温室に暮らしてみたい

昔から温室に興味があります。野菜を栽培したい気持ちもありますが、温室の中で昼寝したい。温室の中で暮らしてみたいという気持ちが強いのです。気持ちいいだろうなあ。

寒い北国の人はきっと温室が好き

昔から温室の中で暮らしたいと思っていました。それは、私が北国育ちだからだと思います。小学生の頃、雪解けが本格的に始まるのは3月。冬の間凍土になっているので、しばらくは泥道を長靴で歩くことになります。

ちょうど春の選抜野球が始まる頃に、地面から水蒸気が上がり、春の土の匂いがし始めます。春の選抜高校野球が始まると、私たちも野球がしたくてたまらないのです。長靴から軽い運動靴に履き替えて、グラウンドで野球を始めます。

しかし、まだ地面が完全に乾ききっていないので、転ぶとパンツまでしみてどろどろになったりしたものです。でも、春の匂いの誘惑には勝てませんでした。

こんな経験があったので、寒い冬でも乾いた土がある生活に憧れがありました。ちなみに私が育った街では同じように思う人が多いらしく、市が大きな温室をつくっていました。その気持ち、とてもよく分かります。

温室で働く

仕事で一度、とても大きなグラスハウスで水耕栽培をしている施設に行ったことがあります。和歌山県橋本市にある、ゆの里という施設です。ゆの里を説明するのはとてもむずかしいので、ご興味のある方はサイトをご覧下さい。農業施設ではありませんし、単なる温泉旅館というのとも違います。

和歌山県・天然温泉「ゆの里」のお水「月のしずく」公式ホームページ
和歌山県橋本市神野々の天然温泉「ゆの里」公式ホームページです。昭和62年の創業以来、お水への感謝の気持ちを忘れずにスタッフ一同日々精進しております。

とんでもなく多収穫になる水耕栽培ってご存知ですか?今から30年くらい前に、つくばで万博があったのですが、ハイポニカという水耕栽培の技術に度肝を抜かれたことがあります。トマト1株から17000個収穫できるそうですよ。

ハイポニカ | 協和株式会社 ハイポニカ事業本部 – 革命的栽培技術で世界の農業をやさしく
革命的栽培技術で世界の農業をやさしく

ゆの里でもハイポニカの技術を導入したのかどうか分からなかったですが、常識では考えられないくらいたくさんトマトの実りがある水耕栽培をしていました。

1本のトマトの木(といってよいのか?)からこんなにたくさん実りがあります。ミニトマトではありません。

もう少し引いてみました。

温室内はかなり広いのです。トマト以外にもいろいろな作物が育てられていました。

室内は緑のにおいが濃く、ここで昼寝をしていると疲れが吹き飛びそうでした。

この中でしばらく暮らしたら、すごく体の調子がよくなって、ひょっとして病気の人もよくなってしまうのではないかと思いました。

また、この温室の中で音楽を鳴らして昼寝したら気持ちよいだろうなと思いました。

そして、その施設はかなり広いのですが、当時、20代の女の子がたった2人で管理していました。いや~うらやましい。社長さんは、農業のプロを雇う気持ちがないらしくて、若い人の試行錯誤に期待しているみたいでした。

たまに、このような方がいらっしゃいます。もちろん、経営的に余裕がなければできないことですが、社長さんは厳しい方ではないです。少し浮き世離れしていて昔の山小屋に似ているのかもしれません。

そもそも、楽してサボろうという人は来ないだろうなと思います。

芽生えはいつも心を和ませます。

温室の中に住む

温室の中に住んだら気持ちがよいだろうなと思っていましたが、調べてみると実際にやっている人がいました。この動画は有名みたいです。

いろいろな記事にリンクされています。ストックホルムだからスウェーデンですね。寒い国だから、私が子供の頃に思ったことと気持ちは同じだと思います。寒い時に土の匂いをかげたら幸せなのですよ。

このようなことをするには維持費がかかります。そして寒い冬には温度差が大きくて結露するし、ガラスはみんな曇ってしまうと思います。ひょっとすると温室内は湿度がとても低くなるかもしれません。

でも、寒い国の人は、冬に土のにおいがかげるだけでよいのです。

しかし、寒い冬ならよいけれど、夏になったら暑いだけではないかと思いますね。東京の夏は暑い。

砂漠の国イスラエルのハウス農業

ところが、砂漠の国イスラエルでは、ハウス農業が行われています。最初に知ったのは、糸川英夫さんの本、荒野に挑むでした。この本は古い本ですが、図書館にありそうです。

荒野に挑む
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イスラエルの農業については、イスラエルの施設園芸と、新しい記事では、イスラエルの乾燥地農業、最前線を見る「砂漠に花を咲かせる」建国来の夢で読むことができます。

