ヨガのポーズは体が固いとできない、のは当たり前です。体が固いからヨガをやって柔らかくするから動きも体調もよくなるのです。私はボルダリングを始めたのはよいけれど、体が固くてさっぱり登れないのでヨガを始めました。
ボルダリングがうまくなりたくて、がきっかけです
そもそも、ヨガを始めたきっかけは、1980年代初めに流行り始めたボルダリングでした。今から40年くらい前の話です。今のようにクライミングジムやクライミングボードがない時代のことです。当時、フリークライミングが流行り始めていて、その練習でボルダリングをする人が増えていました。
スリックタイヤのゴムだといわれたEBシューズを履いてチョークバックを腰にぶら下げて、河原に行って手頃な岩でボルダリングをやるのが流行っていたのです。
夏休みに北穂高小屋にアルバイトに行って、実際のクライミングを見て、クライミングってすごいなあと思いました。彗星のように平山ユージさんが出てくるほんの少し前の話です。当時の感じがわかるページがありました。
【1980年代〜】『岩と雪』から『ROCK&SNOW』の表紙に見るクライミングファッションの変遷
腰と股関節が固いので、垂直に近い壁のような岩で自分の体の前、例えば立っている状態から、右足だけ太ももあたりの高さにあるスタンス(足を置く場所)に置いても、そこに体重をかけられないのです。これは体を柔らかくしないと上達できないと悟り、ストレッチの本を探しに古本屋に行きました。
ヨガの本を探した
もともと、1980年代当時の学生がよく読んでいた別冊宝島が好きだったので、トレーニング系より東洋体育系の本に興味がありました。それで、別冊宝島を何冊か読んでヨガの本を探そうと思いました。
最初に買ったのは、東洋体育の本でした。
その後、大学本部近くにできたばかりの古本屋で、番場一雄さんの分解写真がたくさん載っていた平河出版の「ヨーガ―・ヨーガ行法の段階的修練法」を見つけました。
当時、分解写真が出ている本はほとんどありませんでした。(ちなみに、この本、まだ絶版にならず入手可能です)
今は写真つきのヨガの教本を始め、DVDにYouTubeで検索すれば無料でヨガのポーズを学ぶことができますが、昔はイラストが主体の本ばかりだったのでこの本を入手したのはラッキーでした。
時間だけはたっぷりあるので毎日やるようになった
この本を元にポーズを決めてメニューを作りました。そして、それからしばらく毎日ヨガをやるようになりました。
学生は時間だけはタップリあります。朝晩45分ずつやりました。ちょうどNHKFMに朝晩同じ内容で45分流す番組があったのです。
最初は体が固くて痛いので、敷き布団の上でやりました。
最初の頃、頭は膝につかないし、両足を持って頭を膝につけるなんて何年かかるだろうと思いました。一番よく覚えているのは、上向き英雄坐のことです。
まず、座って両足の間に尻を落とす、いわゆる「おばさん座り」ができるようになるまで何ヶ月かかかり、そこから背中を倒して床につくまでも数ヵ月かかりました。背中が床に着いたときはかなり嬉しかったです。
両足の親指をつかんで体を二つ折りにする、背中を伸ばすポーズができるまでは1年以上かかりました。
続けられたのは、体が柔らかくなると明らかにボルダリングがうまくなるのと、体調がよくなるからです。
肛門が締まるようになった
この頃感じていた効果は、体が柔らかくなっていくのと同時に、肛門が締まることでした。下痢をすると肛門が開く感じがしますが、その反対です。私はお腹がひどく弱いというわけではないですが、寒かったり緊張すると下痢をすることがありました。
ところが、ヨガをやるうちに、何となくお腹に緩やかに力が入っているような気がして、肛門が締まっている感じがするのです。
おかげで、トイレで大をしてもほとんど紙を使わないで済むようになりました。また、脚が開くようになって、Y字バランスも取れるようになりました。
そして体が柔らかくなると肩が凝らなくなりました。何となく自分で自分の体を調整できるような気がして楽しかったです。
もちろん、股関節や膝が柔らかくなると、小さいスタンスに立つことができるようになり、ボルダリングもそれなりに上達しました。
働くようになるとすっかりヨガを忘れていました
その後、サラリーマンになり、当時流行っていた気功にも少し凝ったことがありますが、たいていの同年代の人達と同じように仕事の忙しさにかまけて全て忘れてしまいました。
中年になると体の調子が落ちてきて
しかし、厄年あたりからまたヨガを始めました。
体力も気力も落ちて体調があまりよくないなと思うことが増えたからです。肥満したり、酒を飲みすぎていたり、革靴とアスファルトの道のおかげで、足がいつもくたびれていて、背中や首、肩がいつも張っているような感じがとれないからです。
その後、2002年にロードバイクを買い、ヨガをまた始めました。そのあたりのことは、40歳過ぎてヨガを再開した頃のことに書いてあります。
NOTE
ヨガを始めるのに、体が固いことは障害になりません。むしろ、そういう人が始めるのがあたりまえと考えてもよいと思います。
今も毎朝ヨガをしていますが、時々、本を読み返してマンネリにならないようにしています。初心者の頃は動きを覚えるのに時間がかかるので、動画の方がよいと思いますが、できることなら最低一通りのポーズを覚えるまでは教室に通った方がよいです。やはり実物を間近で見るのは違います。
そして、自分に合ったヨガの本は最低1冊は持っていた方がよいですよ。