しいたけはコレステロールを下げるかも

生しいたけをバターで焼いて食べるのが好きです。しいたけだけでなく、きのこはなぜかバターと合いますね。きのこは菌類で、カビや酵母の仲間です。従属栄養生物なので、古い木から栄養をもらって生きているのですが、どんな成分からできているのか今まで調べたことがありませんでした。

この記事では、まず、しいたけの栄養成分を調べました。また、きのこは不思議と薬になることが多いのです。調べてみると、やはり、しいたけ特有の成分エリタデニンがありましたので、それについても書きます。

しいたけ

しいたけの栄養成分

しいたけの栄養成分について、乾燥しいたけと生しいたけは2通り、菌床栽培と原木栽培について調べてみました。

乾燥しいたけの栄養成分が「濃い」のは当たり前です。同じ100gでも水分を飛ばしているので、単純に乾燥しいたけの本数が多くなります。栄養成分の量が多くなるわけです。

菌床栽培と原木栽培では、原木栽培の方がやや濃いめでしょうか。

生しいたけを見ると、水分が約90%。とても多いです。たとえば、豚肉(生)だと水分は60%くらいです。わずかなたんぱく質や脂質、炭水化物と食物繊維であの形を維持しているのかと思うと、少し不思議な感じがします。

生のしいたけ100gに3g程度のたんぱく質が含まれていますが、これは牛乳と同じくらいです。

ビタミンDと食物繊維について少し解説しましょう。

100gあたりの栄養成分(出典
しいたけ
しいたけ
菌床栽培生
しいたけ
原木栽培生
エネルギー182kcal19kcal23kcal
水分9.7g90.3g88.3g
たんぱく質19.3g3.0g3.1g
脂質3.7g0.3g0.4g
炭水化物63.4g5.7g7.6g
カリウム2100mg280mg270mg
カルシウム1012
マグネシウム1101516
リン3108761
1.70.30.4
亜鉛2.31.00.7
レチノール活性当量000
ビタミンD12.7μg0.4μg0.4μg
α-トコフェロール000
ビタミンB10.50.130.13
ビタミンB21.40.200.22
葉酸240μg44μg75μg
ビタミンC000
食物繊維(総量)41.0g4.2g5.5g

ビタミンD

ビタミンDは、カルシウムやリンなどのミネラルの代謝や恒常性の維持、骨の代謝に関係しています。不足すると子供ではくる病、成人では骨軟化症などが起こることが知られています。(出典)あんこう、くろかじき、シロサケなど魚に豊富に含まれています。

しいたけを料理する前に、30分~1時間ほど日光に当てるとビタミンDが増えます。これは、しいたけに含まれる成分、エルゴステリンが、ビタミンDに変化するからです。

食物繊維

食物繊維は腸内細菌のエサになります。お腹の調子を保つために必要なものです。乾燥しいたけには41g入っていますが、乾燥しいたけを100g水でもどして全て食べることはありませんね。

普通の食品で生でそのまま100g食べるものの中で一番食物繊維が多いのは、らっきょうでした。21gも入っていました。

食物繊維といえばこんにゃくを思い出します。こちらも調べてみました。お店で売っている板こんにゃくやしらたきは、100gあたりせいぜい2~3gなので、生しいたけの方がずっと多いです。

また、しいたけの食物繊維の中にはβグルカンがあります。βグルカンには免疫力を高めてがんを抑制する効果があることが知られています。βグルカンが入っているきのこは他にもいろいろあり、サプリメントにもなっています。

しいたけの効果

特有の成分エリタデニン

しいたけ特有の成分です。エリタデニンは、血液中のいわゆる悪玉コレステロール値(LDL)を下げ、反対に善玉コレステロール値(HDL)を高め、総コレステロール値を下げる働きをし ます。(出典

コレステロールと中性脂肪を下げる

市販の乾燥シイタケの粉末をラットの飼料に混ぜて1週間投与すると、血清コレステロール及び中性脂肪が低下することが分かり、その原因となるエリタデニンを発見されたそうです。

ただし、人に効果が期待できるエリタデニンの量500mgは、乾燥シイタケ1キログラムに相当するそうです。これを毎日食べ続けることは不可能でしょう。すぐにサプリメントに飛びつかないでください。

しかし、看護学生に毎日乾燥シイタケ9gを煮付けにして食べさせたら1週間で血清コレステロールが下がったそうなので、エリタデニン以外の物質との組み合わせがあるのでしょう。

乾燥しいたけ使った料理を食べていると、コレステロールが下がる可能性が結構あると覚えておきましょう。

煎じるとかぜの咳止めや二日酔い、暑気あたりに

また、自分で採れる薬になる植物図鑑にはこんなことが書かれていました。

自分で採れる薬になる植物図鑑
野菜の民間療法的な効果を調べるために自分で採れる薬になる植物図鑑を読みました。調べることはできましたが、野草が好きな人のための本だと思います。 この本には薬になる植物243種、薬になる野菜・ハーブ34種、毒草22種が収められています。...

上でエリタデニンについて説明しましたが、その他に多糖類のレンチナン、ステロイドのエルゴステロールが含まれています。

エリタデニンには血中のコレステロールを下げる効果が、またレンチナンには抗がん作用があることがわかっている。

エルゴステロールは紫外線に当たると、カルシウムの吸収を助けるビタミンDに代わる。

かぜの咳止めや二日酔い、暑気あたりには、乾燥品1日量10gを煎じて服用するとよい。

動脈硬化の予防にも効果があるとされる。生のものでもほぼ同じ効用があり、適量を焼く、煮るなど加熱調理して食べる。

柄も栄養素は変わらないので捨てずにいっしょに調理する。なお、市販の干しシイタケの多くは、短時間で乾燥できる火力乾燥なので、3~4時間日光に当ててから調理に用いるとよい。

胃腸の働きを活発にする

世界一やさしい! 野菜薬膳食材事典にはこんな効果が書かれていました。

世界一やさしい! 野菜薬膳食材事典
世界一やさしい! 野菜薬膳食材事典は、漢方の理論に基づいて、120種類の食材の効能が解説された本です。みんな普通の食べものばかりです。

胃腸の働きを高める作用のあるしいたけ、薬膳では、生のしいたけよりも干しシイタケを使うことが多く、スープや鍋料理によく使用されます。

加齢による胃腸機能低下を防いで、元気をつけてくれる食材です。

しいたけの保存方法

しいたけはパックから出して新聞紙やキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存します。軸を上にして保存するのがコツです。

まとめ

生しいたけはとてもおいしいのですが、私が買い物に行く八百屋さんにいつも並んでいるわけではありません。しかし、その隣に乾物屋さんがあります。

そこで干ししいたけを買って、産地や品質などいろいろ聞いてみようと思いました。

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