『儲かる農業―「ど素人集団」の農業革命』を読んだ

本棚を整理していて出てきた、買ったことも忘れていた儲かる農業という本。儲かる農家と儲かる農業経営者を育てることを使命にしている(有)トップリバーの嶋崎秀樹さんが書かれたとても面白い本でした。

レタス

最近、本棚を整理していたら儲かる農業という本が出てきました。なぜこんな本を買ったんだろう?読んだ記憶がありませんでした。パラパラやると、テレビ東京のカンブリア宮殿を見たから買ったのだなと思いました。

寝る前に少し読んでみたらこれが面白くて、2晩で読み終わりました。

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儲かる農業経営者を育てる会社

とても面白かったのは、この本に出てくる(有)トップリバーという会社が、儲かる農家と儲かる農業経営者を育てることを使命にしているところです。

公式サイトがあります。

農業研修・独立/レタス 有限会社トップリバー
農業研修・独立、レタス 有限会社トップリバー

この会社は学校ではありません。野菜を生産して販売する会社です。しかも、会社自体も儲かっている。

働いている社員は、じき、農業経営者となり独立していってしまいます。そのため、20歳から30歳の男女を募集しています。農業のシロウトをです。私も若かったらやってみたいと思いました。

しかし、会社なのに、定期的にメンバーが卒業してしまうと仕事が回らなくなってしまうのではないかと他人事ながら心配になりますね。

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本の著者であり社長の嶋崎秀樹氏

一体どんな方が社長さんなんだろうと思いました。この本の著者であり社長の嶋崎秀樹さんは、もともとはお菓子メーカーで営業マンだった方です。退職後、奥様の実家である佐久青果出荷組合を手伝うようになりました。農家から野菜を仕入れ市場などに出荷するのが仕事です。

その後その組合を買い取り、数年後、それを母体に農業生産法人である(有)トップリバーを設立しました。

自分でも生産することにしたのは、元営業マンらしく、売上げを増やすために契約栽培を増やしたのですが、農家まかせでは思ったように野菜が集まらない問題に直面したからです。

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トップリバーという会社

トップリバーという会社、長野県北佐久郡御代田町というところにあります。生産品目は、レタス、キャベツ、白菜、ほうれん草といった高原野菜です。

㈲トップリバー
★★★☆☆ · 農業サービス業 · 大字御代田3986−1

この会社、なかなか優秀な会社です。

トップリバーを2000年に設立したときの売上げは3700万円だったが、2008年には10億900万円を計上するほど成長を遂げた。この間、単年赤字は初年度のたった一度だけである。

本の中で、会社の特徴はこのようにまとめられていました。

  • 相場出荷ではなく契約販売がメイン
  • 農地はすべてレンタル
  • 営業部門をもっている
  • ど素人を集めた農業生産法人
  • 研修生の独立を支援(人材育成)

契約栽培

契約販売とは、卸売市場を通さず、ファミリーレストランやファーストフード、コンビニなどと直接取引することです。この本が出た当時、全売上げの7割を占めていたそうです。

野菜が収穫するころに販売先を探すのではなく、生産する前に契約してしまうのです。レタスキャベツを始めとする高原野菜はいつもこれら業種で需要があります。もちろん、契約を履行しなければなりませんが、売上金額が読めます。

どのように契約栽培を準備するのか興味があったので、抜き書きします。

まず契約相手先ごとに日別・週別の出荷予定量に応じた生産・出荷計画を作成し、これに対応するための生産体制を考える。

具体的には、各生産者が年間の旬別(10日ごと)の栽培・出荷計画を前年の12月までに作成し、トップリバーに提出する。トップリバーはこれをもとに、全生産者の数値を積み上げた旬別ごとの年間出荷予定量を1月までに作成する。

