸菌(シロタ菌)の培養期間短縮や強力な乳酸菌育種のためにクロレラを利用しました。

そして,1960年に商品名を「クロレラヤクルト」と改め,容器がビンからプラスチック容器に変更された1968年まで使われました。

クロレラって、子供の頃からことばだけは知っていた

私の記憶の中では、「クロレラヤクルト」がクロレラということばを知った一番最初だったと思います。

当時、プロ野球のヤクルトスワローズは、ヤクルトアトムズだったと思います。キャラクターが鉄腕アトムでした。

プロ野球球団のヤクルトを調べてみると、1970年にヤクルトアトムズになり、1973年にヤクルトスワローズになっていました。(出典

その頃、クロレラがどのようなものか知りませんでした。ただ、鉄腕アトムと関係があってヤクルトみたいにお腹に関係があるものだろうと何となく思っていました。

まとめ

ここ数年、天候が安定せず、毎年のように災害が起きます。その時に必ず非常食のことが話題になります。

野菜を育てるには結構な時間がかかりますが、藻なら短時間で増殖し、葉緑体を持っているので、ミネラルがあれば培養できます。

しかし、現在、このようなものはサプリメントや健康食品の扱いなので、食べ方(飲み方?)も価格も、正直なところ価値がよくわからないです。

ただ、生きていくための食料を得る方法だと考えると、藻を培養することはなかなか魅力があります。一家に一台ではないですが、培養キットがあってある程度の食料をまかなえると面白いなと思います。

もう少し調べてみます。

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