私がヨガを再開したのは、成瀬ヨガの成瀬雅春さんの本を読んだことがきっかけでした。今は無料動画でヨガを習える時代ですが、自分で探して気に入った本を持っていた方がよいですよ。
ロードバイクの疲労を解消するため
私が再びヨガを始めたのは42歳。ちょうど厄年の頃です。
仕事が忙しく、日常的に体にひどく疲れがたまっていて、なんとかしなければと前の年に自転車(ロードバイク)を買って走り始めました。ロードは車体が軽くタイヤも細いのでスピードが出ます。
最初はうれしくて子供みたいに走り回っていましたが、しばらく走っているうちに、首、肩、腰、膝、膝裏に疲労がたまるようになりました。特に、向かい風に逆らってペダルを漕ぐと、膝が痛むようになりました。
ただ走っているだけではだめだなと思いました。
成瀬雅春さんの本に出会う
その頃、定期的に調べものをするので国会図書館と広尾の都立中央図書館に通っていました。広尾の図書館は、開架図書がとても充実しています。区立の図書館では考えられない良書ばかり並んでいます。
調べものをしていても、棚を見て歩いて、調べものとは関係ないけれど興味のある本も適当に数冊持って来てパラパラ眺めるのが常です。その時に、出帆新社から出ていた成瀬雅春さんのハタ・ヨーガ (ヨーガ奥義書第三巻)を発見し、時々、読んでいました。表紙が厚紙で、しかもページ数が多いかなり厚い本でした。
何しろとても解説が詳しいのです。
そのうちこの本がほしくなりました。読んでいるうちに、またヨガをやろうと思うようになりました。しかし、その頃のヨガのイメージは、地下鉄サリン事件のせいでまだひどく悪かったです。
ただ、私は20代の始めにボルダリングがうまくなりたくてヨガをしていたので、それはあまり気になりませんでした。
経堂の出帆新社にハタ・ヨーガを買いに行った
しかし、こういうマニアックな本は、八重洲ブックセンターなど大書店でも置いてなくて、出版社に問い合わせるのが一番早いことは経験済みでした。早速、電話して買いに行きました。出帆新社は、当時、小田急線の経堂にありました。
しかし、この本は絶版になっていて在庫が無く、新たに2冊になった実践ハタ・ヨーガ (ヨーガ奥義書別巻)上・下巻を買って来ました。古本ですが、まだあったのでリンクを貼っておきます。
この本を教科書に、またヨガを始めました。
成瀬雅春さんの本は、他のヨガの本と違うところがあります。たとえるなら、ミリ単位の動きの正確さを求められ、それを観察することも求められるのです。本の中でそれを強制しているわけではないのですが、ていねいに読むとそう思うようになります。
古本が嫌いな方は、こちらを買うとよいと思います。
よく読むと、とても厳しい内容
子どもの頃、自転車に乗る練習をしている時、バランスが取れずまっすぐ走れなくて左右に倒れていたのが普通です。しかし、ある日補助輪なしで乗れる様になった瞬間から、乗れなかった自分を再現できなくなります。多分、アンバランスの感覚が遮断されるのだと思います。
普段の動きも同じで、漢字を書くとかアルファベットを書くのは、自分なりのスタイルでよいなら苦もなくできます。しかし、きれいな形に書くことを求められると、急に難しくなります。自分のクセがあるからです。
成瀬さんの本は、たとえていうなら、手本を見ながら写経をして、さらに写経をしている自分を観察することを求められるような難しさがあります。これは正直、かなり体が反抗します。「一応できているのだからいいじゃないか」と体が言い始めるのです。
別なたとえ話をすると、ラジオ体操の手順を覚えている人に、その動きについていちいち正確性を求められるような感覚があります。いやでしょう?
おわかりになるでしょうか?なんとなく毎日こなしている仕事に求められている技術よりも、もっと細やかな神経を働かすように求められるのです。もちろん、強制されるわけではありません。
ヨガが、休日に行う健康のための趣味でいいの(?)と聞かれるような気分になってきます。
私は2003年からヨガをほとんど毎日していますが、自分の感度の悪さもあって、やっと「一応、できているんだからいいじゃないか」という意識を捨てて、もっと深いところに行ってみたいと思うようになりました。
ヨガのお気に入りの本は持っていた方がよいと思う
今は、動画でヨガを学べる時代です。無料の講座もたくさんあります。しかし、本を探して、自分の気に入ったものを持っていた方がよいです。
本を一通り読むのは、動画を見るよりはるかに時間がかかりますが、毎日ヨガをするようになると、気づくことがいろいろ出て来ます。そのような時に、本だとすぐにそのページにアクセスできるところがよいです。
そして、その気になる箇所を読むのは、数秒しかかかりません。しかし、動画を見るにはもっと時間がかかります。そして、その本の箇所に意外と自分に関係があることが書かれているものなのですよ。