血圧が高い人、血糖値が高い人は断糖すると下がるらしい

この記事では、高血圧や糖尿病の人が断糖すると数値が下がる本を読んで、なぜ下がるのか、断糖とは糖質制限とどうちがうのか、どんなものを食べるのか、どのくらいの期間が必要なのかを調べてみました。

砂糖

年齢が年齢(50代半ば)なので、健康関連の話にはいつも興味があります。西脇俊二先生の高血圧・糖尿病は「断糖」で薬を止められる を読むと、血圧を下げたり糖尿病(ただしⅡ型)の血糖値を下げるのは、薬を飲まなくても99%可能だと書かれていました。

99%と数字を書かれているのは、断糖によほど自信を持っていなければ書けません。

早速、じっくり読んでみました。断糖するとどんな変化があるのでしょう。

断糖するとこんな効果が期待できる

本の前書きにこのように書かれていました。すごいですね。

  • 断糖すると、薬など飲まずとも糖尿病は治ります。
  • 断糖すると、血圧の数値も正常になります。
  • 断糖すると、副作用もなくがんが消えていきます。
  • 断糖すると、頭が冴えて仕事もバリバリできるようになります。
  • 断糖すると、ラクに痩せられます。
  • 断糖すると、いつでもリラックスして穏やかな気分に。
  • 断糖すると、誰もが健康長寿を手に入れられます。

糖分を補給しないのだから血糖値は下がるのでしょう。また、がん細胞は糖分をエネルギーにして増えることはよく知られています。塩分と血圧の関係は昔からよーく知られて常識ですが、糖分と血圧の関係について初めて知りました。これについてはあとで書きます。

年齢が上がると、いつもよい気分や体調でいることがとてもありがたいことだと分かります。若いときは負荷をかけても回復が早く気にもしませんが、年齢が上がると回復に時間がかかるようになるので、できるだけよい状態を維持したいと思うようになります。

そして、一番驚いたのは、断糖すると効果が現れるのがとても早いのです。

1ヶ月で血糖値が正常に

断糖すると、20年間苦しんできた糖尿病患者さんが1ヶ月で血糖値が正常になったそうです。薬を使わず、わずかな期間で結果が出るのですから、血糖値が高い方にはためしてみる価値のある話ではないかと思います。

私のクリニックにも20年間糖尿病で苦しんできた方が来院されました。

多分にもれず、カロリー制限はもちろんのこと、薬によって対処的に治療を施し、血糖値を下げてきたものの病状は改善しなかったといいます。

最終的には膵臓がダウンしてインスリン注射まで必要になった患者さんです。そこで糖尿病を治療するために、次のような方法をとってもらいました。

  • 薬やインスリン注射はいっさいやめる。
  • ご飯やパン、甘い菓子など糖質を含むものは食べない。
  • 肉や魚などの動物性タンパク質をしっかり摂る。
  • 筋肉量を増やして糖代謝を促進させるため筋トレをする。

(中略)1ヶ月後に来院されたときには、努力の甲斐あって血糖値は正常値に戻り、体重も減少してスリムな健康体へと変身。今では普通の人とかわらずに元気に暮らしていらっしゃいます。

なぜ断糖するとよいのか

今のわれわれの食生活は、食べすぎだとよくいわれます。運動しないと太っていくのでその通りだと思います。エネルギー源として糖は必要なのですが、量が問題です。

この本を読んでいて、なるほどなあと思ったのは、血糖値から必要な糖の量を知る話でした。

血糖値から必要な糖の量を知る

体の中では、血糖値は一定に保たれるような仕組みがあります。血糖値が上がればインスリンが分泌され、脂肪として脂肪細胞に蓄えられます。また、血糖値が下がると、貯蔵されているグリコーゲンなどから糖をつくって補います。

そもそも、血液中の糖の量は60~100mg/dl=0.6~1g/lです。1dl中に100mgの糖量だとすると、1l当たりには1gの糖が含まれているという計算になります。

つまり人間の血液量は約4lですから糖は4gあればいいのです。これは角砂糖にしておよそ1個分です。角砂糖1個分の糖量で私たち人間は本来、健康を維持することができるのです。

文中見づらいですが、「l」は、リットルです。

糖はエネルギー源として常時消費されていきます。もちろん補充は必要ですが、いつも4gあればよいという話なのです。

これに対して、茶碗一杯のご飯(100g)には約37g、中華麺には28g入っているのです。この糖量の出し方は、栄養成分の炭水化物から食物繊維総量を引いたものです。食物繊維は人が消化することができないので引きます。

たとえばご飯はこのように計算します。

100g当たり(出典
めしうるち米
カロリー168kcal
水分60.0g
たんぱく質2.5g
脂質0.3g
炭水化物(a)37.1g
食物繊維総量(b)0.3g
糖量(a)ー(b)36.8g