これを2月までに受注量とつき合わせ、各農家の生産・出荷計画を修正する。

同時に生産量が受注量を上回る時期等については、営業が新たに販売先を開拓したり、すでに契約した先に新たな受注を求めるなどして、販売量の拡大を図る。

これらの作業をもとに、各農家の作付面積、定植日、播種日、収穫日、規格、収穫量を最終決定し、通知するのである。

定植日や播種日などは、出荷量を入力すると自動的に算出するソフトをつくってあるので、農業経験が浅い従業員でも計画を立てることができる。

もっとも事前に綿密な計画を作成しても、自然の天候相手のことだけに、すべてが計画どおりに進むとは限らない。不測の事態にも対処できるよう、買い手との契約数量は収穫予定量の7割までとしている。残る3割を不測時の対応用にしており、これで多くの場合、対応できる。

栽培品目をしぼっているからこそ計画栽培ができるように思います。

営業部門をもっている

契約栽培をするには、契約先がなければ不可能です。そのために顧客を開拓する必要があります。これは、何か物を製造しているメーカーなら当たり前のことです。

営業部門をもっているのが特別なことなのかと思ってしまいましたが、生産者は営業を重視していないのだなと思いました。また、トップリバーが成長を続けている理由がここにあると思います。

農地はすべてレンタル

自社で農地を取得することなく、近隣の遊休農地を借り上げて使っています。これは生産コストを下げるために役に立ちます。

ど素人を集めた農業生産法人

トップリバーが儲かる農家と儲かる農業経営者を育てることを使命としているので、定期的に人が入れ替わります。もちろん、入れ替わっても運営に支障が起きないよう情報の共有化の仕組みができています。

情報の共有化

もし、この仕組みがないと一度採用した人にずっといてもらわないと困ることになります。これ、意外と普通の会社でもできていないことですね。

もっとも、普通の会社は長く勤めるのが前提なので、勤めている人は、自分の得た知識を出し惜しみするかもしれません。

知識の出し惜しみがないように、あらゆる農作業をコンピュータにインプットして情報管理している。

いつ、どのようなときにどの農業資材を使ったらどのような結果になったか。情報は誰でも簡単に引き出すことができる。また、近隣の農家から学んできた知識も一人のものとせず、みなに公開して共有するように指導している。

研修生の独立を支援(人材育成)

社員として採用されても、何年かしたら独立していくことが前提です。今の時代、若い人にとってはありがたい仕組みだと思います。

条件などもサイトで公開されています。

トップリバーの仲間募集|農業研修・独立/レタス 有限会社トップリバー
農業研修・独立、レタス 有限会社トップリバー

どんな農業経営者となるか

一つの経営規模のモデルが示されていました。なんとなくではなく、面積と人数が具体的に示されています。数字がはっきり示されているのは、経験にもとづいて、収穫量と売上金額から計算していって導いたのだと思います。

利益を生み出す農業を行うには、経営者比率二五パーセント程度、つまり経営者ひとりに対して三人の雇用者がいるくらいがちょうどいいと思う。

イメージとしては、経営者と片腕になる副官、そして二人の従業員というのが理想的な構成である。そして、現在の農家一戸あたりの畑作面積は約一ヘクタールであるから、その三倍の三ヘクタールくらいの農地経営をするなら、六人以下でやっていくのがもっとも効率のいいやりかただと思う。

このように具体的なモデルが提示されていると、働く人にとっては、とりあえずの目標とできるので、とてもよいですね。

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トップリバーの評判は?

実際に働いてみたいと思った時は、会社の評判が気になるものです。今はうそをついていてもすぐにバレてしまう時代です。「トップリバー 評判」と検索すると、転職サイトに書かれた、元社員の方が書いた評価を読むことができます。

私がこの記事を書いている時点でレビューがついていたのは、転職会議だけでしたが、読んでみると、概ねよい評価だと思います。

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NOTE

毎年、台風や大雨が降り、農業の大切さを感じるようになってきました。

農業を大切にしなければいけないと思った時に、このような会社があるのは希望が持てます。特に、若い人にとっては、社員になるまでにステップはありますが、ほとんどリスクがないと思います。

利益を出しながら人を育てて独立させる会社は、めったにありません。

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