イスラエルの乾燥地農業、最前線を見る 「砂漠に花を咲かせる」建国来の夢 :朝日新聞GLOBE+
国土の6割を砂漠が占め、砂漠の開拓を国をあげて目指してきた国、それが中東に位置するイスラエルだ。最先端の技術を駆使して「砂漠の農業」を研究・実践する最前線を見た。(高橋友佳理、写真も)

砂漠の農業は、一番大切な太陽がかげる心配はないのですが、高温で湿度が低く水がない。ハウスを使って作物の生育環境をコントロールするのです。

先日、『世界ふしぎ発見!』でイスラエルが紹介されていました。日本と比べると何となくいい加減な国なのかなと感じないではありませんが、一方で、発明される技術にはしびれます。

日立 世界ふしぎ発見!|TBSテレビ
森山未來がミステリーハンターに! 自身とゆかりのあるイスラエルをレポート『日立 世界ふしぎ発見』の公式サイト。毎週土曜日 よる9時〜放送中!

ハウスは寒くても暑くても乾燥していてもある程度環境をコントロールできます。

温室についての本

温室についてアマゾンで本を探してみると植物園・温室・緑化関連施設 (建築設計資料)が見つかりました。この本も1993年発行とかなり古いです。

建築設計資料 44
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概要にはこんなことが書かれています。

植物を育て一般に公開されている植物園・温室に加え、緑化関連設施や研究温室など、公営・民間の注目を浴びている最新の施設?レジャー施設・テーマパーク・廃熱利用の都市型施設・観光の拠点づくりとしての施設?等を収録。温室設計知識=温室の主役を理解する/観賞用温室の環境づくり/らんの里・堂ヶ島における環境づくり

実作資料・25題

図書館に蔵書があったので、早速、借りて来ました。

苫小牧市サンガーデン

実作資料25題の中に、北海道の温室が1件紹介されていました。苫小牧市サンガーデン・苫小牧市立図書館です。サンガーデンの公式サイトを見ましたが、施設内の画像がほとんどありませんでした。もっと載せたらよさそうです。

http://sungarden.tomakomai-zoen.org/

温室

本にはこのように書かれていました。

●施設の目的 ―― 一年中を通じ緑を楽しむ

風雪に閉ざされた冬期においても樹々の緑や花を楽しめる広場を…‥.これは長い間市民が待望していた願いであった.

市はこのガーデンと中央図書館とを複合させてより多様な楽しみ方ができる場を提供しようと企画し,このアイディアが市民に親しまれるユニークな施設を誕生させることとなった.

●平面計画 ―― 公園との連繁,賑いの演出

ガラスの大屋根に積もった雪が日の当たる南側に落ちることを前提にした.その屋根の勾配なりに水生植物から高木へと高さのヒエラルキーに応じた植栽計画とし天井の高い部分は2階建とした.

1階には展示実習室やレストラン,その上を屋上庭園とし,ここからはサンガーデンと連続した公演の緑が対角線方向に最も広がりをもって見えることも配置計画上重視した点である.

また2階の一部に「温室のなかの温室」があり,より制御を要する植物が楽しめる.サンガーデンは単なる温室ではなく市民のコミュニケーションの場であるので,なるべく,賑いの居室が顔を覗かせるようにレイアウトした(図書館の講義室やレストラン,展示広場など).

緑を楽しむだけでなく読書はもちろんのこと,コンサートや市長と市民の集いなど幅広く利用されている.また,サンガーデンは既存の博物館と図書館の間にあって双方を連結する遊歩道でもある.

書かれていることを読むと、北国育ちの私には同意できることばかりです。冬はモノトーンでにおいのない季節なので、緑色や植物のにおいに憧れる気持ちがあります。

写真を探すと、グーグルマップの案内の中にたくさんありました。なかなか立派な建物です。

苫小牧市サンガーデン · 〒053-0011 北海道苫小牧市末広町3丁目1−15
★★★★☆ · 植物園

自分で温室を買うといくらぐらいかかる?

アマゾンで調べてみると、アルミ製本体とポリカーボネート製パネルの1坪温室が、14万円くらいでした。

今は強風と豪雨の台風が毎年やってくるので、スペースがあってもちょっと考えてしまいますね。

まとめ

温室は光が入り、地面がそのままあるので、温湿度を管理できればかなり快適な環境になります。植物を育てながら、その一角に生活道具を置いて暮らすと気持ちがよいだろうなと思います。

温室で働く仕事はやってみたいことの一つです。

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