炭水化物は必ずしも甘いわけではないのですが、角砂糖に換算するとかなりの量を毎日摂っていることになります。

断糖すると血圧が下がる

血圧が高いと必ず塩分を減らすようにいわれます。もちろん、食べすぎるなともいわれますね。肥満すると血圧が高くなるからくらいにしか考えたことがありませんでした。

しかし、糖のとり過ぎで血圧が上がるのはこのように説明されていました。

糖の摂り過ぎによって体脂肪が増え、その体脂肪が腎臓にある塩分の排泄機能を阻害します。

本来なら体内に入った塩分は腎臓で濾過されて尿から排泄できるのですが、これがうまくいかなくなり、結果として高血圧となるのです。

また、高血圧の原因はもう一つあります。

糖の摂り過ぎで高インスリン状態になると、インスリンの興奮作用によって交感神経が興奮状態となります。

交感神経は心臓の活動を活発にして心拍数を高める作用があり、血圧を上げるように働きますから、高インスリン状態が続けばおのずと血圧も高くなるというわけです。

腎臓に脂肪がついて、腎臓の塩分排泄機能を阻害するということなのでしょうか?

断糖する時どんな食べ物を選ぶか

原則が出ていました。

断糖は、カロリー制限のダイエットとは違います。糖質(炭水化物から食物繊維総量を引いたもの)を摂らないようにするのです。

断糖しているときに、一番重要なのが、たんぱく質だそうです。たんぱく質からもエネルギー源となるブドウ糖をつくることができます。体には糖新生という仕組みがあります。

  1. 間食・デザートはやめる
  2. ご飯・パン・麺類は食べない
  3. 動物性脂質はできるだけカット
  4. 野菜は添える程度でOK
  5. 果物は食べない

この原則に従うと、以下のような食べ方になります。

どうしてもお腹がすいたら、ゆで卵や寒天ゼリー、豆腐そうめん(添付のたれはダメ)など糖質を含まないものを選ぶ。

日本人にとって、主食は「米」ですが、おかずを主体に肉か魚を中心に考えるようにします。ご飯、パン、うどん、そば、ラーメン、そうめん、スパゲッティ、マカロニ、ビーフン、春雨など、米や小麦粉、豆のでんぷんからできているものは食べません。

また、トウモロコシ、じゃがいも、さつまいもなどのいも類、それらを原料にした片栗粉、コーンスターチなどのでんぷんも使いません。

肉を食べるときは、赤身を基本にして脂肪分は少なく。肉の脂肪は飽和脂肪酸が多く、また、調理して酸化した脂肪やコレステロールはあまりよろしくないのです。

野菜の中で根菜類は糖質が多いので避けるように書かれていました。にんじん、ごぼう、蓮根が多いらしいので、調べました。全てゆでたものです。比較のために鶏もも皮つきも載せました。

野菜と肉は組成がまったく違うものだと分かります。意外と蓮根に炭水化物が多いのと、100gあたり5~7gしかない糖量も摂らないようにするのかと、徹底ぶりに少々驚きます。

100g当たりゆでたもの(出典
にんじん皮つきごぼうれんこん若鶏肉もも皮つき
カロリー36kcal58kcal66kcal237kcal
水分90.2g83.9g81.9g62.9g
たんぱく質0.6g1.5g1.3g22.3g
脂質0.2g0.2g0.1g15.2g
炭水化物(a)8.4g13.7g16.1g0
食物繊維総量(b)3.0g6.1g2.3g0
糖量(a)ー(b)5.4g7.6g13.8g0

断糖メニュー

断糖している人はどんなメニューを食べるのだろうと思います。この本には西脇先生ご自身の1週間のメニューが出ていました。月曜日だけ引用させていただきましょう。

朝食:目玉焼き2個、豚ロースとブロッコリーのオリーブオイル焼き、白湯
昼食:豚しゃぶ(豚肉250g、水菜、きのこ、豆腐1丁)肉スープ(しゃぶしゃぶの残り湯に岩塩と胡椒)
夕食:寄せ鍋(タラ、ホタテ、エビ、豚肉、春菊、えのき、豆腐、醤油、岩塩)もやしナムル

朝から卵に肉、肉、豆腐、魚、肉、豆腐です。たんぱく質のオンパレードですが、これだけ食べないとお腹がすくのだろうと思います。

まとめ

私の記事を読んで興味をもった方は、まず、先生の本をお読みになってください。

ハタイクリニックは、アーユルヴェーダの治療が受けられることでも有名なクリニックです。20年くらい前だったか、アーユルヴェーダを特集したNHKの番組で見た記憶があります。

東急東横線、祐天寺駅の近くにあるようです。

統合医療クリニック「ハタイクリニック」(祐天寺)
院長:西脇俊二。うつ・アスペルガー治療、超高濃度ビタミンC点滴、アーユルヴェーダ。免疫置換療法、がん治療、絶糖・脱糖・断糖、自己免疫性疾患、漢方、パンチャカルマ、パニック障害、肥満外来、マイヤーズカクテル。

具体的な症状をお持ちで断糖をしてみようと思う方は、受診された方が安心かもしれません。

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