塩を減らせともう何十年もいわれています。ナトリウムは通常の食事で不足することがないミネラルです。成人男性1日食塩7.5g未満、成人女性1日食塩6.5g未満が目標です。昔よりさらに少なくなりました。ナトリウムの多い食品は、塩っぱいのが特徴なので間違いようがありません。
ナトリウムは通常の食事で不足することがないミネラル
ナトリウムは塩(NaCl)そのものではないですが、私が子供の頃から「減らせ」と何十年もいわれています。学生の頃利用していた、生協の食堂もいつもメニューに塩分量表示していたのを思い出します。通常の食事で不足することはありません。
日本人の食事摂取基準(2020年版)の(1)多量ミネラル にはこのように書かれています。
ナトリウムは、細胞外液の主要な陽イオン(Na+)であり、細胞外液量を維持している。浸透圧、酸・塩基平衡の調節にも重要な役割を果たしている。ナトリウムは、胆汁、膵液、腸液などの材料である。通常の食事をしていれば、ナトリウムが不足することはない。
細胞外液量を見ると、そうだ、ナトリウムイオンは細胞の外に出されることを思い出しました。ナトリウムポンプとか能動輸送ということばが中学生の理科か、高校の生物Ⅰの試験に出ていました。
ナトリウム1日の摂取量
推定平均必要量が設定されていますが、通常の食事をしている限り、気にする必要がないですね。まず、最低限の必要量についてWHOのガイドラインがあり、それにナトリウム摂取量を 0(ゼロ)にした場合の不可避損失量を加えて設定されたそうです。
成人男性1日食塩7.5g未満、成人女性1日食塩6.5g未満が目標
重要なのは目標量で、成人男性は、1日食塩7.5g未満、成人女性は1日食塩6.5g未満を目標にしてくださいということです。昔は、1日食塩を10g以下にしましょうなんていわれていましたが、ずいぶん減ったのですね。
性 別 | 男 性 | 女 性 | ||||
年齢等 | 推定 平均 必要量 | 目安量 | 目標量 | 推定 平均 必要量 | 目安量 | 目標量 |
0~5(月) | ー | 100(0.3) | ー | ー | 100(0.3) | ー |
6~11(月) | ー | 600(1.5) | ー | ー | 600(1.5) | ー |
1~2(歳) | ー | (3.0未満) | ー | (3.0未満) | ||
3~5(歳) | ー | (3.5未満) | ー | (3.5未満) | ||
6~7(歳) | ー | (4.5未満) | ー | (4.5未満) | ||
8~9(歳) | ー | (5.0未満) | ー | (5.0未満) | ||
10~11(歳) | ー | (6.0未満) | ー | (6.0未満) | ||
12~14(歳) | ー | (7.0未満) | ー | (6.5未満) | ||
15~17(歳) | ー | (7.5未満) | ー | (6.5未満) | ||
18~29(歳) | 600(1.5) | (7.5未満) | 600(1.5) | (6.5未満) | ||
30~49(歳) | 600(1.5) | (7.5未満) | 600(1.5) | (6.5未満) | ||
50~64(歳) | 600(1.5) | (7.5未満) | 600(1.5) | (6.5未満) | ||
65~74(歳) | 600(1.5) | (7.5未満) | 600(1.5) | (6.5未満) | ||
75以上(歳) | 600(1.5) | (7.5未満) | 600(1.5) | (6.5未満) | ||
妊婦(付加量) | 600(1.5) | (6.5未満) | ||||
授乳婦(付加量) | 600(1.5) | (6.5未満) |
過剰摂取を問題にする以前に生活習慣病の予防を考える
過剰摂取したときに中毒になるような話は書かれていません。それよりも、塩の取りすぎは血圧に影響があり、腎臓病にも影響があります。日本人に昔胃がんが多かったのは、塩辛いものを摂りすぎているからといわれていましたが、そのことに注意するように書かれていました。
ナトリウムの多い食品
ナトリウムの多い食品は、食塩を筆頭に、塩っぱいものばかりでわかりやすいです。カットわかめに9300mg(9.3g)と多いので、水で戻す時は多めに張って、戻ったらよくすすいだ方がよさそうですね。
