「病気を治す飲水法」を読みました。少々読みにくい本で、書かれている効果は、正直どうなのかなと思いますが、ただの水、水道水を飲むことをすすめているので、余分に費用がかかることはありません。
水を飲む健康法の本を探していたのですが、なかなかセンセーショナルな本を見つけました。病気を治す飲水法という本です。タイトルも表紙も挑戦的です。
著者のF.バトマンゲリジ医学博士について
著者であるF.バトマンゲリジ医学博士についてこのように紹介されていました。
1931年イラン生まれ。ロンドン大学に学びセントメリー病院医学校で医師免許を得る。
帰国後にイラン革命に巻き込まれて、獄中で患者の診察にあたる。薬が使えない中で、胃潰瘍に苦しむ囚人に水をコップ2杯飲ませただけで癒したのをきっかけに、水だけで3000人の患者を治療し続けた。
水だけで3000人の患者を治療し続けたとあります。私は疑ってかかる方なので「本当かな?」とも思っていますが、ただ、普段よりも水を多く飲むだけなので、やってみてもよいかなと思いました。
毎日どのように水を飲むのか
最初に飲水法の原則が書かれていました。
体重から割り出した個人別1日に飲む水の必要量
- 体重(キロ)の30分の1リットルを飲みましょう。(例:体重45キロなら1日に飲む水の量は1.5リットル)
水の飲み方
- 毎食30分前にグラス1杯、2時間半後にグラス1杯飲みましょう。酒、コーヒー、紅茶などカフェイン入りの飲料は水に数えません。
注意
- 飲水法を行う際には、腎機能が正常に働いているかチェックすること。飲水法と同時に、天然塩を必要量摂ることを心がけること。
酒、コーヒー、紅茶などカフェイン入りの飲料は水に数えないとありますが、もちろん、ジュースなども水ではありません。スポーツドリンクも果糖やショ糖(砂糖)が入っています。
さて、具体的にどんな効果があるのか?以下に書いて行きましょう。ただ、なぜなのかという理由について、私はさっぱり理解できないので、抜き書きしていきます。
消化不良による痛みに
消化不良からくる痛みは、人体のもっとも大切な信号である。それは体に水が不足している信号であり、老人子どもを問わない。
くり返し起きる慢性の水不足が、今知られている主な病の、ほとんどの原因を成している。
消化不良の痛みの中でも、胃炎、十二指腸炎、胸やけは、飲水量を増やすだけで治療すべきである。
潰瘍が関係していれば、潰瘍部の治癒をうながす日々の食事に注意する必要がある。
リウマチ痛
リウマチは自己免疫疾患だといわれています。しかし、この本では、リウマチ関節炎と痛みは水不足が原因だと書かれていました。
水を余分に摂ると痛みが軽減されるかもしれないと読んでいただければよいかもしれません。
リウマチ関節炎とその痛みは、まずもって、患部の軟骨の表面が水不足に陥っている信号とみるべきである。関節痛は体の局所の渇きの信号であり、塩分の不足が一因を成していることもある。
関節の軟骨の表面には水分が多く含まれている。その潤滑機能のおかげで、関節が動くときに、対抗する面同士が自由に擦れ合う。
骨細胞はカルシウムの層に浸っているが、軟骨細胞は水の豊富な基質に浸っている。軟骨の表面が擦れ合うと、細胞の一部が摩滅して剥れ、骨表面の成長突起から新しい細胞が補充される。
水の多い軟骨では摩滅する度合いは少ないが、水不足状態にある軟骨ではその割合が大きくなる。軟骨の再生と摩滅の割合が関節が有効に働く指標になる。
これに関連して、腰痛、首の痛み、胸の痛み、頭痛について説明されていました。
ストレスとうつ病
ストレスとうつ病が水不足によって起こるとは思えないですが、抑うつ状態になっている方がこれをお読みになったら、普段より多く、この本の原則に従って水を飲んでみるとよいかもしれません。
社会的ストレス(不安、心配、不安定、執拗な感情的あるいは夫婦間の問題など)とうつの発生に関わる症状は、脳組織に欠かせない水量に影響が出るほど、水が不足した結果である。
脳は水力発電エネルギーを使っているが、水不足状態に陥ると、エネルギー発生率が低下し、それに頼る脳の多くの機能も低下する。
この機能低下を「うつ病」と呼び、そこから慢性疲労が起きてくる。
高血圧
高血圧(本態性のそれ)は体が深刻な水不足になじんだ結果である。体は方々で血管を開閉することによって、血液の量の変化と、器官の要求に対応している。
体液の総量が不足してくると、中心的血管の開口部が縮小(管腔が閉鎖)しはじめる。充当すべき血液が不足してしまうからだ。
水かさが減れば、血液からガスが遊離して血管の隙間に充満し、「ガス詰まり」状態になる。
どうも、分かりにくいのですが、水が不足すると血管の開口部が狭くなったり閉鎖することが高血圧の原因だと考えているようです。
高コレステロール血症
高コレステロール血症は、細胞膜から水を出し続ける血の浸透力に対して、体の細胞が防衛機能を発揮しているサインである。
濃い血液が、細胞膜から充分な水を解放できず、正常な細胞機能を保てずにいるのである。コレステロールは細胞膜の隙間に流れ込んで水を通さなくさせる天然の粘土である。
それが大量につくられ、細胞膜にたまるのは、細胞を水不足から守る自然なメカニズムである。
これは血液と細胞の間の浸透圧のことをいっているようです。水分が足りないと血液が細胞から水を吸収しようとするのですが、細胞はそれをさせじと、コレステロールを細胞膜に壁のように立てて防衛するのだという意味なのでしょうか?
