白菜は95%が水分です。栄養成分としては目立ったものはありませんが、生ジュースにすると二日酔いの妙薬になり、また、頭にのぼった熱を降ろし、心を落ち着かせて、イライラ、焦燥感、胸のつかえ感を改善する効果があります。
白菜はあまり買わなくなりました。20年くらい前なら、旬になると市場で2玉をヒモでしばったものが300~400円で売っていました。しかし、今は半分にカットしたものばかり並んでいます。
どうも今あまり人気がないようです。
白菜の選び方
私が書くまでもないでしょう。ずっしり重たいもの。葉の巻きがしっかりしていて、外側の葉が生きがよくてきれいな緑色をしているものです。
カットしたものは、切り口がみずみずしく、葉がつまったものがよいです。さらに、芯の部分が盛り上がっていないものを選びましょう。切ってから時間が経つと、芯の部分が盛り上がってくるのです。
つまり、芯の部分が盛り上がっているものは、切って時間が経ち、鮮度が落ちていると考えられます。
旬は10~3月です。ここ数年天候不順のせいか、例年のような値段に下がりません。
白菜の栄養成分
白菜の栄養成分を表にしました。水分がとても多いです。カリウムはやや多いのが特徴でしょうか。
はくさい結球葉生 | |
エネルギー | 14kcal |
水分 | 95.2g |
たんぱく質 | 0.8g |
脂質 | 0.1g |
炭水化物 | 3.2g |
カリウム | 220mg |
カルシウム | 43mg |
マグネシウム | 10mg |
リン | 33mg |
鉄 | 0.3mg |
亜鉛 | 0.2mg |
レチノール活性当量 | 8μg |
ビタミンD | 0 |
α-トコフェロール | 0.2mg |
ビタミンB1 | 0.03mg |
ビタミンB2 | 0.03mg |
ビタミンC | 19mg |
食物繊維総量 | 1.3g |
※日本食品標準成分表2015年版(七訂)から引用 |
イソチオシアネート
白菜はアブラナ科です。イソチオシアネートという成分は、アブラナ科の野菜に含まれる辛み成分です。抗酸化作用が高く、発がん性物質の活性化を抑制してがんを予防する効果が期待されています。
白菜のおいしい食べ方は内側から外側へ
NHKためしてガッテン ガッテン流!野菜のすごい鉄則(アスコム 2010)に書かれていました。
白菜は、外側の葉で作られた栄養が、内側の葉にでんぷんやたんぱく質の形でいったん貯蔵されたあと、うま味成分であるグルタミン酸や糖に姿を変えて中心の葉に送られる仕組みがあります。
カットしてある白菜の鮮度を見分ける方法として、芯が盛り上がっていないものを選ぶことは書きましたが、芯が盛り上がるのは、収穫後も中心の葉が生長していることなのです。
白菜は、まず中心部の甘くておいしい部分を食べ、内側から外に向かって食べていくのがよい方法です。
中心部を取り除いて冷蔵庫で1週間保存すると、残った葉のうまみ成分が27%アップしました。
白菜の効果
薬剤師であり、あん摩指圧マッサージ師でもある橋本紀代子先生の食べものはくすりにはこのように書かれていました。橋本先生の本は本草書も参考にされているので面白いです。
胃腸の調子を整える
ハクサイは多量に食べても胃にもたれたり、体を冷やしたりしません。それどころか鍋ものにしてやわらかく煮込んで食べると胃腸薬にもなるのです。
肉や魚などを食べ過ぎると、体に熱を持ち、胃や胸のあたりがもやもやし、胸焼けのような状態になります。ハクサイは、そのような熱をさます働きをします。
ハクサイは唾液などの消化酵素を含む分泌液の量をふやしますから、それがさらに消化を助けるというわけです。食物繊維が多いので、腸の掃除をして便通もよくなります。
ハクサイジュースは二日酔い対策に
生ジュースがよいらしいですよ。
ハクサイジュースは二日酔いの妙薬。口の渇きをいやし、肝臓の働きを強め、アルコールの代謝を速めます。
ハクサイはアクが少ないので、アレルギー体質の人でも食べられることが多く、やわらかく煮込めば病人でも虚弱体質の人でも食べられる野菜です。
白菜の漬け物は好きなのに、白菜を生ジュースにして飲むとは考えたことがありません。少し考えれば、アクが少なく生でも食べられるのですからジュースにもできます。
無意識に思い込んでいることって、結構ありますね。
ほてりを冷ましイライラを解消する
世界一やさしい! 野菜薬膳食材事典にはこんな効果が書かれていました。
適度に熱を冷ます効果があり、頭にのぼった熱を降ろし、心を落ち着かせて、イライラ、焦燥感、胸のつかえ感を改善する効果があります。
生理前や更年期ののぼせやほてり、イライラにも有効。消化を促進し、下方へ押し出す力を助けるので、便通を改善する効果も。
水分を多く含むので、のどの渇きを鎮めて気管に潤いを与え、乾いた咳を楽にします。
オレンジ白菜って知ってます?
白菜について調べていると、オレンジ白菜と呼ばれるものがあることが分かりました。信頼できる記事を探すと、株式会社船昌さんのサイトに記事がありました。
オレンジ白菜の品種である「オレンジクイン」はタキイ種苗の登録商標で、1990年から発売を開始し、当時のバイオテクノロジーと育種技術の融合で生み出された画期的な白菜です。
外葉は通常の白菜と同じ緑色ですが、中の葉はオレンジ色をしているのが特徴です。甘味が強く歯切れが良い上に、白菜特有の青臭さが少ないので、漬物や炒め物はもちろん、生のままサラダにしても美味しく召し上がっていただけます。
加熱をすると、甘味と鮮やかなオレンジ色がさらに増しますので、彩りを楽しめる料理方法がオススメです。
オレンジ白菜はオレンジ色の成分であるカロテンが豊富で、通常の白菜より繊維質も多く含んでいるので、栄養価の高いヘルシー野菜として注目されています。(中略)
葉の部分には風邪予防や美肌に効果があるビタミンCが、芯の部分には高血圧予防に効果のあるカリウムが豊富に含まれています。
オレンジ白菜には通常の白菜にはない「シスリコピン」という成分が含有されています。体内に吸収されにくいリコピンに比べて、体内に吸収されやすいので、生活習慣病の予防などに効果的です。
リコピンはトマトに入っている色素です。オレンジ色にも吸収されやすいリコピンが入っているそうです。
白菜の保存方法
そのまま新聞紙で包んで冷暗所で保存。まるごと保存するなら、冷蔵庫でなくても大丈夫です。畑に生えている状態と同じように立てて保存すると日持ちします。カットしたものは、ラップで包んで冷蔵庫の野菜室で保存してください。
まとめ
八百屋さんに行って半分にカットされた白菜を見ると、私は買う気が失せてしまいます。買うなら1個買いたい。冬になると白菜の漬け物が食べたくなります。
ここ数年、八百屋さんの棚を見ている限り、明らかに白菜を買う人が減っています。なぜなんでしょうね?漬け物をつける人が減ったからでしょうか。発酵食品ブームといわれているのに。白菜の漬け物とビールがあるとシアワセを感じます。
しかし、今は売れ行きがよくないせいか、値段は安くありません。値段が高いとさらに買う人が減ります。何かもったいないように思います。