豆味噌には案外少ない
大豆だけでできたたんぱく質豊富な豆味噌は、100gあたり4300mg(4.3g)と案外少ないです。ご飯と豆味噌だけ食べても栄養がかなり補給できるかもしれないなと思いました。
ナトリウム : 食品100gあたりの含有量 | ||
順位 | 食品名 | 成分量 |
1 | 食塩 | 39000mg |
1 | 精製塩/業務用 | 39000mg |
1 | 精製塩/家庭用 | 39000mg |
4 | 食塩類/並塩 | 38000mg |
5 | だし類/顆粒おでん用 | 22000mg |
6 | 昆布茶 | 20000mg |
7 | だし類/顆粒中華だし | 19000mg |
8 | 即席すまし汁 | 18000mg |
9 | 固形ブイヨン | 17000mg |
10 | 顆粒和風だし | 16000mg |
11 | お茶漬けの素/さけ | 13000mg |
12 | 焼きそば粉末ソース | 12000mg |
13 | ゆずこしょう | 9900mg |
14 | 魚醤油/しょっつる | 9600mg |
15 | カットわかめ/乾 | 9300mg |
16 | ナンプラー | 9000mg |
17 | 魚醤油/いしる(いしり) | 8600mg |
18 | 魚醤油/いかなごしょうゆ | 8300mg |
19 | 即席みそ/粉末タイプ | 8100mg |
20 | あみ/塩辛 | 7800mg |
21 | うめ/梅漬/塩漬 | 7600mg |
22 | かに類/がん漬 | 7500mg |
23 | すけとうだら/すきみだら | 7400mg |
24 | うめ/梅干し/塩漬 | 7200mg |
25 | 塩昆布 | 7100mg |
26 | トウバンジャン | 7000mg |
27 | ベーキングパウダー | 6800mg |
28 | ラーメンスープ/濃縮/しょうゆ味 | 6700mg |
29 | 乾燥わかめ/素干し | 6600mg |
30 | ラーメンスープ/濃縮/みそ味 | 6500mg |
31 | うすくちしょうゆ | 6300mg |
32 | しろさけ/めふん | 5800mg |
33 | こいくちしょうゆ | 5700mg |
34 | しろしょうゆ | 5600mg |
34 | 寺納豆 | 5600mg |
34 | だし入りみそ | 5600mg |
37 | ザーサイ/漬物 | 5400mg |
38 | 缶詰/アンチョビ | 5200mg |
39 | 米みそ/赤色辛みそ | 5100mg |
39 | たまりしょうゆ | 5100mg |
39 | あゆ/うるか | 5100mg |
42 | うすくちしょうゆ/低塩 | 5000mg |
42 | かつお類/塩辛 | 5000mg |
44 | 米みそ/淡色辛みそ | 4900mg |
44 | さいしこみしょうゆ | 4900mg |
46 | オイスターソース | 4500mg |
46 | ひとえぐさ/素干し | 4500mg |
48 | だいこん類/漬物/みそ漬 | 4400mg |
49 | ろくじょう豆腐 | 4300mg |
49 | 刻み昆布 | 4300mg |
49 | 豆みそ | 4300mg |
※日本食品標準成分表2015年版(七訂) |
NOTE
私は自転車が趣味で、たまに長い距離を走ることがあります。くたびれるとコンビニで味噌汁を買って飲みます。疲れがとれて気持ちが落ち着きます。寒い日は温まります。ホットコーヒーを飲むより、塩分が入っている方が温まると思います。塩は結構大事だなと思っています。
1990年代まで、専売公社(いまのJT)の食塩(純粋な塩化ナトリウム)は血圧を上げるが、ミネラルを含んだ自然塩は上げないという都市伝説(?)がありました。当時、自然塩は結構よい値段がしていました。
最近は、ミネラル豊富な塩も200円出せばお釣りが来ます。どのくらいミネラルが入っているのか調べたことがあります。しかし、マグネシウムが割と多いものの、ほとんど「気のせい」に近いものでした。ご参考まで。
天然塩なら血圧を上げないとかミネラルが豊富というのは幻想かもという記事に書きました。