肥満
脳の中枢管理システムが十分なエネルギーが利用できないことに気づく。すると、空腹と渇きの感覚が同じエネルギー不足から起きてくる。
脂肪からエネルギーを得るにはホルモン解放メカニズムが必要になるが、このプロセス(そしてエネルギーを解放させる体の働き)には時間がかかり、脳の急な求めには応じられない。
脳は水電力か血糖からエネルギーを得るが、緊急に求められているのが水電力である。水からエネルギーを得られるだけではない。神経の微細な水輸送システムに、多くの水が必要になるからだ。
このように、飢えと渇きの感覚は、同時的に発生して、脳の要求を訴えている。私たちは、この二つの信号を食欲と誤解し、水を飲むべきときに物を食べる。
食前に水を飲んで減量できたこの人たちは、二つの感覚を区別するよう自分を仕向け、水への欲求を満たすために食べる過ちを犯さなかったのである。
水電力というのが何を指しているのか分かりません。
水不足になると、同時に空腹の感覚も起きるので、間違えないで水を飲むようにすると、肥満せずやせることができるという意味のようです。
アレルギーと喘息
喘息の仕組みについて説明されていました。咳がひどい時に吸入器を使うことがあります。水分を摂ることは悪いことではないでしょう。
喘息では、肺組織が生産するヒスタミンの量が増え、気管支を収縮させることが知られている。
肺は水が気化し失われる主な部位である。ヒスタミンが気管支を収縮させていれば、呼吸時に水があまり気化していないことを意味する。
これは水を保とうとするごく自然な働きである。
ヒスタミンには、水代謝以外にも、抗菌、抗ウイルス、抗異物などの体内防衛機能がある。
体の水量が正常であれば、その働きは感じられない程度であるが、体の水が不足すれば、ヒスタミン産生細胞が他の働きのために貯蔵されているこの物質を過剰に解放しはじめる。
動物実験では、飲水量を増やすとともに、ヒスタミンの生産も低下することが確かめられている。
いずれの症状も飲水量を、慎重に、確実に増やすことにより、制御すべきである。平均的には、一~四日、飲む水の量を調整するだけで、症状はおさまる。
糖尿病
糖尿病には、インスリンを生産しなくなったためインスリンが必要なインスリン依存性糖尿病と、まだ膵臓にインスリンを生産する能力が残っている、インスリン非依存性糖尿病があります。
飲水に関係するのは、インスリン非依存性糖尿病です。
錠剤で管理できる高齢者に起こりがちな「インシュリン非依存性糖尿病」は、神経伝達系、特にセロトニン作動系に影響を与えるほど、脳に水が不足した結果である。
脳は、ブドウ糖閾値を自動的に設定し、体積とエネルギー要求量を保つようにできている。
脳のエネルギー量と水代謝にはブドウ糖が必要だ。糖だけが脳にエネルギー要求量を提供するという意見が大勢を占めているが、体に水と塩が不足してはじめてそうなるというのが私の持論である。
水と塩は水電力の発生、特に神経伝達機能に不可欠である。
まとめ
ご興味を持たれた方は、実際に本を読んでみることをおすすめします。図書館にもきっとあるでしょう。
水を飲むことは悪いことではありません。
ただ、正直なところ、この本に出てくる説明が、原文がもともとそのように書かれているのか翻訳のためなのか分からないのですが、意味がよく分からない箇所がいくつもあります。
そのため、割り引いて読む必要があるかもしれないと思いました。本に書かれている通りなら、実に素晴らしいことですけれども・・・。
ひょっとしたらそんな効果があるかもしれないと思っておけばよいと思います。
水を飲むことは体に必要なことです。