ポーリング博士のビタミンC健康法

ポーリング博士のビタミンC健康法は、お手軽なタイトルとは反対に大真面目に読まないとなかなか理解できない内容の深い本でした。古本屋でもあまり見かけないので図書館で探すとよいでしょう。

レモン

ポーリング博士のビタミンC健康法 (平凡社ライブラリー)は、絶版の本で現在は古本しか手に入りません。アマゾンのリンクを貼っておきます。

私が買ったのは、平凡社ライブラリー1995年発行の初版でした。今どきの本よりはるかに小さい文字で452ページ。定価は1400円です。

この本は、平凡社ライブラリーより前にすでに別なタイトルで発行されていたようです。

この本は、1987年1月平凡社から刊行された『ポーリング博士の快適長寿学』を改題したものです。

ビタミンを補うことをすすめる本

この本はすごく簡単に説明するとビタミンを多くとることをすすめる本です。時代的にビタミンサプリメントがたくさん出るきっかけになった本ではないかと思います。

まえがきにはこんなことが書かれています。

この本は、簡単で安上がりな手段により、人生をもっと健康で楽しいものにして長生きする方法を述べたものである。

もっともお勧めする方法は、毎日、数種のビタミンをとって、食物から得るだけでは不十分なビタミンを補うことである。

補うビタミンの最適量とその摂取方法については初めの数章で述べ、理由はその後の章で説明する。

これだけ読むと、短い時間で読み終わる健康本をイメージしますが、すごく内容が深いです。

たとえば・・・。

砂糖のとり過ぎでコレステロール値が上がるって知ってます?

私は砂糖のとり過ぎでコレステロールが増えるなんてことを、この本を読んで初めて知りました。そんなこと、考えたこともなかったです。ビタミンとの関係は、砂糖のとり過ぎの害をビタミンCが防いでくれるという内容でした。

このことを理解するには、少し化学を勉強しなければいけませんでしたが、この時期に見つけた他の本のおかげもあって理解が進み、より深く知りたいという気持ちになりました。

このことは、果糖がよくない理由を調べてみたという記事にまとめました。

果糖がよくない理由を調べてみた
砂糖(ショ糖)を食べるとコレステロールが上がりやすくなること。それは、果糖が原因になっていること。さらに、果糖がからだの中でブドウ糖とは別に代謝されることと、大量の果糖は体に負担になることを調べました。

さらに、ポーリングさんは、コレステロールを増やすといわれる飽和脂肪酸をたくさん含む肉だけを食べ続ける実験についても書かれていました。もちろん、野菜を一切食べずに肉と油(脂)だけを食べ続けるのです。

しかし、コレステロールは増えなかった・・・。ホントかよとにわかには信じがたい内容なのですが。

こちらは、肉だけを食べて生活するとどうなるか?という記事にまとめました。

肉だけを食べて生活するとどうなるか?
肉だけを1年間食べ続ける。1日あたり230グラムの脂肪と120グラムのタンパク質と炭水化物はわずか5~10グラムの食事内容です。脂肪だけで2070kcalあります。こんな食事内容でも1年後実験前と同様な良好な健康状態を保っていました。ただし

著者ライナスポーリング

ポーリングさんの名前は何となく知っていましたが、化学者でした。

Linus Pauling
ライナス・ポーリング(1901-1994)

1901年アメリカのポートランド生まれ,オレゴン農科大学、カリフォルニア工科大学大学院に学ぶ.カリフォルニア工科大学,カリフォルニア大学,スタンフォード大学などの教授を歴任したのち,ライナス・ポーリング化学医学研究所を設立.

研究所長を務める.

1945年ノーベル化学賞.
1963年ノーベル平和賞を受賞.

今世紀(注:20世紀)屈指の科学者の一人と言われている.

1994年没.

この他、詳しくはウイキペディアのライナス・ポーリングを読むとよいです。

まとめ

この本を見つけたのは、2012年か2013年。神田神保町の古本屋の前に置かれたワゴンに入っていました。カバーがかなり汚れていたので500円でした。

当時、健康関連の商品について説明を毎日書いていたので、ビタミンCの本も必要になるかもしれないと思って買ったくらいで、しばらく放っておいて読まなかったです。

ところが、実際に読み始めるとものすごく内容が濃い。一般的な健康指南書とは全く違います。読み始めると実に読みにくいこと。なかなかスピードが上がらず、おまけに何度も読み返さないと理解できなかったです。

しかし、読み進めるとこの本は実に内容が深く、読者が読みながら疑問に感じることに答えながら書き進められていることがわかりました。

こういう本は、電子版でも復刊してくれるとよいのになと思います。

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